ドストエフスキー エピソードの変容

ドストエフスキー エピソードの変容

  • 木寺律子(著)/2023年12月
  • 3500円(本体)/四六上製336頁
  • 装丁:毛利一枝

複数の作品における類似するエピソードの共通点と相違点を丹念に精査し、作家の考えがいかに変化し発展していったのかを読み取る。

(ISBN 9784861109287)

目次|contents

はじめに エピソードの変容
第一章 SFとしての『おかしな男の夢』と『悪霊』
第二章 個人雑誌『作家の日記』の中の『おとなしい女』と『おかしな男の夢』
第三章 『未成年』と当時の資本主義経済
第四章 『小さな英雄』から『未成年』へ
第五章 婦人解放運動の過程で―『未成年』と『おとなしい女』
第六章 『罪と罰』におけるドイツのイメージ
第七章 『罪と罰』におけるおとぎ話の要素
第八章 『おじさんの夢』のコムイルフォー―自意識と演技
第九章 ハッピーエンドのドストエフスキー文学
第一〇章 亡くなった兄の思い出―宗教思想と無神論の狭間で
あとがき
初出一覧
索引

著者|author

木寺律子(キデラ・リツコ)
1977年生まれ。1995年大阪外国語大学入学、2000年に大阪外国語大学大学院に進学し、2008年に博士号取得して同志社大学ほかで非常勤講師としての勤務を開始し、2021年から現職の京都産業大学外国語学部ヨーロッパ言語学科ロシア語専攻准教授。

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国際日本学の探究―夏目漱石・翻訳・日本語教育

国際日本学の探究

夏目漱石・翻訳・日本語教育

  • 徳永光展(著)/2023年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製418頁
  • 装丁:長田年伸

母語-日本語、地域文化-日本文化を往還し、新たな知の体系の創造を試みる挑戦的論集。漱石『心』『坑夫』の英・独訳者との対談も。

(ISBN 9784861108969)

目次|contents

序 論 本書の目的と構成

■第Ⅰ部 翻訳者との対話
第1章 『心』における3度目の英訳について―マッキニー,メレディス
第2章 ドイツ語訳『坑夫』をめぐって―ヒンターエーダー・エムデ,フランツ

■第Ⅱ部 翻訳研究の諸相
第1章 翻訳研究の領域
第2章 ドイツ語圏における夏目漱石―『坊っちやん』2度目のドイツ語訳を手掛かりとして
第3章 書評Ⅰ

■第Ⅲ部 教育研究方向の展望
第1章 日本近現代文学研究の現状認識と未来
第2章 日本の大学における教育研究
第3章 海外発信に関する戦略

■第Ⅳ部 ドイツ語圏の日本学
第1章 リュッセルスハイム 1972年―日本学の歴史的回想(翻訳)
第2章 ドイツ語圏の日本学 1977年-1996年―ドイツ語圏日本研究者会議から
第3章 ミュンヘンの日本学―1996年の調査から
第4章 ドイツにおける日本近現代文学の受容

■第Ⅴ部 日本文学の研究と教育
第1章 国際日本近現代文学研究の必要性―ヨーロッパ日本研究協会ワルシャワ大会から
第2章 夏目漱石を語って―北京日本学研究センターでの実践
第3章 ベトナムにおける日本文学教育の実践―ハノイ大学大学院を例として
第4章 書評Ⅱ

■第Ⅵ部 日本語教育の現場
第1章 日本語教育レヴェル設定への視座―初級・中級・文字指導
第2章 日本在住外国人教授に対する日本語の授業―宮崎国際大学での実践
第3章 大学院留学生に対する日本語習得支援―福岡工業大学での実践
第4章 日本語教師養成の思想―日本語教育能力検定試験出題傾向の変遷から
第5章 書評Ⅲ

結 論 国際日本学の展望

あとがき

初出一覧
Abstract
索引

著者|author

徳永光展(とくなが・みつひろ)
福岡工業大学教養力育成センター教授。
1967年、京都府生まれ。1990年、山口大学人文学部語学文学科卒業。
1992年、神戸大学大学院教育学研究科国語教育専攻修士課程修了。岡山白陵中学校・高等学校専任講師。1993年、同・教諭。2001年、宮崎国際大学比較文化学部専任講師。2005年、大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻博士課程修了。博士(文学)。2006年、福岡工業大学社会環境学部助教授。2007年、同・准教授。2013年、同・教授。ハノイ大学大学院客員教授。2021年、福岡工業大学教養力育成センター教授。2023年より同・センター長。
著書に、『夏目漱石『心』論』(風間書房 2008年)、『城山三郎『素直な戦士たち』論』(双文社出版 2012年)がある。

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時空をかける詩人たち―文理越境のアメリカ詩論

時空をかける詩人たち

文理越境のアメリカ詩論

  • 江田孝臣(著)/2023年11月
  • 3000円(本体)/四六判上製200頁
  • 装丁:毛利一枝

ディキンスンと物理学、ソローと冒険的資本主義、クレインの数学的次元超越……。文理を自在に往来し、アメリカ詩論に新地平を拓く。

(ISBN 9784861109010)

目次|contents

序 章 時をかけるエミリ・ディキンスン
(1)“Because I could not stop for Death -”(F 479 / J 712)
(2)ディキンスンの馬車の速度を計算する
(3)相対性理論と19世紀の電磁気学
(4)ディキンスンと相対論
第1章 ディキンスンの物理学
(1)序
(2)ランプの正体
(3)CenterとCircumferenceのレトリック
(4)ディキンスンが「見た」のはいかなる灯台か
第2章 天文学と自己信頼―エマソンの「モナドノック」
(1)序
(2)テクストと詩の概略
(3)「モナドノック」と天文学、「自己信頼」そしてホイットマン
第3章 時空を超える贈与交換―ソローの「冬の池」と氷貿易
(1)「冬の池」のエンディング―商品交換vs.贈与交換
(2)矮小化される氷貿易―「アイス・キング」フレデリック・テューダー
(3)資本主義的人間の理想像
(4)蛇足
第4章 四次元への飛行―ハート・クレインとホイットマン
(1)『荒地』と『橋』
(2)テクノロジー観と未来の不確定性
(3)勝ち目なき賭けへの詩的投資
(4)「ハテラス岬」と「インド航路」
(5)ウスペンスキーの『第三のオルガヌム』
(6)次元の超越
終 章 メイベル・トッドの馬車
(1)The Handbook of Amherst(1891)の著者
(2)馬車を走らせる二人
(3)ピクチャレスク美学の共有
(4)ヒッチコックの地質学
(5)馬車の行方

初出一覧
あとがき
索引

著者|author

江田孝臣(えだ・たかおみ)
早稲田大学名誉教授。アメリカ文学(詩)研究者。1956年、鹿児島県に生まれる。1979年、千葉大学人文学部卒業。1985年、東京都立大学大学院博士課程人文科学研究科英文学専攻退学。著書に『エミリ・ディキンスンを理詰めで読む―新たな詩人像をもとめて』(春風社、2018年)、『『パターソン』を読む―ウィリアムズの長篇詩』(春風社、2019年)。訳書:ルイーズ・グリュック『アヴェルノ』(春風社、2022年)、D.W.ライト編『36 New York Poets ニューヨーク現代詩36人集』(思潮社、2022年)。共訳:D.W.ライト編『アメリカ現代詩101人集』(思潮社、1999年)。

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イギリス湖水地方―ピーターラビットの野の花めぐり

イギリス湖水地方

ピーターラビットの野の花めぐり

  • 臼井雅美(著)/2023年9月
  • 2200円(本体)/四六判並製158頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

早春、春から初夏、光の夏、実りの秋、そして貯えの冬――
季節の移ろいに応じてさまざまな表情を見せるイングランド湖水地方の野の花をピーターラビットとともにめぐる。カラー写真満載。
(ISBN 9784861108785)

目次|contents

プロローグ
Ⅰ 春の訪れとともに
雪の結晶から生まれた妖精 スノードロップ(Snowdrop)
春一番の微笑み プリムローズ(Primrose)
可憐な少女 スミレ(Violet)
光の訪問者 ラッパスイセン(Daffodil)
地面に散った星の群れ ヤブイチゲ(Wood Anemone)
Ⅱ 初夏への扉
うなだれた黒服の貴婦人 フリティラリア(Fritillary)
寄り添ってうなだれているの キバナノクリンザクラ(Cowslip)
早く私を探して アルム(Arum)
たくさん集まって、何のおはなし? キンポウゲ(Buttercup)
待っていますからね ノハラワスレナグサ(Wood Forget-Me-Not)
わたしたちの世界へようこそ ブルーベル(Bluebell)
そんなに急いで通り過ぎないで ラムソンズ(Ramsons)
海を越えた侵入者 ガーリック・マスタード(Garlic mustard)
紫の手袋に包まれて アーリー・パープル・オーキッド(Early Purple Orchid)
涙のビーズが並びます スズラン(Lily-of-the-Valley)
甘い香りで誘ってくる スイカズラ(Honeysuckle)
一緒に静かな時を過ごして オダマキ(Columbine)
水辺で輝く光 リョウキンカ(Marsh Marigold)
生垣からあなたのことを見ています ヨーロッパノイバラ(Wild Rose)
どこからか現れる貴人 ツルニチニチソウ(Periwinkle)
小さな贈り物 野いちご(Wild Strawberry)
Ⅲ 夏の光のもとで
ハンドベルから飛び出した調べ ソロモン王の印章(Common Solomon’s Seal)
あなたの足を包んであげます レイディース・スリッパー・オーキッド(Lady’s Slipper Orchid)
たくさんのお花で守ってあげるね マルタゴンリリー(Martagon Lily)
揺れる思いが開きました ウェリッシュ・ポピー(Welsh Poppy)
水鳥たちの友達が来たよ キショウブ(Yellow Iris)
海がつくった波の花 アルメリア(Thrist)
藪からのぞいたお顔 セイヨウヒルガオ(Hedge Bindweed)
背高のっぽのダンサーたち ジギタリス(Foxglove)
Ⅳ 秋の憂いの囁き
秋風を呼んでいます セイヨウイラクサ(Nettle)
秋風にゆれて優しく咲く スカルキャップ(Skullcap)
荒れ地に揺れる風の子たち ヘザー(heather, Ling)
君のほっぺをいっぱいにするよ ブラックベリー(Blackberry)
揺れるレースの帽子たち ノラニンジン(Wild Carrot)
ひっそりと咲く姿への賛歌 イトシャジン(Harebell)
たくましさの勲章 アザミ(Welted Thistle)
嵐の中でもめげません ハリエニシダ(Common Gorse)
恥ずかしくて真っ赤になってしまったの セイヨウナナカマド(Rowan)
Ⅴ 冬に守られる命
春の新たな命への道のり ヨーロッパイチイ(Yew)
エピローグ
参考文献

著者|author

臼井雅美(うすい・まさみ)
1959年神戸市生まれ。同志社大学文学部・文学研究科教授。神戸女学院大学卒業後、同大学院修士課程修了(文学修士)、1987年ミシガン州立大学修士課程修了(M.A.)、1989年博士課程修了(Ph.D.)。ミシガン州立大学客員研究員を経て、1990年広島大学総合科学部に専任講師として赴任。同大学助教授、同志社大学文学部助教授を経て、2002年より現職。著書に、『記憶と共生するボーダレス文学―9・11プレリュードから3・11プロローグへ』(2018年)、『カズオ・イシグロに恋して』(2019年)、『赤バラの街ランカスター便り』(2019年)、『ビアトリクス・ポターの謎を解く』(2019年)、『不思議の国のロンドン』(2020年)、『ボーダーを超えることばたち―21世紀イギリス詩人の群像』(2020年)、『記憶と対峙する世界文学』(2021年)、『ふだん着のオックスフォード』(2021年)、『イギリス湖水地方アンブルサイドの女神たち』(2021年)、『イギリス湖水地方モアカム湾の光と影』(2022年)、『ブラック・ブリティッシュ・カルチャー―英国に挑んだ黒人表現者たちの声』(2022年)、『イギリス湖水地方におけるアーツ・アンド・クラフツ運動』(2023年)などがある。

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アロエ

アロエ

  • キャサリン・マンスフィールド(著)、宗洋(訳)/2023年8月
  • 2400円(本体)/四六判仮フランス装並製190頁
  • 装丁:矢萩多聞 /装画:agoera

花は咲かないの? 咲くわ、百年に一度ね――
遠いニュージーランドの夏の思い出。三世代の女性の日常を繊細な筆致で描いた名作「プレリュード」。生前には出版されなかったそのロング・ヴァージョン。
著者没後100年、初の邦訳。短編「ケザイアとトゥイ」「パットのこと」も併せて収録。
(ISBN 9784861108372)

目次|contents

アロエ
ケザイアとトゥイ
パットのこと
遠い場所、遠い声―『アロエ』解題
参考文献
あとがき

著者|author

キャサリン・マンスフィールド(Katherine Mansfield 1888–1923)
ニュージーランドの裕福な家庭に生まれる。父の反対を押し切ってロンドンに渡り、作家となる。短編集『幸福』(1920年)で高い評価を得、『ガーデン・パーティー』(1922年)で作家としての地位を確立するが、翌年、結核のため34歳で夭逝。日常に生じる微細な感情の変化を独自の文体で紡ぎ、珠玉の短編を残した。代表的な作品に「ガーデン・パーティー」「プレリュード」「入り江にて」「幸福」などがある。

訳者|translator

宗洋(そう・ひろし)
1974年生まれ。高知大学教授。著書に『世紀末の長い黄昏―H・G・ウェルズ試論』(春風社)、アンソロジーにH. G. Wells’s Fin-de-Siècle: Twenty-first Century Reflections on the Early H. G. Wells (Peter Lang)、共訳書にアン・フリードバーグ『ウィンドウ・ショッピング―映画とポストモダン』(松柏社)、『ヴァーチャル・ウィンドウ―アルベルティからマイクロソフトまで』(産業図書)がある。

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オースティンとエリオットー〈深遠なる関係〉の謎を探る

オースティンとエリオット

〈深遠なる関係〉の謎を探る

  • 惣谷美智子・新野緑(編著)/2023年3月
  • 3100円(本体)/四六判上製252頁
  • 装丁:長田年伸

ジョージ・エリオットはジェイン・オースティンをいかに読んだのか?
読みの不/可能性の探究――テクストに潜む〈深遠なる関係〉を多彩な切り口から読み解く。
(ISBN 9784861108631)

目次|contents

はしがき【新野緑】
第1章:女性の教育と生活の資―オースティンとエリオットにおけるウルストンクラフトの遺産【川津雅江】
第2章:少女は小説家の母である―初期作品からみるオースティンとエリオット【土井良子】
第3章:オースティンとエリオット―匿名性と作品を取り巻く「視点」【永井容子】
第4章:〈見誤り〉の悲劇/喜劇―『エマ』と『ミドルマーチ』【新野緑】
第5章:『説得』と『ミドルマーチ』―「はじまり」と「終わり」の狭間で【惣谷美智子】
第6章:エリオットはオースティンから何を受け継いだのか?―『ミドルマーチ』における〈分別〉と〈多感〉【廣野由美子】
あとがき【惣谷美智子】
執筆者紹介
索引

編著者|author and editor

惣谷美智子(そうやみちこ)
神戸海星女子学院大学名誉教授。関西学院大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。著書に、『めぐりあうテクストたち―ブロンテ文学の遺産と影響』(共編著、春風社、2019年)、『虚構を織る―イギリス女性文学 ラドクリフ、オーステイン、C・ブロンテ』(英宝社、2002年)など。
新野緑(にいのみどり)
ノートルダム清心女子大学教授。大阪大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程中退。博士(文学)。著書に、『〈私〉語りの文学―イギリス19世紀小説と自己』(英宝社、2012年)、『小説の迷宮―ディケンズ後期小説を読む』(研究社、2002年)など。

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カフカエスクを超えて―カフカの小篇を読む

カフカエスクを超えて

カフカの小篇を読む

  • 松原好次(著)/2023年4月
  • 3100円(本体)/四六判並製472頁
  • 装丁:難波園子

カフカエスク(カフカ的)という語はカフカ文学の不条理性と結びつけられることが多いが、実は、現実世界で起こる当惑・焦燥・恐怖・絶望などを伴う事象が「映画的に」描写されることから生じる結果として、不条理と捉えられていることもあるのではないか。――第二部より
パンデミックや戦争など超現実的とも思える事態が起きている現実世界と対峙しつつ、カフカの小篇を読む。エッセイ集『ことばへの気づき』(2021年)続篇。
(ISBN 9784861108464)

目次|contents

はじめに
第一部 現実と非現実の境を行き交う
(1)「商人」―膝をかがめて細い鏡をのぞきこむ
(2)「天井桟敷にて」―〈止めろ〉と渾身の叫びを上げるやも知れない
(3)「隣人」―ハラスは、いつも非常に急いでいて・・・
(4)「夜に」―なぜおまえは目覚めているのだ?
(5)「雑種」―半分は猫、半分は羊という変なやつだ。父からゆずられた
(6)「家父の心配」―誰の害になるわけでないのは明らかだが・・・
第二部 脇に身を置いて眺める
(1)「小さな寓話」―この長い壁がみるまに合わさってきて
(2)「根気だめしのおもちゃ」―球の意見によると・・・
(3)「もどり道」―心の影は消えてくれない
(4)「乗客」―ぼくは電車のデッキに立っている
(5)「はげたか」―血のなかではげたかが溺れたのを見て、ほっと安心した
(6)「ポセイドン」―大洋の底に鎮座して、たえまなく計算しつづけていた
(7)「セイレーンたちの沈黙」―オデュッセウスは、彼女らの沈黙を聞かなかった
第三部 終わらないように終わる
(1)「こま」―不器用な鞭で叩かれたこまのように、彼はよろめいた
(2)「皇帝の使者」―使者はなんと空しくもがいていることだろう
(3)「出発」―遠くから、喇叭の音が聞こえてきた
(4)「新しいランプ」―全部が片付きしだい、新しいランプを支給しよう
(5)「中庭の門をたたく」―妹は、その門をたたいた
(6)「掟の門」―この門は、おまえひとりのためのものだった
あとがき
参照した文献

著者|author

松原好次(まつばら・こうじ)
東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒業。元電気通信大学教授。専門は言語社会学、言語政策。特に、少数民族言語(先住民族や移民の言語)の衰退・再活性化について研究。主要著書・訳書に、Indigenous Languages Revitalized?: The Decline and Revitalization of the Indigenous Languages Justaposed with the Predominance of English(Shumpusha, 2000)、『大地にしがみつけ―ハワイ先住民族女性の訴え』(ハウナニ=ケイ・トラスク著、春風社、2002年)、『ハワイ研究への招待―フィールドワークから見える新しいハワイ像』(共編、関西学院大学出版会、2004年)、『消滅の危機にあるハワイ語の復権をめざして―先住民族による言語と文化の再活性化運動』(明石書店、2010年)『言語と貧困―負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ』(共編、明石書店、2012年)、『英語と開発―グローバル化時代の言語政策と教育』(監訳、春風社、2015年)、『難民支援―ドイツメディアが伝えたこと』(春風社、2018年)、『ことばへの気づき―カフカの小篇を読む』(春風社、2021年)など。

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越境のパラダイム、パラダイムの越境―フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

越境のパラダイム、パラダイムの越境

フュスリ絵画から魔法使いハウルまで

  • 今村武、佐藤憲一(編)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製426頁
  • 装丁:矢萩多聞

いかなるパラダイム転換を経て、美的創造活動は今日まで営まれつづけてきたのか。
18世紀から20世紀までのさまざまな転換期における文学作品や文化事象を比較検討し、時代的・地理的・分野的な「越境性」の諸相を明らかにする。
(ISBN 9784861108525)

目次|contents

前書【今村武】
第Ⅰ部:現代イギリス文学【西村醇子】
第1章:ダイアナ・ウィン・ジョーンズの流儀―ファンタジー作家は何と戦ったのか
第2章:ジョーンズと昔話世界―物語、「境界」を超える
第Ⅱ部:二〇世紀アメリカ文学【川村幸夫】
第3章:ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』をめぐって
第4章:ウィリアム・フォークナー『死の床に横たわりて』とそれ以降
第Ⅲ部:世紀転換期イギリス文学【内田均】
第5章:コナン・ドイルの短編小説と視覚情報
第6章:H・G・ウェルズのゲーム作品と写真
第Ⅳ部:近代アメリカ文学【佐藤憲一】
第7章:『白鯨』の内と外―「タウン・ホー号の物語」の時空間
第8章:『白鯨』奪胎―マンガ版『白鯨』研究序説
第Ⅴ部:現代日本文化【杉本章吾】
第9章:「かわいさ」という「繭」の中で―矢沢あい「天使なんかじゃない」における「少女」像の転回
第10章:若年女性の分断を乗り越えて―矢沢あい「ご近所物語」における「少女」像の解体と再構築
第Ⅵ部:日朝演劇・比較文化【金牡蘭】
第11章:村山知義と朝鮮―連帯と朝鮮表象の軌跡
第12章:一九四五年・京城の村山知義―転換期朝鮮演劇の現場で
第Ⅶ部:ドイツ文学・比較文化【今村武】
第13章:フュスリのシェイクスピア
第14章:チューリヒの啓蒙とロンドンの美術
あとがき【佐藤憲一】
人名索引
執筆者紹介

編者|editors

今村武(いまむら・たけし)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は18世紀ドイツ文学、ドイツ演劇。著書に『十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング―源流としての美学的共和主義』(春風社、2022年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『近代ドイツ文学の萌芽と展開』(南窓社、2012年)、『不道徳な女性の出現―独仏英米の比較文化』(南窓社、2011年)等がある。

佐藤憲一(さとう・けんいち)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は初期近代トランスアトランティック文学文化。著作に『異形のピューリタン―ジョン・ウィンスロップ・ジュニアとトランスアトランティック・トランザクション』(春風社、2020年)、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『異文化理解とパフォーマンス―Border Crossers』(共著、松田幸子・笹山敬輔・姚紅編、春風社、2016年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『知の版図―知識の枠組みと英米文学』(共著、鷲津浩子・宮本陽一郎編、悠書館、2007年)がある。

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賢治の前を歩んだ妹 宮沢トシの勇進

賢治の前を歩んだ妹 宮沢トシの勇進

  • 山根知子(著)/2023年3月
  • 4500円(本体)/四六判上製500頁
  • 装丁:毛利一枝

宮沢トシ自身の言葉による資料を読み解くことによりトシの実像に迫り、それへの賢治のまなざし、兄妹の精神のエコーを聴きとる。

(ISBN 9784861108679)

目次|contents

第 一 部 〈評伝〉宮沢トシの生涯と信仰
一 「信仰を一つにするたつたひとりのみちづれ」
二 成瀬仁蔵・宮沢トシ・宮沢賢治 略年譜
三 トシ誕生から花巻高等女学校時代まで
四 日本女子大学校四年間について
五 卒業後の「自省録」執筆から母校教員へ
六 「真実ノ為ノ勇進」

第二部 資料を通してみるトシの精神的軌跡
第一章 【花巻高等女学校在学中のトシ資料】
一 花巻高等女学校一年   1911(明治44)年度
二 花巻高等女学校二年   1912(明治45・大正元)年度
三 花巻高等女学校三年   1913(大正2)年度
四 花巻高等女学校四年   1914(大正3)年度
第二章 【日本女子大学校在学中のトシ資料】
一 日本女子大学校予科   1915(大正4)年度
二 日本女子大学校本科一年 1916(大正5)年度
三 日本女子大学校本科三年 1917(大正6)年度
四 日本女子大学校本科四年 1918(大正7)年度
五 卒業関係資料
六 未確認資料・トシの答案「信仰とハ何ぞや教育とハ何ぞや」
――成瀬仁蔵の〈信仰と教育〉思想と学生たちの答案から探る
第三章 【日本女子大学校卒業後療養中のトシ資料】
第四章 【花巻高等女学校教員時代のトシ資料】

第三部 トシの学びから賢治へ
第一章 賢治の前を歩んだトシ―信仰・死生観・病気・自省・愛
第二章 賢治の死後世界への意識の変遷―トシのメーテルリンク受容との関わりから
第三章 賢治の「宇宙意志」――トシ・成瀬仁蔵・タゴールとの関連
第四章 賢治の芸術観――トシ・成瀬仁蔵・タゴールとの共鳴
第五章 トシの学びと賢治
――日本女子大学校時代の教師、福来友吉・高島平三郎・阿部次郎を通して
第六章 トシとつながるキリスト者と賢治

あとがき

著者|author

山根知子(やまね・ともこ)

1964年岡山市生まれ。ノートルダム清心女子大学文学部教授。博士(文学)。早稲田大学第一文学部卒業。日本女子大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は日本近代文学および日本児童文学。
著書に、『宮沢賢治 妹トシの拓いた道─「銀河鉄道の夜」へむかって』(朝文社)、『わたしの宮沢賢治──兄と妹と「宇宙意志」』(ソレイユ出版)。
共著に、『イーハトーヴからのいのちの言葉──宮沢賢治の名言集』(角川書店)、『宮沢賢治を読む』(笠間書院)、『宮沢賢治──驚異の想像力 その源泉と多様性』(朝文社)、『宮澤賢治の深層──宗教からの照射』(法藏館)、『宮沢賢治の切り拓いた世界は何か』(笠間書院)など。
その他の共著に、『人物書誌大系47 坪田譲治』(日外アソシエーツ)、『日本女子大学に学んだ文学者たち』(翰林書房)、『赤い鳥事典』(柏書房)など。
受賞に、著書『宮沢賢治 妹トシの拓いた道──「銀河鉄道の夜」へむかって』(朝文社)により第14回宮澤賢治賞奨励賞受賞(花巻市)。論文「宮沢賢治の文学と浄土真宗信仰──信仰の重層性の基層から」により第32回暁烏敏賞受賞(白山市)。

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〈怒り〉の文学化―近現代日本文学から〈沖縄〉を考える

〈怒り〉の文学(テクスト)化

近現代日本文学から〈沖縄〉を考える

  • 栗山雄佑(著)/2023年3月
  • 4200円(本体)/四六判上製444頁
  • 装丁:矢萩多聞

戦後50年の節目の年、1995年。1月17日、阪神・淡路大震災発生。3月20日、地下鉄サリン事件発生。そして9月4日、沖縄県民にとって衝撃の事件が起こる。さまざまな暴力の記憶が甦り、長年押し殺してきた〈怒り〉が噴出する!
〈怒り〉を暴力として放出するのではなく、文学で昇華させることはできるのか。

(ISBN 9784861108587)

目次|contents

序章 今、「沖縄」の文学を読むということ

第1部 〈一九九五年九月四日〉へ至る道―浮上する暴力の記憶
第1章 補填された欲望/裂け目からの〈叫び〉―又吉栄喜「ギンネム屋敷」論
第2章 眼前のフェンスを〈撹乱〉するために―又吉栄喜「ジョージが射殺した猪」論
第3章 テロル・皇族・沖縄を再考するための〈弱さ〉―目取真俊「平和通りと名付けられた街を歩いて」論
第2部 「希望」が提起したもの―〈一九九五年九月四日〉から立ち上がる記憶・抵抗
第4章 浮上する記憶/すれ違う記憶―〈一九九五・九〉以後の文学における初期反応
第5章 〈怒り〉の連環を止める方途―目取真俊「希望」論
第6章 誰がために〈怒り〉を言語化するのか―目取真俊「虹の鳥」論

第7章 語られぬ記憶を〈放出〉する器官―目取真俊「水滴」を読み替える
第3部 他者の声で変容する聞き手―沖縄の声を聞き受けるために
第8章 被害記憶理解への欲望と違和―目取真俊「群蝶の木」論
第9章 〈ノイズ〉混じりの証言を聞き受けること―崎山多美「月や、あらん」論
第10章 沖縄で「そんなにまでして生きないといけない」者に向けて―目取真俊「眼の奥の森」論

終章 「十年後」の「希望」を夢想して

著者|author

栗山雄佑(くりやま・ゆうすけ)
1990年大阪府生まれ。
立命館大学卒業、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。現在、立命館大学文学研究科初任研究員。専門は、近現代日本文学・文化、「沖縄」文学。
主な論文に、「癒し得ぬ傷の解消の術を求めて―崎山麻夫「ダバオ巡礼」論」(『立命館言語文化研究』第34巻第1号、2022年)、「〈聞き受け〉つつも〈再生〉できない声―目取真俊「マーの見た空」論」(中川成美、西成彦(編)『旅する日本語―方法としての外地巡礼』松籟社、2022年)など。

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