戦前日本における精神衛生相談の成立―理念形成から活動の展開まで

戦前日本における精神衛生相談の成立

理念形成から活動の展開まで

  • 末田邦子(著)/2023年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製210頁
  • 装丁:長田年伸

日本において精神病者への相談に始まった専門相談は、どのような動きのなかで「精神衛生相談」に変容し、それは誰が担い、どんな機能を持っていたのか――。本書では相談理念形成の母胎となった戦前期に着目し、背景にある社会状況、政策・法制、関連団体の活動実態を歴史的視点から提示。その成立過程をたどり、特徴を明らかにする。

(ISBN 9784861108624)

目次|contents

序 章 日本における精神衛生相談の成立過程への視角

第1部 戦前日本における精神衛生相談の理念の成立
第1章 精神病者への相談から「精神衛生相談」へ 政策動向の検討
第2章 精神衛生相談理念に対する議論と動向(1) 関連三団体機関誌の検討
第3章 精神衛生相談理念に対する議論と動向(2) 社会事業団体機関誌の検討

第2部 戦前日本における精神病者への相談活動および精神衛生相談活動の実態
第4章 精神病者への相談および「精神衛生相談」の活動実態
第5章 方面委員による精神病者への相談活動(1) 東京市の検討
第6章 方面委員による精神病者への相談活動(2) 1935年発表の手記の検討
第7章 村松常雄の精神衛生思想と活動の展開 欧米留学時までの検討

終 章 総括と今後の課題

おわりに
初出一覧
引用文献
索引

著者|author

末田邦子(すえだ・くにこ)
愛知淑徳大学福祉貢献学部准教授。専門は社会福祉学。
1970年生まれ。日本福祉大学社会福祉学部卒、精神科診療所および精神科病院勤務を経て、日本福祉大学大学院社会福祉学研究科博士前記課程、同大学院福祉社会開発研究科博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。
2006年、金城学院大学人間科学部助教、2013年より現職。
著書に、『戦後社会福祉の歴史研究と方法:第二巻』(近現代資料刊行会、2022年、共著)など。

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越境兵士の政治人類学―英国陸軍グルカ兵の軍務と市民権

 越境兵士の政治人類学

英国陸軍グルカ兵の軍務と市民権

  • 上杉妙子(著)/2023年2月
  • 6000円(本体)/A5判上製538頁
  • 装丁:矢萩多聞

外国人兵士の軍務と市民権はいかにして結びつくのか。
「傭兵」は果たして、便利な「道具」であることに安々と甘んじているのだろうか。
英国に雇用されてきたネパール出身グルカ兵に焦点を当て、彼らの市民権交渉の複層的な様相、そして軍隊と社会の「もつれた」関係を描き出す。

(ISBN 9784861107252)

目次|contents

まえがき

序論

第Ⅰ部 グルカ兵雇用の歴史的背景
第1章 外国人兵士の軍務と市民権
第2章 グルカ兵の誕生―香港返還より前の雇用

第Ⅱ部 ネパール市民権の維持のための境界作業
第3章 ネパール人アイデンティティの構築と維持、血統的再生産
第4章 駐屯地の宗教の二つの顔―歴史的背景と政策、実行の仕組み
第5章 駐屯地の宗教の二つの顔―教義と見解

第Ⅲ部 グルカ兵の市民権の再定義
第6章 雇用政策の変更と英国陸軍への統合の深化―グルカ次元の解体
第7章 英国社会への国家レベルの統合を目指して―グルカ正義運動に見る市民権交渉
第8章 英国社会への地域レベルの統合を目指して―英国グルカ福祉協会の市民権交渉
第9章 ネパール社会への越境的再統合を目指して―「ネパール市民権の継続」運動に見る市民権交渉

結論

あとがき
参照文献
索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

目次 序論「第2節 問題の所存」→「第2節 問題の所在」

p.22 「第2節 問題の所存」→「第2節 問題の所在」

p.85 うしろから6行目 「ネパールは公式的英帝国の一部」→「ネパールは非公式的英帝国の一部」

p.429 うしろから6行目から5行目にかけて 「かつて父もしくは母、」→「かつて自分自身もしくは自分の父、母、」

著者|author

上杉妙子(うえすぎ・たえこ)
明治学院大学社会学部付属研究所 研究員。
博士(学術)。文化人類学。
主な著作に、『位牌分け―長野県佐久地方における祖先祭祀の変動』(第一書房、2001年)、 “Introduction to the Special Issue, Migration and Transnational Dynamics of Non-Western Civil Societies.” (Japanese Review of Cultural Anthropology, 20 (1), 2019年)、“Domesticating Civil-Military Entanglements: Multiplicity and Transnationality of Retired British Gurkhas’ Citizenship Negotiation.” (Birgitte Refslund Sørensen and Eyal Ben-Ari (eds.) Civil-Military Entanglements: Anthropological Perspectives, Berghahn, 2019年)など。

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タキ・オンコイ 踊る病―植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染

タキ・オンコイ 踊る病

植民地ペルーにおけるシャーマニズム、鉱山労働、水銀汚染

  • 谷口智子(編)/2023年2月
  • 4700円(本体)/A5判上製328頁
  • 装丁:毛利一枝

スペイン植民地支配に抵抗する16世紀ペルーのインディオの宗教運動とされている、「踊る病」タキ・オンコイ。これが鉱山労働における水銀中毒に由来するものであったとする「タキ・オンコイ水銀中毒説」を、歴史学、医療人類学、環境化学、宗教学の立場から検証する。

(ISBN 9784861108266)

目次|contents

序 [谷口智子]

第一章 人類の宗教史における水銀とシャーマニズム―タキ・オンコイを理解するための序論 [谷口智子]
第二章 スペイン帝国下のアルマデン水銀鉱山―その歴史と水銀中毒[立岩礼子]
第三章 「囲いに入れられた神」と「赤く顔を塗られた神」 [谷口智子]
第四章 一六世紀ペルーにおけるタキ・オンコイと水銀 [ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス(谷口智子 訳)]
第五章 タキ・オンコイにおける人体への水銀汚染をどうとらえるのか [中地重晴]
第六章 タキ・オンコイ、憑依、ハサミ踊り [谷口智子]
第七章 タキ・オンコイから鉱山の悪魔まで―その社会的アプローチ [ルイス・アルベルト・サンタマリア・ファレス(谷口智子 訳)]
第八章 アンデスの創造力における「収奪」のイメージ―タキ・オンコイとピシュタコ及びコンパクタード [谷口智子]

結 [谷口智子]

参考文献一覧
執筆者一覧

編者|editor

谷口智子(たにぐち・ともこ)
愛知県立大学外国語学部教授。専門は宗教学、ラテンアメリカ地域研究。
主な著作に、『新世界の悪魔―カトリック・ミッションとアンデス先住民宗教』(大学教育出版、2007年)、翻訳書に、朴哲『グレゴリオ・デ・セスペデス―スペイン人宣教師が見た朝鮮と文禄・慶長の役』(春風社、2013年)がある。

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「伝統」が制度化されるとき――日本占領期ジャワにおける隣組

「伝統」が制度化されるとき

日本占領期ジャワにおける隣組

  • 小林和夫(著)/2023年2月
  • 5000円(本体)/A5判上製436頁
  • 装丁:長田年伸

現在のインドネシアでは、地域社会での奉仕活動がゴトン・ロヨンの名で行われており、それが国民的「伝統」として語られているが、その端緒は日本占領下のジャワにおいて日本の隣組制度が導入・推進されたことにある。本書はこの歴史を、「伝統」慣習の制度化や、相互扶助を重んじる「伝統」の実践者へと住民たちが自らなっていった過程としてあとづける。

(ISBN 9784861108242)

目次|contents


第一章 「伝統」との邂逅―旧慣制度調査委員会      
第二章 「伝統」の端緒―ロンダ(夜警)制度の警防団への編入 
第三章 「伝統」の萌芽―隣組制度の段階的導入
第四章 「伝統」の展開―隣組制度のジャワ全土への導入
第五章 「伝統」の弁証法―隣組の機能「権力の機制」と「住民の互酬」
第六章 「伝統」の鼓吹―隣組制度の推進政策
第七章 「伝統」の視聴―隣組制度の宣伝政策
第八章 「伝統」の貫徹―隣組とジャワ奉公会
第九章 「伝統」の再発見―スカルノによる「伝統」の概念化・鼓吹とジャワ軍政
終章 「伝統の制度化」の今日的文脈

謝辞     
参考文献  
資料     
年表     
索引   

著者|author

小林和夫(こばやし・かずお)
創価大学文学部人間学科教授。
歴史社会学、戦争社会学、インドネシア地域研究。
主な著作に、「日本占領期ジャワにおける「喜捨」の制度化」―バンドゥン県のバイトゥル・マル(baytoel-mal)を中心として」(中野毅、平良直、粟津賢太、井上大介編『占領改革と宗教―連合国の対アジア政策と複数の戦後世界』専修大学出版部、2022年)、  「大東亜共栄圏構想と国民のアジア語学習―馬来語の事例」(『社会学評論』69(3)、2018年)、「日本占領期ジャワにおける占領統治と衛生の確立」(『戦争社会学研究』2、2018年)など。

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チベット高原に花咲く糞文化

チベット高原に花咲く糞文化

  • チョウ・ピンピン(著)/2023年1月
  • 3300円(本体)/四六判上製264頁
  • 装丁:中本那由子

気候も厳しく、各種資源も限られているチベット高原において、ヤク(牛)の糞は貴重な燃料としてもひろく用いられている。そしてその他にも、家屋の建材や子供のおもちゃとしても使われ、そして儀礼でも神聖なものとして扱われており、いわば最も重要な生態的・文化的資源である。
牛糞の採取・加工・利用によって成り立ち彩られるチベットの人々の生活を、20ヶ月の現地調査をもとに描き出す。

 

酸素と温度、その両方が乏しいチベット高原で生き抜く人々から学べることの中には、過去さまざまな環境の変化に適応し、これからも環境の変化に適応していかなくてはならない我々人類にとって、重要なヒントが隠されているのではないか [本文より]

 

(ISBN 9784861108471)

目次|contents

はじめに
第1章 チベット高原における人類の適応およびヒトと動物の関係
第2章 調査概要
第3章 燃料としての利用
第4章 牛糞の素材としての利用
第5章 牛糞の象徴的な利用
第6章 分析
第7章 考察
第8章 結論
資料
チベット語用語集
参照文献
謝辞
索引

著者|author

チョウ・ピンピン(Zhang Pingping)
北九州市立大学社会システム研究科、北九州市立大学文学部・法学部
博士研究員、非常勤講師
専攻・専門は生態人類学・チベット牧畜文化
主要な著作に「生態と象徴の視点から考えるチベット遊牧民にとってのヤクの糞:高地適応のための燃料から儀礼的呪物化まで」(博士論文、北九州市立大学)など。

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地域発見と地理認識―観光旅行とポタリングの楽しみ方

地域発見と地理認識

観光旅行とポタリングの楽しみ方

  • 西脇保幸(著)/2022年12月
  • 3100円(本体)/A5判並製502頁(+カラー口絵16頁)
  • 装丁:苑田菊見

国内外への観光旅行や気軽な街歩きが、位置・分布などの「地理的視点」を持つことで、いっそう味わい深いものになる――。“地理屋”である著者が現地調査をもとにまとめた地誌と、旅のスナップ861点を掲載。

(ISBN 9784861108419)

目次|contents

はじめに

序章 地理に魅せられて―ふるさと浦安の変貌と国際理解
1 “陸の孤島”と呼ばれた浦安
2 都県境の重みと「東京」の範囲
3 高校時代における行動範囲の拡大
4 地下鉄東西線の開通に伴う浦安の変貌
5 ソ連・ヨーロッパ地理視察旅行
6 トルコ旅行と親友サブリ君の来訪
7 スクール・インターンシップによるアメリカ研修旅行
8 横浜国立大学での研究と指導

第1章 個人旅行でも楽しみたいトルコと韓国
1 海外旅行を楽しむために
2 トルコへの誘い
3  韓国自由自在

第2章 シルクロードのバス旅日記 ―中国・西安からトルコ・イスタンブルへ
1 ツアーの概要
2 中国
3 カザフスタン
4 キルギスとカザフスタンのタラズ周辺
5 ウズベキスタン
6 トルクメニスタン
7 イラン
8 トルコ

第3章 テーマのある海外旅行
1 典型的な周遊旅行のイタリア縦断ツアー
2 オランダ・ベルギーでの花観賞ツアー
3 “中欧トライアングル”+αのツアー
4 インド世界遺産巡りツアー
5 遺跡の魅力を訪ねる旅―アンコール・ワット,ペトラ,マチュピチュ、エジプトのピラミッドなど
6 山岳美を求めて―アルプス、カナディアンロッキー、カラコルム
7 遊覧飛行の魅力と高所からの展望
8 海外旅行のこぼれ話―地中海での海水浴とパンタナールの野生動物

第4章 国内鉄道旅の楽しみ方
1 国内旅行を楽しむために
2 周遊タイプの鉄道旅
3 フライト&ライドの九州周遊旅行
4 往復割引で行く鉄道旅
5 拠点宿泊地を設定してその周辺で観光を楽しむ鉄道旅

第5章 ポタリングのすすめ ―関東地方中心に厳選した13コース
1 ポタリングを楽しむために
2 ポタリングの“お勧め”コース

第6章 ウインドサーフィンと地理認識
1 ウインドサーフィンとの出会い
2 私流ボードセーリング術
3 ウインドサーフィンで学ぶ地理

文献等の一覧

あとがき

著者|author

西脇保幸(にしわき・やすゆき)
横浜国立大学名誉教授。専門は地理教育論・トルコ研究。
1949年、千葉県浦安市生まれ。東京教育大学農学部農村経済学科卒業。東京教育大学大学院理学研究科地理学専攻修士課程修了。千葉県立浦安高等学校、千葉県立船橋高等学校、東京学芸大学附属高等学校で社会科教諭として勤務したのち、1990年より横浜国立大学で地理教育を修める。
主な著書は『シミュレーション教材の開発と実践』(共編著、古今書院)、『地理教育論序説―地球的市民性の育成を目指して』(単著、二宮書店)、『トルコの見方―国際理解としての地誌』(単著、二宮書店)、『社会科教材の論点・争点と授業づくり7 “国際関係と平和”をめぐる論点・争点と授業づくり』(編著、明治図書)など。

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「よりどころ」の形成史―アルゼンチンの沖縄移民社会と在亜沖縄県人連合会の設立

「よりどころ」の形成史

アルゼンチンの沖縄移民社会と在亜沖縄県人連合会の設立

  • 月野楓子(著)/2022年10月
  • 4300円(本体)/A5判上製356頁
  • 装丁:中本那由子

つながらなくてもいいのではないか。あるいはつながっていなくても、何かを、どこかを、誰かを、想ったり、頼ったりする、つまり何らかの「よりどころ」があれば、人はなんとか「生きる」を続けられるのではないか。

故郷沖縄での苦しい生活を脱するため20世紀前半に多くの人々がアルゼンチンへ雄飛したが、そこでの暮らしは必ずしも思い描いていた通りのものではなかった。貧困や差別のある厳しい生活の中で培われたアイデンティティや連帯の強さは、しかし、「沖縄」「同郷」というだけで説明できるような、わかりやすいものなのだろうか。
戦後に在亜沖縄県人連合会が結成された経緯と意義を、そして戦争や帰属問題に揺れる遠くの故郷をどのように移民の人々が見ていたのかを、「エスニシティ」や「ナショナリズム」に還元できないものに目を向けながら描きだす。

(ISBN 9784861108303)

『「よりどころ」の形成史』の書評が『琉球新報』に掲載されました
『「よりどころ」の形成史』の書評が『図書新聞』に掲載されました
『「よりどころ」の形成史』の書評が『インターカルチュラル』に掲載されました
『「よりどころ」の形成史』の書評が『社会文化研究』に掲載されました

 

目次|contents

はじめに
序章
第一章 アルゼンチンにおける沖縄移民社会の形成
第二章 沖縄移民の団体・仕事・生活
第三章 第二次世界大戦時の在亜邦人社会と沖縄移民
第四章 在亜邦人社会の戦後―アルゼンチン政府要人への接近と移民の再開
第五章 救済活動による戦後組織の展開
第六章 沖縄文化の抑圧とアルゼンチンにおける沖縄文化
第七章 「在亜沖縄県人連合会」の設立
終章

著者|author

月野楓子(つきの・ふうこ)
沖縄国際大学総合文化学部専任講師
沖縄移民研究、ラテンアメリカ研究、国際文化学
主な著作に、「中南米地域の邦字新聞を活用した日本人移住に関する諸研究―『らぷらた報知』の創刊と『在亜沖縄県人連合会』の設立」(『研究紀要』15号、JICA横浜海外移住資料館、2021年)、「Ryukyu Sapukaiにみる沖縄文化の「継承」―アルゼンチンの沖縄系下位世代に関する一考察」(『インターカルチュラル』14号、日本国際文化学会、2015年)など。

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フォビアがいっぱい―多文化共生社会を生きるために

フォビアがいっぱい

多文化共生社会を生きるために

  • 高山陽子(編)/2022年10月
  • 2700円(本体)/A5判並製228頁
  • 装丁:中本那由子

ヘイトやコンプレックスと向き合ってみる

社会の多様性が認められるようになるにつれ、異なる他者への恐怖や嫌悪も生まれていった。
他人や自分に向けられる憎悪=「フォビア」とは何か、それを克服するにはどうすればよいかを考える。

『フォビアがいっぱい』の書評が『神奈川新聞』に掲載されました

『フォビアがいっぱい』が亜細亜大学アジア研究所「アジア研究奨励特別賞」を受賞しました

(ISBN 9784861108310)

目次|contents

はじめに(高山陽子)…… 004

第1部 ゼノフォビア
1 ≫ いつの間にかこんなに…!:外国人労働者(大塚直樹)…… 008
2 ≫ やさしい日本語への転換(小竹直子)…… 019
3 ≫ どんなところ?:朝鮮学校(呉永鎬)…… 028
4 ≫ 冷静ではいられない:嫌韓とは何か(金賢貞)…… 037
5 ≫ どうして食べられないの?: 日本に広まるハラール食とイスラモフォビア(澤井充生)…… 046
6 ≫ そんな時代もあったの?:日系移民(今野裕子)…… 054

第2部 ジェンダー・フォビア
7 ≫ ジェンダー・フォビアってどういうこと?(浅野麗)…… 066
8 ≫ おネエの役割:カリスマ?怪物?人生の達人?(黒岩裕市)…… 075
9 ≫ 〇〇女子と〇〇男子:ステレオタイプの崩壊?(竹田志保)…… 084
10 ≫ 「女子ライフ」の闘い方:『女子的生活』を読む(黒岩裕市)…… 093
11 ≫ 死語になればいいのに!:イクメン(竹田志保)…… 103
12 ≫ ガラスの天井:『わたし、定時で帰ります。』に見る女性労働の現在(倉田容子)…… 112

第3部 エゴフォビア
13 ≫ 年齢を重ねることと装うこと:美魔女とBBA(井原あや)…… 124
14 ≫ お告げがほしい!:現代日本のパワースポットと信仰心(高山陽子)…… 134
15 ≫ 英語さえ話せれば!:外国語コンプレックス(小張順弘)…… 143
16 ≫ もしかして自分も?:ホームレス(二文字屋脩)…… 153
17 ≫ 無理な理想からの解放:モテとヤセ(高山陽子)…… 163

第4部 オーバー・フォビアズ
18 ≫ 食べ物からはじめよう:町中華と本格中華(横田浩一)…… 174
19 ≫ とりあえず行ってみます:多文化共生イベント&スポット(小磯千尋)…… 183
20 ≫ 出会いはどこにでもあります:国際結婚(戴寧)…… 193
21 ≫ ハーフと日本人:寛容する人と寛容される人(リーペレス・ファビオ)…… 202
22 ≫ 完璧は目指しません:外国語学習(小張順弘)…… 211

あとがき(高山陽子)…… 221
執筆者紹介…… 223

編者|editor

高山陽子(たかやま・ようこ)
亜細亜大学国際関係学部教授。文化人類学、銅像研究。
主な著作に、『多文化時代の観光学―フィールドワークからのアプローチ』(編著、ミネルヴァ書房、2017年)、
『紅い戦争のメモリースケープ―旧ソ連・東欧・中国・ベトナム』(共編著、北海道大学出版会、2019年)など。

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石敢當の比較研究―中国・沖縄・鹿児島・奄美

石敢當の比較研究

中国・沖縄・鹿児島・奄美

  • 蒋明超(著)/2022年7月
  • 4200円(本体)/A5判上製330頁
  • 装丁:中本那由子

沖縄・鹿児島を中心に日本各地に分布する魔除けの石、石敢當。資料・実物調査を基に、中国からの伝播の経緯や現在の状況を探究する。
(ISBN 9784861107535)

目次|contents

序章 石敢當の比較研究を行う必要性
第1章 「石敢當」誕生推論
第2章 石敢當と泰山石敢當の異同―中国山東省泰安市岱岳区西南望村における石敢當調査の問題解明
第3章 中国北方と南方における石敢當の比較研究―山東省と福建省を例に
第4章 日本における泰山石敢當の受容
第5章 「閩人三十六姓」と琉球の石敢當受容
第6章 物から見る琉球(沖縄)の石敢當受容
第7章 薩摩の石敢當の中国伝来の可能性―倭寇や唐人町を中心に
第8章 物から見る旧薩摩領の石敢當受容
第9章 奄美諸島の石敢當受容―喜界島・奄美大島・徳之島を中心として
終章 結論と今後の課題

著者|author

蒋明超(ショウ・メイチョウ)
1987年生まれ、中国山東省出身。
2021年3月に神奈川大学大学院歴史民俗資料学専攻の博士学位を取得。
現在は中国の泰山学院泰山研究院に勤めている。

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身体を彫る、世界を印す―イレズミ・タトゥーの人類学

身体を彫る、世界を印す

イレズミ・タトゥーの人類学

  • 山本芳美、桑原牧子、津村文彦(編著)/2022年6月
  • 4000円(本体)/A5判並製384頁
  • 装丁:コバヤシタケシ
  • 装画:モノ・ホーミー

皮膚の上でどのような美が展開し、いかなる想いがせめぎ合っているのだろうか。
日本初のイレズミ・タトゥーの学術論集。各地の事例を紹介しながら、それぞれの社会の文化、美学、歴史、政治を考察する。

(ISBN 9784861108037)

目次|contents

まえがき(山本芳美)[pp.5-17]

第Ⅰ部 世界編
第1章 顔を横切る黒い帯―マルケサス諸島の文様の変容(桑原牧子)[pp.21-50]
第2章 ニュージーランド・マオリのタトゥー、タ・モコの復興(秦玲子)[pp.51-86]
第3章 より善い人を生み出すイレズミ―タイのサックヤンにみる宗教性と暴力(津村文彦)[pp.87-115]
第4章 「今」の楽しさと関係を刻む人々―カメルーン東南部の狩猟採集民バカのテレ(彭宇潔)[pp.117-145]

コラム
コラム1 インド・バイガのイレズミを振り返って(阿部櫻子)[pp.148-157]
コラム2 台湾原住民族と植民地時代の記録、そして現在―先住民族の知的財産保護と文化の盗用論をめぐって(山本芳美)[pp.158-184]
コラム3 どうやって調べるか? ウィリアム・ファーネスとイレズミを例にして―横浜、奄美、沖縄、ボルネオ、ヤップ(山本芳美)[pp.185-211]

第Ⅱ部 日本編
第5章 ヴィクトリア朝イングランドにおける「芸術的な」日本のイレズミと商業戦略(マット・ロダー[大貫菜穂 訳])[pp.215-247]
第6章 沖縄のハジチ(針突)とその調査史―資料蓄積を活かすために(山本芳美)[pp.249-276]
第7章 関係性としてのタトゥー―千葉市でヒップホップファッション・ストアを営む若者たち(山越英嗣)[pp.277-304]
第8章 「消えるタトゥー」はタトゥーごっこか―らしさとらしくなさをめぐって(松嶋冴衣)[pp.305-336]

特別寄稿
第9章 イレズミと医学(小野友道)[pp.339-368]
第10章 私とシヌイェ(マユンキキ)[pp.369-374]

あとがき
執筆者紹介

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

14頁 「谷崎潤一郎が1911年に」→「谷崎潤一郎が1910年11月に『新思潮』に発表した処女小説」
198頁「雑誌『TATTOO BURST』の元編集長、川崎美穂さんにも伺ったところ、跳ね彫りは体力を消耗させない彫り方で、和彫りをする女性彫師が行うそうである。」→「雑誌『TATTOO BURST』の元編集長、川崎美穂さんにも伺ったところ、三味線彫りは本来の手彫に比べて体力を消耗させない彫り方なので(男女どちらの彫師も行うが)体力的には女性向きである。」

編者|editors

山本芳美(やまもと・よしみ)
都留文科大学・教授。文化人類学・イレズミほか身体文化研究。
主な著作に、『イレズミの世界』(2005年、河出書房新社)、『イレズミと日本人』(2016年、平凡社)、「日本みやげ」としてのイレズミ―十九世紀から二十世紀初頭における外国人観光と彫師」(『日本研究』63集、2021年)。

桑原牧子(くわはら・まきこ)
金城学院大学・教授。文化人類学。
主な著作に、Tattoo: An Anthropology (2005年、Berg)、 “Multiple Skins: Space, Time and Tattooing in Tahiti” (Anna Cole, Bronwen Douglas and Nicholas Thomas (eds.) Tatau/Tattoo: Bodies, Art and Exchange in the Pacific and the West、2005年、Reaktion)、「皮膚をまさぐる視線―18、19世紀タヒチ社会における他者認識にみるフェティシズム」(田中雅一編『フェティシズム研究第3巻 侵犯する身体』、2017年、京都大学学術出版会)。

津村文彦(つむら・ふみひこ)
名城大学・教授。文化人類学・東南アジア地域研究。
主な著作に、『東北タイにおける精霊と呪術師の人類学』(2015年、めこん)、「開放系コミュニケーション―東北タイにおける経産婦の病ピットカブーンの事例研究」(杉島敬志 編『コミュニケーション的存在論の人類学』、2019年、臨川書店)、「不可視を『見る』、不可解を『語る』―東北タイにおける呪術と感覚経験」(川田牧人・白川千尋・飯田卓 編『現代世界の呪術―文化人類学的探究』、2020年、春風社)。

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