『社会教育学研究』第58巻(日本社会教育学会編/2022年6月)に、小川史著『一九四〇年代素人演劇史論―表現活動の教育的意義』の書評が掲載されました。評者は新藤浩伸先生(東京大学)です。「戦時下の活動の断罪に傾きがちとなる戦時文化の研究にあって、本書は当時の史料以上の評価には禁欲的である……当時の活動が後世に遺したものを直視する点において、本書は優れている」
◆日本社会教育学会>日本社会教育学会ジャーナル『社会教育学研究』>第58巻目次
https://www.jssace.jp/publication
◆書評は下記J-STAGEでもご覧になれます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssace/58/0/58_131/_article/-char/ja/
『日本の教育史学 教育史学会紀要』第65集(教育史学会編/2022年10月)に、山内由賀著『19世紀フランスにおける女子修道院寄宿学校』の書評が掲載されました。評者は尾上雅信先生(岡山大学)です。「女子修道院寄宿学校を正面から取り上げ、その教育実態を解明した本書は、宗教を根幹とした、その教育を形作った人々に固有かつ共和派に対抗し得る教育の倫理を析出する」
日本文化人類学会編『文化人類学』87巻2号/2022年9月に『同定の政治、転覆する声―アルゼンチンの「失踪者」と日系人』(石田智恵 著)の書評が掲載されました。評者は細谷広美先生(成蹊大学)です。「本書は冷戦下の政治的暴力と日系人の関係を明らかにすることで、日系人研究に新たな基軸をもたらしている。また、マイクロアグレッションに相当する日系人に対する人種主義を丁寧に分析し、「やわらかな人種主義」という概念を提示した意義は大きい」
日本文化人類学会編『文化人類学』87巻2号/2022年9月に『ボルネオ 森と人の関係誌』(佐久間香子 著)の書評が掲載されました。評者は徳安祐子先生(九州大学)です。「幅広い歴史的資料とフィールドデータとを組み合わせ、19世紀末以降の長い時間と海を越えた広い地域とのつながり、歴史とその累積である現在とを合わせて描き出す意欲作である」
『図書新聞』第3565号/2022年11月5日号に、大原祐治著『戯作者の命脈 坂口安吾の文学精神』の書評が掲載されました。評者は山根龍一先生(日本大学)です。「出発期から晩年まで、安吾の仕事の総体を捉えようとする著者の狙いと方法は明確だ」
『サルトルとマルクスⅠ―見えない『他者』の支配の陰で』『サルトルとマルクスⅡ―万人の複数の自律のために』(北見秀司 著)電子版を配信開始しました。電子書籍は Amazon Kindle、紀伊國屋書店kinoppy、楽天Kobo、Google Play などの各書店でお求めになれます。
『日本文学』Vol.71(日本文学協会編/2022年10月)に、永井聖剛著『自然と人生とのあいだ―自然主義文学の生態学』の書評が掲載されました。評者は山本歩先生(尚絅大学)です。「決定論的〈自然〉観が〈人-生〉と結びつく思考回路と、我々は今後もなお向き合っていかねばならない」
『日本教育行政学会年報―構造的危機の時代と教育行政学研究』第48号(日本教育行政学会編/2022年10月)に、ヘレン・M・ガンター著/末松裕基、生澤繁樹、橋本憲幸訳『教育のリーダーシップとハンナ・アーレント』の書評が掲載されました。評者は仲田康一先生(法政大学)です。「新たな改革の中に自らの新しい仕事を専門家が見出そうとしてきた結果、改革に適合的な特定の論・論者・論拠・処方箋のみが特恵的に扱われる状況が生み出されるに至った」