『異文化間教育』第58号(異文化間教育学会編/2023年8月)に、香月裕介著『日本語教師の省察的実践―語りの現象学的分析とその記述を読む経験』の書評が掲載されました。評者は大舩ちさと先生(国際交流基金ロンドン日本文化センター)です。「実践者の意識しないレベルの知を描き出すことにとどまらず、その記述を読む行為が読み手にどのような影響を与えるのかに注目し、読後の省察の語りを丁寧に解釈し記述した点で意義がある」
『異文化間教育』第58号(異文化間教育学会編/2023年8月)で、B・クマラヴァディヴェル著/南浦涼介、瀬尾匡輝、田嶋美砂子訳『言語教師教育論―境界なき時代の「知る・分析する・認識する・為す・見る」教師』が紹介されました。「省察という文脈知が強調される一方で、教員養成や研修の体系は学問体系知が網羅的に示されるように、双方の知は分離したままであることもまた多い。……こうした教師の文脈依存的な成長を促すためには、いかなる知をいかなる行為と結びつけていくかという視点から言語教師教育の知を再体系化」
『図書新聞』2023年9月23日号に、柳姃希著『あいまい化する〈当事者〉たち―韓国セクシュアル・マイノリティ運動から考えるコミュニティの未来』の書評が掲載されました。評者は福永玄弥先生(東京大学)です。「本書をきっかけに韓国を対象としたクィア・スタディーズが日本でも盛んになることを期待する」
『日本都市社会学年報』第41号(日本都市社会学会編/2023年9月)に、浅川達人著『都市を観る―社会地図で可視化した都市社会の構造』の書評が掲載されました。評者は西村雄郎先生(広島大学)です。「社会空間構造分析は、地域社会、都市社会分析に有用な方法である。とすれば、この方法を適用するための前提的な議論を深める必要がある」
『昭和文学研究』第87集(昭和文学会/2023年9月)に、栗山雄佑著『〈怒り〉の文学化―近現代日本文学から〈沖縄〉を考える』の書評が掲載されました。評者は尾西康充先生(三重大学)です。「作家たちは、自己の内部に渦巻く怒りを言葉にできないのはなぜか、という問いを繰り返し投げかけつつ、何も変わらないという「諦念」や「暴力の有効性を支える言辞の呪縛」から逃れようとして葛藤し続けてきた」
『社会経済史学』第89巻第2号に金子文夫著『日本の東アジア投資100年史』の書評が掲載されました。評者は齊藤直先生(フェリス女学院大学教授)です。「四六版で300頁弱からなる本書は、決して大部の著作とはいえないかもしれないが、そのボリュームのみからは判断できない大変な労作といえる」
『図書新聞』2023年9月2日号に、佐野敦子著『デジタル化時代のジェンダー平等―メルケルが拓いた未来の社会デザイン』の書評が掲載されました。評者は池谷壽夫先生(了徳寺大学)です。「なぜドイツでは保守政権下でもジェンダー平等施策が前進したのか」
『天理臺灣學報』第32号(2023年7月)に山本芳美・桑原牧子・津村文彦編『身体を彫る、世界を印す―イレズミ・タトゥーの人類学』に書評が掲載されました。評者は山本和行先生です。
『月刊教職研修』第613号(教育開発研究所/2023年9月)で、柴垣登著『インクルーシブ教育のかたち―都道府県ごとの特別支援教育の違いから』が紹介されました。「なぜ従来の特別支援教育が継続・推進されているのか。なぜ都道府県間で整備状況に差異が生じているのか」