スウェーデン民話名作集Ⅲ

スウェーデン民話名作集Ⅲ

  • 薮下紘一(訳) /2012年12月
  • 1905円(本体)/四六判並製208頁
  • 装丁:後藤葉子
  • 挿画:松本里美

羊の体をもつ賢い王女、地獄から逃げそこなったわがままな老婆、だれもいない街へと旅する船、地上におりたった月と太陽の娘……。幻想と魔法に満ちた15の物語。
(ISBN 9784861103391)
日本図書館協会選定図書

目次│indexs

カラスのマイサ
ティテリテューレ
弟子とベルト
すがたを消した王女と漁師の息子
二つの小箱
仕事をとりかえた夫婦
こりない老婆
賢い靴職人
森の女
ペレとガラスの剣
地下の王女
しゃべる鳥、かなでる木、流れる泉
リトル・ルディ
太陽と月の娘
緑ひげの王子

訳者│translator

薮下紘一(やぶした・こういち)
樺太に生まれる。
北海道教育大学、北海道大学文学部卒業、広島大学大学院文学研究科修士課程修了、言語学修士。
1981~84年、ウプサラ大学北欧語学科客員研究員。2004~06年、メーラルダーレン大学人文科学科客員研究員。
元駒澤大学総合教育研究部外国語第二部門教授。
訳書に、『スウェーデン民話名作集Ⅱ』『スウェーデン民話名作集Ⅰ』(春風社)、『北欧語入門』(M. Oʼ C. ウォルシュ著、北海道大学図書刊行会)がある。

 

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マハーヴァギナまたは巫山の夢

マハーヴァギナまたは巫山の夢

  • 三浦衛/2012年12月
  • 1957円(本体)/変型判上製函入り242頁
  • 装丁:間村俊一
  • 挿画:林晃久

三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書! 解説・中条省平氏。
(ISBN 9784861103421)

▼『神奈川新聞』「かながわの本」(2月3日)に紹介されました。→「みだらで怪奇な物語
▼『週刊読書人』(3月29日)に紹介されました。評者は東京大学准教授・英米文学専攻の阿部公彦先生です。→「リアリティを待っている
▼『出版ニュース』(2013年3月上旬号)に紹介されました。評者は装丁家の桂川潤さんです。→「二枚腰のしたたかさが求められる装丁家
▼『図書新聞』(8月10日)に紹介されました。評者は小説家・英米文学者・大東文化大学教授の中村邦生先生です。→「奇想の弾ける小説 奔放な企みに満ちている

目次より│indexs

飛行船/口臭/予知能力/水槽/偶然/失踪/祭り囃子/玖美に似た金魚/2578/電話/とかとんとん……
解説(中条省平)

著者│author

三浦衛(みうら・まもる)
春風社代表取締役社長。1957年秋田県生まれ。東北大学経済学部卒業後、神奈川県内の私立高校で社会科教諭を7年間務める。その後、東京都内の出版社に勤務。99年、春風社を創業。著書に『出版は風まかせ』(春風社2009)、『父のふるさと―秋田往来』(春風社2010)がある。
Blog「よもやま日記

 

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英詩に魅せられ―エリオットからラーキンまで

英詩に魅せられ

エリオットからラーキンまで

  • 堀田三郎,犬飼誠(共編)/2012年8月
  • 2476円(本体)/四六判並製408頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

専門知識は要りません、まずはとにかく味わおう。
20世紀前半の英米6詩人の代表作を2編ずつとりあげ、原詩に訳文を併載。
「詩を読む会」のメンバーが、解釈をめぐるディスカッションを通して、しろうと目線で詩を愉しむ。
(ISBN 9784861103056)
日本図書館協会選定図書

ミスター・パートナー』2月号に紹介されました。
英米の詩人たちの代表的な詩を原文を掲載し様々な角度から解読

目次|indexs

第1章 T・S・エリオット
1 四月のレクイエム―「死者の埋葬」(『荒地』第一部)
2 エリオットの珠玉の抒情詩―「マリーナ」
第2章 W・B・イェイツ
3 盛りを過ぎた人生を振り返って―「学校の子どもたちに交じって」
4 悲劇の歓び―「ラピス・ラズリ」
第3章 W・C・ウィリアムズ
5 新しい季節の到来―「春など」
6 孤高を目指す詩魂の宿命―「イカロスの墜落のある風景」
第4章 ウォレス・スティーヴンズ
7 秩序への憧れ―「キー・ウェストにて考えた秩序について」
8 現実的な天使としての詩人―「田舎者たちに囲まれた天使」
第5章 ディラン・マーレイ・トマス
9 若者の宿命へのめざめ―「私には見える、夏の少年たちが」
10 望郷のウェールズ―「羊歯の丘」
第6章 フィリップ・ラーキン
11 いたずらっ子の教会詣で―「教会に行く」
12 なんとなくな人生―「ドッカリーと息子」

編者|editors

犬飼誠(いぬかい・まこと)
前岐阜女子大学教授。論文「ジョン・スタインベックの〔朝飯〕(“Breakfast”)解釈私論」(『Aurora』第5号、2001)、「ロバート・フロストの『行かなかった道』(“The Road Not Taken”)を読む」(東海英米文学会(編)『テキストの内と外』成美堂、2006)。
堀田三郎(ほった・さぶろう)
名古屋経済大学教授。論文「Wallace Stevensの〈虚〉と〈実〉The Auroras of Autumn試論」(『東海英米文学』第5号、1995)、翻訳「ウォレス・スティーヴンズ原詩と訳注の試み(1)―(7)」(『名古屋経済大学人文科学論集』)第81号―87号、2008―2011)。

 

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なぜ男は笙野頼子を畏れるのか

なぜ男は笙野頼子を畏れるのか

  • 海老原暁子/2012年7月
  • 2381円(本体)/四六判並製240頁
  • 装丁:後藤葉子/装画:タダジュン

『水晶内制度』は古事記の過激な翻案であり、『母の発達』は母に負わされた過剰なイメージを破壊する。男によってつくりあげられた言語、宗教、性別観をくつがえす孤高の作家の叫びをとらえる文学評論。
(ISBN 9784861103186)

目次より|indexs

1なぜ男は笙野頼子を畏れるのか
女の見る夢―『水晶内制度』における極私的神話世界
言語・宗教・性別規範―『水晶内制度』試論
おかあさんのその後―『母の発達』の破壊力
2私をおまえと呼ばないで―マンガにみるジェンダー
「おまえ」という呼称がはらむもの―やまだ紫『しんきらり』をテキストとして
「単性生殖」をキーワードに萩尾望都『マージナル』を読む―男女共同参画は種レベルの命題か?
3「ものがたり」の試み
樽の中

著者|author

海老原暁子(えびはら・あきこ)
1957年茨城県生まれ。獨協大学外国語学部、米国コロンビア大学大学院修士課程修了。元立教女学院短期大学英語科教授。日本女性学会、関係性の教育学会会員。著書に『図解雑学・ジェンダー』(共著、ナツメ社)。

 

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空にあがったハイエナ―ケニア・キクユの民話集

空にあがったハイエナ

ケニア・キクユの民話集

  • 杜由木/2012年3月
  • 1600円(本体)/四六判並製256頁
  • デザイン:後藤葉子
  • イラスト:タケウマ

単純で臆病だけど愉快なハイエナ、女子どもを呑みこむ森の人喰鬼、固い絆で結ばれた人々……。キクユ族が古くから語り継いできた大切な物語をユーモアたっぷりのイラストとともにおくる。
(ISBN 9784861103018)
日本図書館協会選定図書

読売新聞(5月9日多摩版)で紹介されました。

目次|indexs

第1章 動物話
第2章 魔物話
第3章 世間話

著者|author

杜由木(もり・ゆき)
1928年7月27日、新潟県生まれ。

杜由木

 

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リヴァ・ベラ

リヴァ・ベラ

  • パトリス・ルコント(著)/桑原隆行(訳)/2012年3月
  • 1905円(本体)/四六判上製260頁
  • 装丁:矢萩多聞/装画:グレゴリ青山

美人妻に逃げられ、ショーは大失敗。どん底のマジシャンは、催眠術ショーで起死回生を狙う…。名監督ルコントが贈る、ちょっとエッチで滑稽な、映画のような小説。
(ISBN 9784861102806)
日本図書館協会選定図書

 

著者|auteur

パトリス・ルコント(Patrice Leconte)
1947年パリ生まれのフランス映画監督。主な作品に『髪結いの亭主』、『仕立屋の恋』等。本書は『ショートカットの女たち』(春風社、2011年)に続く第2小説。

訳者|traducteur

桑原隆行(くわはら・りゅうこう)
福岡大学人文学部フランス語学科教授。
1952年岩手県北上市生まれ。茨城大学人文学部卒業、東北大学大学院文学研究科満期退学。著書に『フェティシズムの箱』(大学教育出版)、訳書にテオフィル・ゴーチエ『スペイン紀行』(法政大学出版局)、パトリス・ルコント『ショートカットの女たち』(春風社)がある。

 

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クリス・ボルディック選 ゴシック短編小説集

クリス・ボルディック選

ゴシック短編小説集

  • クリス・ボルディック(編)/石塚則子,大沼由布,金谷益道,下楠昌哉,藤井光(編訳)/2012年2月
  • 3500円(本体)/四六判上製568頁
  • 装丁:矢萩多聞

ゴシック小説の系譜を一望できる最良のアンソロジー!
シェリダン・レ・ファニュ,マルセル・シュウォッブ,アンジェラ・カーターなど,古今東西の33編を訳出。日夏耿之介による抄訳「アッシャア屋形崩るるの記」を付録として収録。
(ISBN 9784861102981)
日本図書館協会選定図書

目次|indexes

序論:クリス・ボルディック (訳=下楠昌哉)
第Ⅰ部 はじまり
第Ⅰ部注釈:クリス・ボルディック
サー・バートランド―断片 (1773):アンナ・レイティティア・エイキン (訳=下楠昌哉)
モントレモスの毒殺者 (1791):リチャード・カンバーランド (訳=藤井光)
修道士による物語 (1792):作者不詳 (訳=藤井光)
レイモンド―断片 (1799):「若者」 (訳=大沼由布)
罰せられた親殺し (1799):作者不詳 (訳=大沼由布)
フィッツ=マーティン大修道院の廃墟 (1801):作者不詳 (訳=大沼由布)
復讐の僧あるいは運命の指輪 (1802):アイザック・クルッケンデン (訳=下楠昌哉)
第Ⅱ部 19世紀
第Ⅱ部注釈および『オックスフォード版ゴシック物語集』収録作品一覧:クリス・ボルディック
占星術師の予言あるいは狂人の運命 (1826):作者不詳 (訳=大沼由布)
解剖学者アンドレアス・ヴェサリウス (1833):ペトリュス・ボレル (訳=下楠昌哉・大沼由布)
レディー・エルトリンガムあるいはラトクリフ・クロス城 (1836):J・ワダム (訳=金谷益道)
ティローンのある一族の歴史の一章 (1839):シェリダン・レ・ファニュ(訳=下楠昌哉)
セリーナ・セディリア (1865):ブレット・ハート (訳=下楠昌哉)
オララ (1885):ロバート・ルイス・スティーヴンソン (訳=金谷益道)
グリーブ家のバーバラ (1891):トマス・ハーディ (訳=金谷益道)
血まみれブランシュ (1892):マルセル・シュウォッブ (訳=大沼由布)
黄色い壁紙 (1892):シャーロット・パーキンス・ギルマン (訳=石塚則子)
ハーストコート屋敷のハースト (1893):E・ネズビット (訳=石塚則子)
第Ⅲ部 20世紀
第Ⅲ部注釈および『オックスフォード版ゴシック物語集』収録作品一覧:クリス・ボルディック
蔓草の家 (1905):アンブローズ・ビアス (訳=藤井光)
ジョーダンズ・エンド (1923):エレン・グラスゴー (訳=石塚則子)
アヴェロワーニュの逢引 (1931):クラーク・アシュトン・スミス (訳=下楠昌哉)
アシャムのド・マネリング嬢 (1935):F・M・メイヤー (訳=大沼由布)
カルデンシュタインの吸血鬼 (1938):フレデリック・カウルズ (訳=金谷益道)
クライティ (1941):ユードラ・ウェルティ (訳=藤井光)
血まみれの伯爵夫人 (1968):アレハンドラ・ピサルニク (訳=藤井光)
愛の館の貴婦人 (1979):アンジェラ・カーター (訳=藤井光)
ヤギ少女観察記録 (1988):ジョイス・キャロル・オーツ (訳=藤井光)
付録 アッシャア屋形崩るるの記 (1839):エドガア・アラン・ポオ (訳=日夏耿之介)
解説

編者|editor

クリス・ボルディック(Chris Baldick)
ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ英文学・比較文化学科教授。著作に、The Social Mission of English Criticism 1880-1922、In Frankenstein’s Shadow: Myth, Monstrosity and Nineteenth-Century Writing(邦訳『フランケンシュタインの影の下に』[国書刊行会])、Criticism and Literary Theory 1890 to the Present、The Oxford Dictionary of Literary Terms、The Concise Oxford Dictionary of Literary Termsなど、多数。

編訳者|translators

石塚則子(いしづか・のりこ)
同志社大学文学部英文学科教授。主な著作に、「語られぬ物語の再構築」(E・ウォートン論)『表象と生のはざまで―葛藤する米英文学』(南雲堂)、「シャーロット・パーキンス・ギルマンのメディア戦略」『メディアと文学が表象するアメリカ』(英宝社)。
大沼由布(おおぬま・ゆふ)
同志社大学文学部英文学科助教。主な著作に、“‘Go to the Ant’: Appropri-ations of the Classical Tradition in Mandeville’s Travels,” Studies in English Literature 47、「マンデヴィルと旅行記」『中世イギリス文学入門―研究と文献案内』(雄松堂)。
金谷益道(かなや・ますみち)
同志社大学文学部英文学科准教授。主な著作に、『イギリス文学への招待』(共編著、朝日出版社)、「新しい時代の破壊の音」(V・ウルフ論)『表象と生のはざまで―葛藤する米英文学』(南雲堂)。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
同志社大学文学部英文学科教授。主な著作に、『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、主な訳書に、A・L・マカン『黄昏の遊歩者』(国書刊行会)。
藤井光(ふじい・ひかる)
同志社大学文学部英文学科助教。主な訳書に、D・ジョンソン『煙の樹』(白水社)、W・タワー『奪い尽くされ、焼き尽くされ』(新潮社)。

 

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ラフカディオ・ハーンとジェイムズ・トムソン―『四季』をめぐって

ラフカディオ・ハーンとジェイムズ・トムソン

『四季』をめぐって

  • 先川暢郎/2011年12月
  • 3333円(本体)/四六判上製286頁
  • 装丁:長田年伸

ハーンによるトムソンの『四季』に対する評価を考察しつつ,イギリス近代自然詩の源流としてのトムソンの再評価を促がし,両者に共通するケルト性をあきらかにする。
(ISBN 9784861102851)

目次|indexs

序 ハーンのトムソン『四季』評価
第1章 『四季』―「冬」と「春」を中心に
1.自然の脅威
(1)トムソンの「冬」の死と霊性と生命
ⅰ)生と死の弁証法
ⅱ)「冬」の活力とキリスト教的霊性
ⅲ)神の戒めと愛と恵み
(2)ハーンの海の生命と死と霊性
ⅰ)ハーンと海
ⅱ)海―命と死の権化
ⅲ)海の音楽
2.トムソンの「春」の愛と生命
ⅰ)春の鳥
ⅱ)ハーンと鳥の歌
ⅲ)ハーンと民衆の歌
ⅳ)春の甦り
第2章 『四季』―「夏」と「秋」を中心に
1.ハーンの熱帯志向
2.ハーンと虫
3.虫と命の連鎖
4.宇宙と存在の環
5.トムソンと科学
第3章 『四季』―愛、メランコリー、自然観を中心に
1.「秋」のラヴィーニア物語
2.トムソンと動物愛
3.トムソンと愛国心
4.トムソンとハーンのメランコリー
5.自然観における科学と宗教
第4章 ケルトと日本をつなぐ怪異
1.ハーンにおける怪異
2.トムソンにおける怪異
○後記
○注
○付録(『四季』、『無為城』および「四季賛歌」からの引用原文)
○主な参考文献(本文中に引用した資料を除く)

著者|author

先川暢郎(さきかわ・のぶお)
1944年生まれ
慶應義塾大学文学部卒業
現在、拓殖大学政経学部教授、日本カレドニア学会会員
主著訳書
『ラフカディオ・ハーン入門』(ブイツーソリューション、共著)
『スコットランドの歴史と文化』(明石書店、分担執筆)
『アイルランドの神話と民話』(彩流社、共訳)

 

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スウェーデン民話名作集II

スウェーデン民話名作集II

  • 薮下紘一/2011年10月
  • 1905円(本体)/四六判並製・204頁
  • 装丁:後藤葉子/挿画:松本里美

殺めようとした少女と結ばれる王子、あらゆるものを呑みこむ巨人、妖精に取憑かれたヴァイオリン、時が破滅に追いやった王と王女の愛……。教えと運命を語り継ぐ15の物語。

(ISBN 9784861102882)

目次|indexs

七つの星
卑怯な兄と賢い弟
狼人間
自信過剰
召使いラッセ
夢見る人たち
巨人とリス
王子とフロリンナ
小川の馬
しあわせ
コックのペレ
金のリンゴがなる木
美しいマルグレート
トロールの心臓
至福の島

訳者|translator

薮下紘一(やぶした・こういち)
樺太に生まれる。北海道教育大学、北海道大学文学部卒業、広島大学大学院文学研究課修士課程修了、言語学修士。1981~84年、ウプサラ大学北欧語学科 客員研究員。2004~06年、メーラルダーレン大学人文科学科客員研究員。現在、駒澤大学総合教育研究部外国語第二部門教授。訳書に、『北欧語入 門』(M. Oʼ C. ウォルシュ著、北海道大学図書刊行会)がある。

 

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乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか

乱歩彷徨

なぜ読み継がれるのか

  • 紀田順一郎/2011年10月
  • 1905円(本体)/四六判上製・268頁
  • 装丁:毛利一枝/レイアウト:矢萩多聞

巨匠の変転を跡づける優れた評論
本書は芸術的潔癖さゆえの、巨匠乱歩の創作上の激しい苦悩と矛盾に満ちた作風の変転を見事に跡づけた優れた評論である。特に豊かな書誌学的な知識を駆使して、『怪人二十面相』などの少年ものや戦時下と戦後の乱歩の変貌を論じた章は一際輝きを放っている。(権田萬治)
第61回日本推理作家協会賞受賞後第一作
(ISBN 9784861102844)
日本図書館協会選定図書

重版出来!

立ち読み|Look inside!

こちらからどうぞ。

書評|book reviews

ミステリマガジン』(2012年1月号/2011年11月25日発売):松坂健氏
日本経済新聞』(2011年11月27日):有栖川有栖氏
産経新聞』(2011年12月4日):権田萬治氏
東京新聞』(2011年12月4日):郷原宏氏
『西日本新聞』(2011年12月18日):郷原宏氏(『東京新聞』と同じ)
『北海道新聞』(2011年12月18日):郷原宏氏(『東京新聞』と同じ)
朝日新聞』(2011年12月25日):荒俣宏氏(書評委員お薦め「今年の3点」)
朝日新聞』(2012年1月15日):横尾忠則氏
週刊新潮』(2012年1月19日)
毎日新聞』(2012年1月29日) :荒俣宏氏(「この人・この3冊」)
赤旗』 (2012年3月4日)

鼎談|tripartite talk

『週刊読書人』2011年11月18日発売号に掲載されました。
こちらをご覧ください。

目次|indexs

第Ⅰ部 乱歩低迷
1 深夜の瞑想
2 「探偵小説」の曲がり角
3 「眼高手低」の自覚
4 新時代の探偵小説を開拓
5 エログロ・ナンセンス時代の旗手へ
6 二重世界願望と郷愁と
7 休筆宣言と放浪
8 低迷の上に弾圧
9 本格探偵小説の復活を信じて
10 評論集の隠された意図
11 第一人者の再生演出
12 再コード化への道
第Ⅱ部 乱歩彷徨
1 少年雑誌という舞台
2 『怪人二十面相』における心理洞察
3 『怪人二十面相』の読者像
4 休載の謎をめぐって
5 『怪人二十面相』の基調変化
6 「誘拐」という記号
7 乱歩作品の異質性
8 なぜ「少年倶楽部」に起用されたか
9 二十面相はいかにして教育的となったか
10 「国民精神総動員」下の探偵もの
第Ⅲ部 乱歩変容
1 「じつにおどろくべき変化」
2 戦中体制への「協力」
3 追い詰められた戦争末期
4 劇的な性格変化とその意味
5 少年ものと旧作再録
6 再起への苦闘
7 推理小説界の振興に向けて
8 戦後も持続した「社会活動」
9 第二の創作『幻影城』
10 全集という名の評価
11 松本清張という名のライバル
12 乱歩は清張をどう評価したか
13 清張は乱歩をどう評価したか
14 乱歩復活と幻想怪奇ブームの実態
15 激動の時代をこえて殿堂入り
第Ⅳ部 乱歩復活
1 《創造者》の自覚
2 「私を怖わがらせた批評家」
3 「文芸球場」の「ピンチ・バッタア」
4 「一本の藁」と「新しき神」
5 居心地のよくない「大衆文学」
6 《もう一つの可能性》を夢見て
7 「エログロ」からの距離
8 精神分析と同性愛への関心
9 《第二の創作》への情熱
10 『幻影城』、自己回復と再生の企て
11 『探偵小説四十年』の隠された意味
12 ライバル松本清張と《一人の芭蕉》
あとがき
参考文献
乱歩主要作品一覧
乱歩略年譜

著者|author

紀田順一郎(きだ・じゅんいちろう)
評論家、作家。1935年、横浜市に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒。
書物論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、創作も手がける。
『幻想と怪奇の時代』(松籟社)により、第61回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、
『戦後創成期ミステリ日記』、『怪奇幻想譚の世界』(いずれも松籟社)、
『日記の虚実』、(筑摩書房)、『幕末明治傑物伝』(平凡社)、
『名著の伝記』(東京堂出版)、『日本博覧人物史』(ジャストシステム)、
『東京の下層社会』(筑摩書房)、『横浜少年物語』(文藝春秋)、
『第三閲覧室』(新潮社)、『古本屋探偵の事件簿』(東京創元社)など。
主な訳書として『M・R・ジェイムズ怪談全集』(東京創元社)がある。

ウェブサイト「紀田順一郎 書斎の四季

 

 

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