生涯学習と地域社会教育

生涯学習と地域社会教育

  • 末本誠・松田武雄 編著/2004年6月
  • 2476円(本体)/A5判・290頁

生涯学習の歴史と現状を詳細に分析し、新しい理念と方向性を提起。障害者や高齢者など社会的弱者を含む住民への行政と地域のあり方をも問う論稿集。社会教育・生涯学習関係年表も収録した画期的概要書!!
(ISBN 4861100143)
→『新版 生涯学習と地域社会教育』をご覧ください。

目次|indexs

第一章 社会教育としての生涯学習
第二章 青年の自立と社会参画
第三章 成人女性の教育と男女共同参画社会
第四章 障害者・高齢者の学習・文化活動と福祉のまちづくり
第五章 子どもの学校外教育
第六章 参画型社会を支える市民の学び―NPO・NGO・多文化共生の学習活動をめぐって
第七章 学校教育と社会教育の連携
第八章 学ぶ側に視点を置いた理論
第九章 社会教育・生涯学習の法制度
第十章 社会教育の施設と学習の支援者
第十一章 社会教育行政とNPO・ボランティア
第十二章 社会教育・生涯学習計画の創造

著者|author

末本誠(すえもと・まこと)
神戸大学教授。
松田武雄(まつだ・たけお)
九州大学助教授。
…ほか10名による執筆。

担当編集者から

「はじめに」にあるように、「生涯学習」がテレビのコマーシャルに登場する時代だが、意味がはっきりしないまま言葉だけが独り歩きしていないか?
本書は、漠然としている「生涯学習」の意味を「地域社会教育」という観点から確認しようとするものだ。執筆者12名が、それぞれ専門分野の現状と課題を鋭く分析・論考。生涯学習や社会教育の関係者だけでなく、さまざまな場で学習に取り組む一般の方々にも読んでほしい。その活動をより豊かにする手がかりになるはずだ。
本書の内容をやわらかなイラストで象徴化した装丁は、若井夏澄さん。[-山岸-]

 

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「郊外」復興―“緑の海”の住空間 サバービア文化論

「郊外」復興

“緑の海”の住空間 サバービア文化論

  • 山田利一/2004年6月
  • 1800円(本体)/四六判・200頁

快適生活の再生へ― 住空間としての「郊外」を「文化」の視点で考察するユニークな文化論。欧米、日本の住宅、郊外事情を歴史的にたどり、望ましい住環境の姿を追求する。現状への一つの提案でもある。
(ISBN 4861100135)

目次|indexs

第一章 言葉と背景
日本語
英語
第二章 サバービアの歴史
メソポタミアとヨーロッパ大陸
マナーハウス
サバービアの誕生
第三章 アメリカのサバービア
歴史
郊外と不倫
天国と地獄
第四章 ユートピア思想と田園都市
第五章 日本の郊外

江戸から東京へ
山の手と郊外
第六章 「生れてはみたけれど」と郊外
小津安二郎
蒲田
郊外の戦前と戦後
第七章 田園都市掛川
田園都市
産業
文化とレジャー

著者|author

山田利一(やまだ・としかず)
文学博士・アメリカ文学専攻。日本工業大学教授。
著書に『John Updike and Pennsylvania Dutch Country』(金星堂)。

担当編集者から

ハコのなかに住んで、ひたすら働き蜂の生活を送ってきたが、このところ、身の回りをちっとは見渡すようになった。部屋の掃除をし、そこらにちらばった物(ぶつ)の整理整頓をして少しはすっきりする。
さてと一歩外へ出ると、街は何と混みあっていることよ。確かに便利な日常生活は一通り確保されているものの、この息苦しい空間はどうしようもない。
本書は、そう思っている、とくに都会生活の人に、ひとつの視点を提示している。快適な住空間はつまるところ、ほどよいバランスをどう確保するかで保障される。人口に見合った農・産業、インフラ、文化・娯楽施設、商店、病院、学校…などが過不足なく整備されなければならない。いわれてみれば当然のことであるが、現実とのギャップはあまりにも大きい。
郊外は都市を取り巻く住宅地を意味し、豊かな緑に囲まれたその集合体、巨大な住空間をサバービアというのだが、日本にはそんなところなどないように思える。本書の紹介する静岡県掛川市は、こうした町づくりをいち早く進めている。日本のサバービアの数少ないサンプルと注目されている。
下町住まいの著者の歯切れよく直截な文章は、一気に読ませるリズムがある。[-堀田-]

 

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ちょっと、教養―20代女性のための芸術案内

ちょっと、教養

20代女性のための芸術案内

  • 小出龍太郎/2004年5月
  • 1600円(本体)/四六判・258頁

芸術への愉しい誘い― バッハ、ピアフ、ハリウッド映画からゴッホまで。音楽・映画・絵画・文学の傑作を画家・小出楢重の孫がわかりやすく紹介。するする読めて知識が身につく面白教養読本!
(ISBN 4861100089)

目次|indexes

【音楽】
Edith Piaf/Barbara/John Denver/Peter, Paul & Mary/Bill Evans/Johann Sebastian Bach/Georg Friedrich Handel/Karl Richter/Glenn Gould/Midnight in Moskow
【映画】
『ドクトル・ジバゴ』/『年下のひと』/『ブルックリン横丁』/『エクスカリバー』/『最後の誘惑(キリスト最後のこころみ)』/西部劇Western/『インディ・ジョーンズ』『スター・トレック』『歴史は夜作られる』
【絵画】
フィンセント・ファン・ゴッホ/モーリス・ユトリロ/ヴラマンク/ジョルジオ・デ・キリコ/小出楢重/鴨居玲/仲田好江/梅田画廊と中村由起子/『Nの家族』
【文学】
シラノ・ド・ベルジュラック/モーパッサン/サン=テグジュペリ/アーノルド・ローベル/AMラジオ放送/イワン・アレクサンドロヴィチ・ゴンチャロフ/『国民の芸術』
【その他】
フランス語/アルファロメオ/アルファロメオの赤/グノーシス主義/『るろうに剣心』/因幡の白ウサギ

著者|author

小出龍太郎(こいで・りゅうたろう)
大阪芸術短期大学助教授。日本を代表する洋画家・小出楢重の孫。
著書に『文学にひそむ十字架』『小出楢重 光の憂鬱』など。

担当編集者から

音楽・映画・文学・絵画と、各コラム力の入った面白本と、編集者として自負しているが、特にゴッホ、ヴラマンク、ユトリロ、デ・キリコ、小出楢重、鴨居玲、仲田良江を紹介する絵画の章は、「洋画家・小出楢重の孫」の名に恥じぬ美術への造詣の深さ、入念な調査、消化力と、著者の小出氏がその力量を遺憾なく発揮した、芸術への愛に満ちた素晴らしい出来栄えである。芸術に多少なりとも関心ある方、愉しく教養を深めたい方、ぜひとも手にとって欲しい!![-内藤-]

 

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おかあさん、なんでカナダに行かなあかんの?―カナダ親子留学奮闘記

おかあさん、なんでカナダに行かなあかんの?

カナダ親子留学奮闘記

  • 青木堤子/2004年5月
  • 1500円(本体)/四六判・320頁

“1つになった家族”の物語― 「外国で暮らしたい」という幼い頃からの夢を三児の母となって実現。子供に反対されても英語が話せなくても、明るく強く、さまざまな困難を乗り切る母の留学奮闘記!
(ISBN 4861100119)

推薦の言葉

私はテイコのような、暖かく、理解ある、プロフェッショナルな女性と一緒に仕事ができることを心から光栄に思っています。
-カナダ・ラングレー教育委員会シルビアさん推薦

目次|indexs

さ・い・しょ・の・いっぽ
最初の一歩/私の夢/千里国際学園(大阪国際文化中学校・高等学校)/家族海外移住計画/なぜカナダ?/ビザ取得/子どもたちの学校/「なんでカナダに行かなあかんの?」
カナダに来たら……
カナダ到着1日目/ホームステイ/「おトイレに行きたい」/家族だけの住まい/ESL教室/初めての友だちはメキシカン/ハロウィン/末っ子/息子の造反/救世主現る?!/ストレス/サッカー
カナダからの贈り物
これが典型的カナディアン?/ノミ騒動/水道管破裂/気負い/カナダの秋/クリスマスがくれた贈り物/バースデイパーティー/イースターエッグ/おじいちゃんカナダに来る
カナダ永住への道
移民の決意/バイブルキャンプ/引越し、引越し、引越し/ABCパーティー/永住権獲得
なんてこった!
サプライズ/永住権取得とビジネス/「オー、ディア」(なんてこった)/リョウスケ、マンチェスターへ行く
つぎのいっぽへ
心機一転/世界留学事情/大学付属ESL/これって、天職?/「私、英語を話せます」/カナディアンとアメリカン/あっちゃんのミュージックセラピー/留学する人たちのために/「引きこもり」からの脱出
最後に……

著者|author

青木堤子(あおき・ていこ)
大阪に生まれる。関西学院大学法学部卒業後、結婚。三児の母となる。1995年、家族でカナダへ留学、のち移住。1999年ユニークなカナダ現地留学サポート機関として、SAI-JCUSを設立。以降、中高校生・大学生の留学サポートを中心にカウンセラーとして活躍する。現在、家族とともにカナダBC州ラングレー市在住。

 

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女たちの英米文学シアター―タカラヅカから映画まで

女たちの英米文学シアター

タカラヅカから映画まで

  • 山口弘恵/2004年5月
  • 1800円(本体)/A5判・180頁

男と女の文学論― 舞台・映画・テレビドラマにあらわれた〈男と女〉の文学論。英米文学の研究者が一人の女性として、小説世界の様々な人生を紹介しながら分析・批評する味的エッセイ集!
日本図書館協会選定図書
(ISBN 4861100038)

目次|indexs

男たち女たち
究極の愛【嵐が丘】
型破りなヒーローとヒロイン【風と共に去りぬ】
美しき騎士たち【アーサー王伝説】
男の美学【華麗なるギャツビー】
男たち
父の愛を求めて【エデンの東】
イギリス版坊ちゃん【トム・ジョーンズの華麗な冒険】
破滅への招待【ドリアン・グレイの肖像】
愛に命を捧ぐ【二都物語】
女たち
運命に操られ【テス】
女たちの復讐【大いなる遺産】
何を求めて旅をするのか【ジェイン・エア】
たおやかに生きる【ワイルドフェル・ホールの住人】

著者|author

山口弘恵(やまぐち・ひろえ)
武蔵野大学(旧武蔵野女子大学)教授。
1933年中国(旧満州)生まれ。武蔵野女子学院短期大学を経て、法政大学、同大学院修士課程修了。
著書『アン・ブロンテの世界』(開文社出版)、訳書『ワイルドフェル・ホールの住人』アン・ブロンテ著(みすず書房)ほか。

担当編集者から

美貌を武器に男を破滅に追いやる悪魔のような女。好きな女が他の男を愛しているにもかかわらず、身を犠牲にして女の幸せを守ろうとする男。
男と女、男と男、女と女、三角関係…。
人と人とのかかわりは複雑で入りくんでいるが、単純にいかないところがなんとも面白い。
ああ、小説はやっぱり面白い。
本を読まない若い人たちに、舞台や映像から文学の面白さを知ってほしい、という思いで本書は書かれた。挿画は、男っぽく超カッコいい長野亮之介さん。装丁は、春風社装丁室の新人・萩原愛。
男性諸君! 女たちよ! ぜひ読んでくだされ。[-山岸-]

 

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「観光のまなざし」の転回―越境する観光学

「観光のまなざし」の転回

越境する観光学

  • 遠藤英樹・堀野正人 編著/2004年5月
  • 2381円(本体)/A5判・250頁

旅先で私たちは何を見るのか? 世界的にますます盛んになる「観光」について、歴史、リゾート論、まちづくり論、メディアとのかかわり、国立公園、内地観光団、チャイナタウン、ジェンダー、宗教、香港・インドの事例など、多様なキーワードで論じる「観光社会学」入門!
(ISBN 4861100097)

目次|indexs

01章 観光の理論的探究をめぐる観光まなざし論の意義と限界
02章 自然観光における観光のまなざしの生成と発展
03章 創出された「観光地」―鞆の浦、二見ヶ浦にみる海景名所の近代
04章 観光客のまなざしと近代リゾート
05章 観光空間・知覚・メディアをめぐる新たな社会理論への転回
06章 観光のまなざしと現代チャイナタウンの再構築
07章 地域と観光のまなざし―「まちづくり観光」論に欠ける視点
08章 「観光」へのまなざし―日本統治下南洋群島における内地観光団をめぐって
09章 ホームステイにおける異文化のまなざし―金沢の事例から
10章 ツーリズム・プロダクトとジェンダー
11章 宗教体験と観光―聖地におけるまなざしの交錯
12章 香港における観光のまなざし―その歴史と現在に関するノート
13章 越境する<観光>―グローバル化とポスト・モダン化における観光

編者|editor

遠藤英樹(えんどう・ひでき)
奈良県立大学地域創造学部助教授。
訳書にM・Mゴードン著『アメリカンライフにおける同化理論の諸相』(晃洋書房、共訳)ほか。
堀野正人(ほりの・まさと)
奈良県立大学地域創造学部助教授。
共編著に『現代観光へのアプローチ』(白桃書房)など

著者|author

安村克己—01章
(奈良県立大学地域創造学部教授)
西田正憲—02章
(同上)
川島智生—03章
(神戸女学院大学非常勤講師)
神田孝治—04章
(大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程)
大橋健一—06章
(立教大学観光学部教授)
千住一—08章
(立教大学大学院観光学研究科博士課程後期課程)
山口隆子—09章
(神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程前期課程)
安福恵美子—10章
(平安女学院大学現代文化学部教授)
中谷哲弥—11章
(奈良県立大学地域創造学部助教授)
芹澤知広—12章
(奈良大学社会学部助教授)
須藤廣—13章
(北九州市立大学文学部教授)

担当編集者から

他者とは知覚野の構造である、と哲学者は言う。

「他者のもたらす第一の効果、それは、私が知覚するあらゆる客体、私が思考するあらゆる観念の周囲に、余白の世界、マフ状にそれを取り巻く世界、「地」をつくりだしてくれることにある。そのおかげで別の客対、別の観念は次から次へと移り、移行の法則のようなものにしたがって出現し、過ぎ行くことができる。[中略]他者は世界を心優しい喧騒で満たしてくれるのである」(ジル・ドゥルーズ『Michel Tournier et Le Monde Sans Autrui』)

常に他者と共に在るわたしたちの知覚は、先験的に他者によって限定され、方向づけられている。とするならば、物そのものの知覚などもちろん不可能であって、知覚は制度的なもの、構造的なものであることは避けられまい。

旅に出、旅先でさまざまなものを知覚するとき、本当は何を見ているのだろうか。何を見せられているのだろうか。
『「観光のまなざし」の転回』は、フーコーの影響を大きく受けて書かれたという社会学者ジョン・アーリの名著『観光のまなざし』を展開・転回する。コンテンツにあるとおり、13人の論者が、さまざまな観点・角度で「観光」の本質をさぐっていく気鋭の論稿である。

旅行など生まれてこのかた数度しか経験がなく、休みになれば部屋でゴロゴロ、音楽でも流してぐうたらしていたいぼくは、元来、観光になど1ミリの興味もない。しかし、そのぼくが第1の読者=編集者としてこの本を面白く読めたのはなぜか。
それは、「わたしたちは何を知覚しているのか」というこの根源的な問いが、各論に通奏低音のように流れているからだ。主体的に生きるなんてお笑いぐさだとしたって、せめて何を知覚させられてるか、ぐらいは知りたいじゃないですか。[-内藤-]

 

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ゴルフの街を行く―英・米・日のゴルフ文化比較

ゴルフの街を行く

英・米・日のゴルフ文化比較

  • 大澤啓藏/2004年4月
  • 1800円(本体)/A5判・264頁

教養としてのゴルフ! ゴルフの歴史・文化・現代事情をエッセイ風に解説。著者がプレーしたコース、クラブの料金など、詳細情報満載でお届けする。ガイドとしても役立つ<教養としてのゴルフ>本の決定版!!
(ISBN 4861100054)

目次|indexs

第一章 ゴルフの歴史と文化
長年夢に見たスコットランドのゴルフコース
一 ゴルフの発祥と英国での発展
二 アメリカ合衆国のゴルフ史と発展
三 日本のゴルフ史と発展
第二章 今日のゴルフ事情比較
日本のゴルフコースはやさしすぎる
一 ゴルフコースの分類と特徴
二 コースのレイアウト
三 ゴルフクラブの会員システム、年会費、クラブライフ
四 クラブハウス、設備、サービス
五 ビジターの制限とプレー料金
六 プレー・スタイルとキャディー、服装
七 地域社会における役割
八 女性とゴルフ
九 ジュニア・ゴルファー
一〇 ゴルフ場開発と環境問題
第三章 プレーヤーのためのゴルフコース紹介
名門クラブだけがゴルフクラブではない
一 スコットランドのゴルフコース紹介
二 ワシントン州のゴルフコース紹介
三 日本のゴルフコース紹介

著者|author

大澤啓藏(おおさわ・けいぞう)
亜細亜大学国際関係学部教授。全国大学体育ゴルフ指導者研究会常任理事。
著書に『健康学講座―ライフスタイルと健康』(アジア書房)。

担当編集者から

おだやかで、礼儀正しい大澤先生。一見したところ書斎派だけど、根っからのスポーツマン。
2001年に編集部から全体の構成目次|indexs立てを提案したあと、脱稿までかなりの時間がかかったが、その分、内容充実。ゴルフプレーヤーも「読むゴルフ」派も、両方が楽しめる一冊に。[-山岸-]

 

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異次元夢旅行―宮沢賢治のリアルをはしる

異次元夢旅行

宮沢賢治のリアルをはしる

  • 白石秀人/2004年4月
  • 2200円(本体)/四六判・228頁

これまでタブー視されてきた賢治論に、果敢にいどむ! 臨床心理士の立場からカウンセリングの現場を踏まえ、賢治の生涯と作品を読み解く。世界がひらかれる瞬間にひらく「いのちの不思議」に打たれた著者畢生の宮沢賢治論。
(ISBN 4921146993)

目次|indexs

第一章 賢治の生涯
一、賢治を取り巻いていたもの
二、風土について
三、時代について
第二章 賢治とトシ
一、修羅のなかで
二、兄と妹
三、妹の影響
四、恋人のような関係
五、妹ばなれ
六、トシの死
七、彼方へ
第三章 他者のまなざし
一、目に見えない暴力
二、広い世界へ
三、賢治童話の特徴
四、豚の気持ち
五、もう一つの視点
六、まことの関係
七、等価のいのち
八、選択の自由
九、デクノボウとして
第四章 まことのさいわい
一、これからの宮沢賢治
二、賢治文学の成長
三、明るさの神秘
四、イーハトーヴ
五、デクノボウ
第五章 「やまなし」―「いのち」がひらかれ、息づき、育つまで―
一、はじめに
二、あらすじ
三、ストーリーの分析
四、おわりに
第六章 「銀河鉄道の夜」―「ほんとうの自分」を追い求めて―
一、はじめに
二、あらすじ(最終形)
三、ストーリーの分析
四、おわりに

著者|author

白石秀人(しらいし・ひでと)
臨床心理士。横浜国立大学、同大学大学院修士課、中京大学大学院博士課程において、臨床心理学を学ぶ。その後、中京大学文学部助手、愛知みずほ大学専任講師を務めながら、心理相談室や学校のカウンセラーを兼務。2001年より、「白石心理オフィス」を開業。2002年1月、死去。

担当編集者から

師匠・安原顯さんから「好きな日本の作家」3人あげなさい、と、いわれたことがある。
宮沢賢治、夢野久作、中里介山の3人をあげた。安原さん、言下に、「みやざわけんじだ~~~!?」といわれた。波長が合わないのだそうだ。
ぼくは逆に、とても波長が合う。たとえば、「フランドン農学校の豚」で、豚が前足をキクッと折るシーンを読むと、ああ、たしかに、豚が前足を折るときはキクッとやるよなあと感心してしまう。
ということで、わたくし、賢治大好き人間としては、興味津々でこの原稿を読み始めた。すると、多くのいわゆる<賢治本>と異なり、この著者は、賢治を遠くから眺めて評論するというよりも、賢治を、生き、走っている、という姿がくっきり眼に浮かんだ。だから、タイトルを『異次元夢旅行―宮沢賢治のリアルをはしる』とした。
著者の白石さんは、惜しくも、2002年1月、交通事故で亡くなられた。[-三浦-]

 

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世界遺産の自然と暮らし

世界遺産の自然と暮らし

  • 今井一郎/2004年4月
  • 1905円(本体)/A5判・210頁

世界遺産の現実― 白神山地とネパール・ヒマラヤ、二つの異なる地域には「世界遺産」登録後、類似の変化が生じた。フィールドワークで得た詳細なデータから、「世界遺産」の現実に迫る!
(ISBN 4921146985)

目次|indexs

「国際山岳年」に寄せて
赤石川と生きた人びと
白神山麓の暮らし
過疎地域と観光
「世界遺産」地域の自然と人
「タムール・シェルパ」との出会い
「タムール・シェルパ」のその後

著者|author

今井一郎(いまい・いちろう)
京都大学理学博士。現在関西学院大学総合政策学部教授。
著書に『パピルスの賦』(近代文芸社、2000年)など。

担当編集者から

毎週日曜深夜、某民放で流れている世界遺産の映像を見て、「お~きれいだなぁ」。世界遺産に対してそれぐらいの認識しかなかったぼくですが、本の編集を進めるうちに知らなかった事実がつぎつぎ出てくる。
簡単に「自然は保護しなければならない」なんていうけれど、そこにも人間の営みはあるわけで…考えさせられます。
とかくきれいなイメージで語られがちな世界遺産の現実に、ぜひ目を向けてみてください。[-長田-]

 

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虫曼荼羅―古典に見る日本人の心象

虫曼荼羅

古典に見る日本人の心象

  • 岩下均/2004年4月
  • 2800円(本体)/四六判・300頁
  • 装丁:長田年伸

民俗学的日本文化論! 鈴虫・蝉・胡蝶……虫に心情を託して歌を読んだいにしえの人の心は、どこにあったのか。『万葉集』『源氏物語』を中心に古典文学に登場する虫の分析から、日本人の心象に迫る!
(ISBN 4861100046)

目次|indexs

日本の民俗文化と「虫」
古典文学の「蟷螂」
王朝文学と「蜂」
古典文学の「蜘蛛」
古典文学と「蚕」
「空蝉」考
「胡蝶」考
「蛍」考
「鈴虫」考
「蜻蛉」考
「虫」曼荼羅―古典に見る日本人の心象

著者|author

岩下均(いわした・ひとし)
國學院大学文学部文学科卒業。その後、同大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得。文学修士。現在、目白大学人間社会学部教授。
共著に『日本文学史』、共編に『吉野祭りと伝承』(以上、桜楓社)など。

担当編集者から

子供のころは、夏休みといえば昆虫採集が一番の楽しみだったのに、いつの間にか虫は「触るどころか、見るのも嫌!」な存在に変わってしまった―そんな人、多いのではないでしょうか。かく言うぼくも例に漏れず、虫に対するかつての愛情を失ってしまいました。
本書に登場する虫たちは、じつにさまざまな表情を見せてくれる。編集しながらしきりに「へぇ、そうなんだぁ」とつぶやいた。著者の岩下先生の博識に驚くとともに、「虫」に心情を託したかつての日本人の感性に感動。虫に対する見方が、少し変わりました。
民俗学的にも価値ある本書、手に取ればきっと新しい発見があります。ぜひご一読を。[-長田-]

 

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