スウェーデン民話名作集II

スウェーデン民話名作集II

  • 薮下紘一/2011年10月
  • 1905円(本体)/四六判並製・204頁
  • 装丁:後藤葉子/挿画:松本里美

殺めようとした少女と結ばれる王子、あらゆるものを呑みこむ巨人、妖精に取憑かれたヴァイオリン、時が破滅に追いやった王と王女の愛……。教えと運命を語り継ぐ15の物語。

(ISBN 9784861102882)

目次|indexs

七つの星
卑怯な兄と賢い弟
狼人間
自信過剰
召使いラッセ
夢見る人たち
巨人とリス
王子とフロリンナ
小川の馬
しあわせ
コックのペレ
金のリンゴがなる木
美しいマルグレート
トロールの心臓
至福の島

訳者|translator

薮下紘一(やぶした・こういち)
樺太に生まれる。北海道教育大学、北海道大学文学部卒業、広島大学大学院文学研究課修士課程修了、言語学修士。1981~84年、ウプサラ大学北欧語学科 客員研究員。2004~06年、メーラルダーレン大学人文科学科客員研究員。現在、駒澤大学総合教育研究部外国語第二部門教授。訳書に、『北欧語入 門』(M. Oʼ C. ウォルシュ著、北海道大学図書刊行会)がある。

 

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乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか

乱歩彷徨

なぜ読み継がれるのか

  • 紀田順一郎/2011年10月
  • 1905円(本体)/四六判上製・268頁
  • 装丁:毛利一枝/レイアウト:矢萩多聞

巨匠の変転を跡づける優れた評論
本書は芸術的潔癖さゆえの、巨匠乱歩の創作上の激しい苦悩と矛盾に満ちた作風の変転を見事に跡づけた優れた評論である。特に豊かな書誌学的な知識を駆使して、『怪人二十面相』などの少年ものや戦時下と戦後の乱歩の変貌を論じた章は一際輝きを放っている。(権田萬治)
第61回日本推理作家協会賞受賞後第一作
(ISBN 9784861102844)
日本図書館協会選定図書

重版出来!

立ち読み|Look inside!

こちらからどうぞ。

書評|book reviews

ミステリマガジン』(2012年1月号/2011年11月25日発売):松坂健氏
日本経済新聞』(2011年11月27日):有栖川有栖氏
産経新聞』(2011年12月4日):権田萬治氏
東京新聞』(2011年12月4日):郷原宏氏
『西日本新聞』(2011年12月18日):郷原宏氏(『東京新聞』と同じ)
『北海道新聞』(2011年12月18日):郷原宏氏(『東京新聞』と同じ)
朝日新聞』(2011年12月25日):荒俣宏氏(書評委員お薦め「今年の3点」)
朝日新聞』(2012年1月15日):横尾忠則氏
週刊新潮』(2012年1月19日)
毎日新聞』(2012年1月29日) :荒俣宏氏(「この人・この3冊」)
赤旗』 (2012年3月4日)

鼎談|tripartite talk

『週刊読書人』2011年11月18日発売号に掲載されました。
こちらをご覧ください。

目次|indexs

第Ⅰ部 乱歩低迷
1 深夜の瞑想
2 「探偵小説」の曲がり角
3 「眼高手低」の自覚
4 新時代の探偵小説を開拓
5 エログロ・ナンセンス時代の旗手へ
6 二重世界願望と郷愁と
7 休筆宣言と放浪
8 低迷の上に弾圧
9 本格探偵小説の復活を信じて
10 評論集の隠された意図
11 第一人者の再生演出
12 再コード化への道
第Ⅱ部 乱歩彷徨
1 少年雑誌という舞台
2 『怪人二十面相』における心理洞察
3 『怪人二十面相』の読者像
4 休載の謎をめぐって
5 『怪人二十面相』の基調変化
6 「誘拐」という記号
7 乱歩作品の異質性
8 なぜ「少年倶楽部」に起用されたか
9 二十面相はいかにして教育的となったか
10 「国民精神総動員」下の探偵もの
第Ⅲ部 乱歩変容
1 「じつにおどろくべき変化」
2 戦中体制への「協力」
3 追い詰められた戦争末期
4 劇的な性格変化とその意味
5 少年ものと旧作再録
6 再起への苦闘
7 推理小説界の振興に向けて
8 戦後も持続した「社会活動」
9 第二の創作『幻影城』
10 全集という名の評価
11 松本清張という名のライバル
12 乱歩は清張をどう評価したか
13 清張は乱歩をどう評価したか
14 乱歩復活と幻想怪奇ブームの実態
15 激動の時代をこえて殿堂入り
第Ⅳ部 乱歩復活
1 《創造者》の自覚
2 「私を怖わがらせた批評家」
3 「文芸球場」の「ピンチ・バッタア」
4 「一本の藁」と「新しき神」
5 居心地のよくない「大衆文学」
6 《もう一つの可能性》を夢見て
7 「エログロ」からの距離
8 精神分析と同性愛への関心
9 《第二の創作》への情熱
10 『幻影城』、自己回復と再生の企て
11 『探偵小説四十年』の隠された意味
12 ライバル松本清張と《一人の芭蕉》
あとがき
参考文献
乱歩主要作品一覧
乱歩略年譜

著者|author

紀田順一郎(きだ・じゅんいちろう)
評論家、作家。1935年、横浜市に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒。
書物論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、創作も手がける。
『幻想と怪奇の時代』(松籟社)により、第61回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞
主な著書に『紀田順一郎著作集』全八巻(三一書房)、
『戦後創成期ミステリ日記』、『怪奇幻想譚の世界』(いずれも松籟社)、
『日記の虚実』、(筑摩書房)、『幕末明治傑物伝』(平凡社)、
『名著の伝記』(東京堂出版)、『日本博覧人物史』(ジャストシステム)、
『東京の下層社会』(筑摩書房)、『横浜少年物語』(文藝春秋)、
『第三閲覧室』(新潮社)、『古本屋探偵の事件簿』(東京創元社)など。
主な訳書として『M・R・ジェイムズ怪談全集』(東京創元社)がある。

ウェブサイト「紀田順一郎 書斎の四季

 

 

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作品は「作者」を語る―アラビアン・ナイトから丸谷才一まで

作品は「作者」を語る

アラビアン・ナイトから丸谷才一まで

  • ソーントン不破直子・内山加奈枝(編著)/2011年10月
  • 2857円(本体)/四六判並製・334頁
  • 装丁:矢萩多聞

ロラン・バルト以後の「作者」とは何か? 『百年の孤独』に深い影響を与えた『アラビアン・ナイト』、ヘミングウェイの身体性が抜きがたく刻み込まれた『ニック・アダムズ物語』、時空を越えた幽霊としての作者を示した丸谷才一『輝く日の宮』など、8つの視点から「作者」を探究する。
(ISBN 9784861102929)
日本図書館協会選定図書

書評|book reviews

・「毎日新聞」(2011年12月11日):高樹のぶ子氏
・「毎日新聞」(2012年1月8日):渡辺保氏

目次|indexs

第1章    『アラビアン・ナイト』―「作者の死」とシェヘラザードの語り 【小泉 泉】
第2章    ヒエロニモの沈黙―『スペインの悲劇』における作者と権力 【佐藤達郎】
第3章    模倣と剽窃の異国ロマンス―アメリカ・ジャポニスム小説と「作者」 【中地 幸】
第4章    夏目漱石が現代批評に与える「生きたもの」―『こころ』における主体と倫理 【内山加奈枝】
第5章    メタフィクション「大きな二つの心臓のある川」を書いたのは誰か?―ヘミングウェイと「作者」の身体 【小笠原亜衣】
第6章    リチャード・ライト『ブラック・ボーイ』が語る「作者」像 【升田光子】
第7章    ジェフリー・ダーマーを描くことはできるのか?―ジョイス・キャロル・オーツの『生ける屍』における作者観 【森井美保】
第8章    「作者」という幽霊、「読者」という未来―丸谷才一『輝く日の宮』の作者観 【ソーントン不破直子】

執筆者|authors

小泉 泉(こいずみ・いずみ)
日本女子大学、跡見学園女子大学、武蔵野大学、首都大学東京非常勤講師
佐藤達郎(さとう・たつろう)
日本女子大学文学部英文学科准教授
中地 幸(なかち・さち)
現在都留文科大学文学部英文学科教授
内山加奈枝(うちやま・かなえ)
日本女子大学文学部英文学科講師
小笠原亜衣(おがさわら・あい)
玉川大学工学部ソフトウェアサイエンス学科准教授
升田光子(ますだ・みつこ)
日本女子大学、慶応義塾大学非常勤講師
森井美保(もりい・みほ)
山梨学院大学、東京都市大学、日本女子大学非常勤講師
ソーントン不破直子(そーんとんふわ・なおこ)
日本女子大学名誉教授

 

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英語のルーツ

英語のルーツ

  • 唐澤一友(著)/2011年9月
  • 2000円(本体)/四六判並製・262頁
  • 装丁:矢萩多聞/装画:たけなみゆうこ

「AnneのニックネームがなぜNancy?」「every dayは名詞が並んでいるのになぜ副詞扱い?」英語の歴史的な発展をたどり、他の言語と比較。英語が深く理解できるようになる、英語学のユニークな入門書。
(ISBN 9784861102837)

目次|indexes

はじめに

序章│英語発達史概観
英語史の時代区分
古英語とは
中英語とは
豊かな英語語彙
近代英語とは
まとめ

第1章│インド・ヨーロッパ祖語民族の言語・文化・神話
インド・ヨーロッパ祖語民族の世界
インド・ヨーロッパ祖語から各言語へ
印欧語比較言語学の始まり
有史以前の世界への扉としての言語
太古の人的交流の痕跡としての言語
車輪の発明とインド・ヨーロッパ祖語民族
印欧語アナトリア起源説
トロイ出身の王侯貴族?
羊と馬とインド・ヨーロッパ祖語民族
印欧諸語の単語の構造
インド・ヨーロッパ祖語民族の神々
「父なる天の神」
母音交替(ablaut, gradation)
ボキャブラリー・ビルディングへの応用

第2章│英語の語源と印欧語比較言語学
印欧語の語源学を支える印欧語比較言語学
ゲルマン語派に起きた音韻変化1 ― グリムの法則
意外な同語源語1 ― headとchief
意外な同語源語2 ― guestとhost
言葉を通じて見る古代社会
ゲルマン語派に起きた音韻変化2 ― ヴェルネルの法則
wasとwereの関係 ― r音化(rhotacism)
参考―第二次子音推移
ゲルマン祖語におけるアクセント位置の固定
参考―頭韻詩の発達

第3章│印欧諸語の中の英語
インド・ヨーロッパ祖語の文法的特徴
名詞の文法性(grammatical gender)
文法性から自然性へ
北から南へ波及した文法性の消失
インド・ヨーロッパ祖語における名詞の数(number)
インド・ヨーロッパ祖語における名詞の格(case)
インド・ヨーロッパ祖語の8つの格
主な印欧諸語における格変化
格変化の用法
主格(nominative)、呼格(vocative)
属格(genitive)
days and nightsの起源 ― 副詞的属格(adverbial genitive)1
与格(dative)
対格(accusative)
副詞的対格(adverbial accusative)
副詞的目的格(adverbial objective)
奪格(ablative)
具格(instrumental)
位格(locative)
格変化と語順の関係
格の統合(case syncretism)
some dayの起源 ― 副詞的与格(adverbial dative)
sinceの起源 ― 副詞的属格2
格変化の衰退と前置詞の用法の発達
前置詞の起源
前置詞の格支配
英語における前置詞の用法の発達
英語の難しさ
今なお失われつつある格の感覚
格の感覚の喪失を反映した言葉遣いと過剰訂正
形容詞
動詞
「三単現の -s」の起源―動詞の人称変化
保守的なbe動詞
動詞の活用変化と主語の省略
動詞の数(number)
主な印欧諸語における動詞の語形変化
動詞の時制
印欧諸語における動詞の単純時制
ゲルマン語における動詞の時制
2種類の完了形
I am finished.の起源 ― 自動詞の完了形
haveを用いた完了形の起源
現在完了の感覚
進行形の起源と発達
I’m lovin’ it の謎 ― 進行形で使われる状態動詞
印欧諸語における動詞の態
英語における受け身構文の起源と発達
英語における紆言的表現のさらなる発達
動詞の法(mood)
叙想法(仮定法)の感覚
仮定法現在の感覚
仮定法過去の感覚
劇的現在(dramatic present)

第4章│古英語から現代英語まで
古英語の名詞
複数語尾 -s, 所有格語尾 -’sの祖先 ― 古英語の名詞1
単複同形の名詞の起源 ― 古英語の名詞2
複数語尾 -en の祖先 ― 古英語の名詞3
foot-feetタイプの不規則変化名詞の起源 ― 古英語の名詞4
on footの謎?
FranceとFrenchの関係 ― i-mutationの影響
曖昧母音の出現と格変化崩壊の始まり
北から南へ伝わった名詞語形変化の単純化
中英語の南部方言における名詞の語形変化
なぜ -s複数、-’s属格が優勢になったのか ― 類推作用(analogy)
英語における形容詞語形変化の衰退
英語における指示詞語形変化の衰退
保守的な人称代名詞
なぜ借用語they-their-themが本来語に取って代わったのか?
なぜAnneのニックネームはNancyなのか?
古英語の動詞
drive-drove-drivenタイプの不規則変化動詞の起源
規則変化動詞の起源
think-thought-thoughtタイプの不規則変化動詞の起源
類推による強変化動詞の衰退
welcomeの過去形はなぜwelcameでないのか? ― 弱変化動詞台頭の背景
古英語動詞の人称変化
中英語動詞の人称変化
近代英語~現代英語における人称変化
まとめ

第5章│文字と綴りのルーツ
文字使用の始まり
文字の起源と発達
ラテン文字の起源
ゲルマン人のルーン文字
ルーン文字のその後
西ヨーロッパのキリスト教化とラテン文字の普及
古英語期の綴り
中英語期の綴り
印刷技術の導入、標準語の確立、大母音推移と英語の綴り字
発音の変化に由来する黙字
綴りの改変に由来する黙字
外国語の綴りの影響
/s/音を表す綴り
さまざまな綴りのルーツ
大文字、小文字の名称の由来
綴り字改革は必要か?
非民主的な言語としての英語と綴りの問題

あとがき
参考文献
索引

著者|author

唐澤一友(からさわ・かずとも)
1973年、東京生まれ。1997年、上智大学文学部英米文学科卒業。
2001年、オクスフォード大学(Campion Hall)留学。同年、日本中世英語英文学会松浪奨励賞佳作。
2002年、上智大学大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程満期退学。同年、横浜市立大学国際文化学部欧米文化学科専任講師。
2007年、日本英文学会第30回新人賞受賞。
2008年、博士(文学)(上智大学)。学位論文 “The Verse Menologium, the Prose Menologium, and Some Aspects of Computistical Education in Late Anglo-Saxon England – A New Edition.”
2009年、駒澤大学文学部英米文学科准教授。
2010年、福原英米文学研究助成基金 第18回福原賞(研究助成)受賞。
2011年より駒澤大学文学部英米文学科教授。著書に『アングロ・サクソン文学史:韻文編』、『アングロ・サクソン文学史:散文編』(東信堂)、『多民族の国イギリス―4つの切り口から英国史を知る』(春風社)、翻訳に『中英語ロマンス イポミドン伝』(専修大学出版局)、共著書に『アイスランドの言語、神話、歴史』(麻生出版)、『「ベーオウルフ」とその周辺―忍足欣四郎先生追悼論文集』(春風社)、Multiple Perspectives on English Philology and History of Linguistics (Peter Lang)、From Beowulf to Caxton: Studies in Medieval Languages and Literature, Texts and Manuscripts (Peter Lang)他がある。

 

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かぼちゃの下で―ウガンダ 戦争を生きる子どもたち

かぼちゃの下で

ウガンダ 戦争を生きる子どもたち

  • 桜木奈央子(写真・文)/伊藤氏貴(解説)/2011年9月
  • 1800円(本体)/四六横判並製・120頁
  • 装丁:矢萩多聞

「国民同士、民族同士の同士討ち」により数十万人単位の死者を出したウガンダ。悲惨な過去を抱えながら、戦争と隣り合わせの日常をたくましく元気に生きる子どもたちの姿を映し出す写真集。カラー写真多数。
【推薦】宮島達男 (現代芸術家)
少年兵。レイプ。エイズ。子どもさえ戦争の道具にされるウガンダ。写真家は過酷な現実に寄り添い、彼らの精一杯のいまを写し残す。彼らの未来を信じて……。
(ISBN 9784861102592)

目次|indexs

はじめに
夢は恋
戦った少年たち
未来だけがある
たき火と星空と蛍
学校に行きたい
手紙
解説 映像とことばのはざまから洩れる声
グルのアベー あとがきにかえて
謝辞

著者|authors

桜木奈央子(さくらぎ・なおこ)
フォトグラファー。1977年生まれ。高知県出身。立命館大学文学部卒。大学在学中に内戦中のウガンダ北部を訪れ、「別の生き方の可能性」をテーマに写真を撮り始める。2007年4月、アチョリ王国(ウガンダ北部)により親善大使に任命される。NPO法人(申請中)アフリカの水代表。ウェブサイト「アフリカの水

伊藤氏貴(いとう・うじたか)

1968年生まれ。文芸評論家、明治大学文学部専任講師。
著書に『告白の文学』、『名作は隠れている』(共著)など。

 

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イギリス イメージ横断―表象と文学

イギリス イメージ横断

表象と文学

  • 要田圭治・田原光広・吉本和弘(編)/2011年8月
  • 3333円(本体)/四六判上製・284頁
  • 装丁:矢萩多聞

ヴィクトリア朝時代の弁護士アーサー・マンビーは,下層階級の女性労働者の写真を収集しつづけた。彼はそこに何を求めたのか…。
他に,ジョージ・オーウェル,ウィリアム・ブレイクなど,18世紀から20世紀までの多彩なイギリス文化・文学を取り上げ,その諸相に分け入る。
(ISBN 9784861102783)

目次|indexs

Ⅰ 文化論
第1章:アーサー・マンビーの写真コレクション―女性労働者の表象と脱階級のストラテジー〔吉本和弘〕
第2章:クリスマス・ママーズのポリティクス―トルコの騎士という表象〔潟山健一〕
第3章:描かれた女たち―フロイト的ナルシシズムと近代資本主義〔本田蘭子〕
Ⅱ 小説
第4章:ジェイン・オースティン―女性たちの「もう一つの選択肢」〔名原千絵〕
第5章:解剖学の怪物―『フランケンシュタイン』の身体と家族〔徳田加奈〕
第6章:『ダロウェイ夫人』の地下水脈〔伊東保〕
第7章:『ダロウェイ夫人』とトランセンデンタリズム〔土井悠子〕
第8章:『動物農場』と庶民の夢〔鷲野博文〕
Ⅲ 詩・戯曲・散文
第9章:輪郭とぼかしの間―ブレイクの『フランス革命』前夜〔中山文〕
第10章:ハーンの「焼津にて」に見る海体験と霊的世界の深淵〔横山純子〕
第11章:眠らないロミオが見た「夢」と「幻覚」に凝らされた意匠―バズ・ラーマンの映画William Shakespeare’s Romeo + Juliet(一九九六)考〔住田光子〕
あとがき〔要田圭治〕

編者|editors

要田圭治(かなめだ・けいじ)
広島大学
主な業績:
「一八三〇年代の小説―新しい警察、そして群衆の誕生」『ヴィクトリア朝小説と犯罪』西條隆雄編、音羽書房鶴見書店、2002年
『ヴィクトリア朝の生権力と都市』音羽書房鶴見書店、2009年
田原光広(たはら・みつひろ)
広島大学
主な業績:
「イギリスのナショナル・アイデンティティーとフランス革命―エドマンド・バークの『フランス革命の省察』を中心に」『地域文化研究』第29巻、2003年
「自国意識をめぐるバイロンの葛藤―The Island を中心に」『英詩評論』第26号、中国四国イギリス・ロマン派学会、2010年
吉本和弘(よしもと・かずひろ)
県立広島大学
主な業績:
「ジョウゼフ・コンラッド―『闇の奥』に交錯する二つの声」他二編『英文学の内なる外部―ポストコロニアリズムと文化の混交』山崎弘行編、松柏社、2003年
「成長しない少年と冒険物語の終焉―J・M・バリーの『ピーター・パン』について」姫路獨協大学外国語学部紀要第18号、2005年
「マザーグースと『アリス』―ノンセンスを生みだす音の構造」『英詩評論』第27号、2011年

 

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ヒトから人へ―“一人前”への民俗学

ヒトから人へ

“一人前”への民俗学

  • 佐野賢治(著)/2011年8月
  • 2381円(本体)/四六判並製・224頁
  • 装丁:長田年伸

ヒトが人になるためには幾つもの越えなければならない節目がある。そこに民俗の知恵が籠められている。産育儀礼に見るいのちの受け渡し。
(ISBN 9784861102813)
日本図書館協会選定図書
●「神奈川新聞」(10月9日)に紹介されました。

目次|indexs

人とは/子供はどこから/天菩薩/仮親/義理と人情/福子・福助/胞衣/まなざし/犬卒塔婆/嬰児籠/一姫二太郎/名付け/産屋/尻餅/七五三/チャンバラ/児やらい/隠れ鬼/こけし/子守唄/疱瘡神/山びこ学校/七つ前は神のうち/十三七つ/御行屋/ユースホステル/お年玉/十三参り/入れ墨/お歯黒/山の郵便配達/勉強/しつけ/勤工倹学/徴兵検査/若者たち/森の学校/新羅花郎/世代/東巴文字/おねしょ人形/山姥/ふるさと/暦/鰻の道/青年と学問/三丁目の夕日/人生の階段/人を育む農/人と家畜/人に成る/常民

著者|author

佐野賢治(さの・けんじ)
1950年寅年、静岡県生まれ。筑波大学大学院歴史人類学研究科修了後、愛知大学・筑波大学教員を経て、現在、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、日本常民文化研究所所長、国際常民文化研究機構運営委員長。編著書に『虚空蔵菩薩信仰の研究』、『星の信仰』、『現代民俗学入門』『西南中国納西族・彝族の民俗文化』など。比較民俗研究会を主宰するほか日本民具学会長、野外文化教育学会副会長などを務め、地域振興、野外文化教育活動の実践に取り組む。文学博士。

 

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邦訳「ガリヴァー旅行記」書誌目録

邦訳「ガリヴァー旅行記」書誌目録

  • 松菱多津男/2011年6月
  • 4600円(本体)/B5判・並製・184頁
  • 装丁:矢萩多聞

明治13年刊行の初邦訳本から平成22年刊行物まで、書籍、漫画、紙芝居、LPレコード、カセットテープ、ビデオテープ、DVDなど500点以上を網羅。出版形態の変遷がわかるカラー口絵8頁。人名索引付き。人間の奥深を描き、愛され続ける『ガリヴァー旅行記』出版の全貌がここに。
(ISBN 9784861102769)

第7回ゲスナー賞「目録・索引」部門の銀賞を受賞しました。

著者|author

松菱多津男(まつびし・たづお)
昭和4年島根県生まれ。
昭和20年4月、日本石油株式会社関西製油所入社。
昭和38年7月、開発化学工業株式会社 代表取締役。
昭和35年頃より『ガリヴァー旅行記』を収集しはじめる。

 

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〈写真集〉クジラ解体

〈写真集〉クジラ解体

  • 小関与四郎/2011年6月
  • 15000円(本体)/A4判上製美麗函入・208頁
  • 装丁・レイアウト:和田誠

出港を待つ漁師、巨体を切り崩す男たち、古式捕鯨の史跡、クジラ料理、浜で息絶えるクジラ…。クジラを食べ、クジラと共に生きる日本の人々。大好評を博した『九十九里浜』の写真家による迫真のドキュメンタリー!和田浦・九十九里浜(千葉)、太地(和歌山)、鮎川(宮城)で24年にわたり撮影。モノクロ写真121点。
(ISBN9784861102615)
日本図書館協会選定図書

推薦者|recommenders

安西水丸、池内紀、海老沢勝二、加藤郁乎、金子兜太、紀田順一郎、五味太郎、佐々木幹郎、佐野賢治、須藤健一、谷川健一、地井武男、中条省平、長谷川宏、道場六三郎、山本一力(五十音順・敬称略)

●刊行にあたりお寄せいただいた推薦文

●共同通信社の配信により,「信濃毎日新聞」「東奥日報」「愛媛新聞」「高知新聞」「熊本日日新聞」「新潟日報」「神奈川新聞」「産経新聞」に紹介されました。

●「読売新聞」(千葉版:7月21日)に紹介されました。

●「北國新聞」(7月13日)「東京新聞」(7月13日)「千葉日報」(8月23日)に紹介されました。

●「水産経済新聞」(7月27日)に紹介されました。

●「新文化」(8月4日号)に紹介されました。

●「読売新聞」(8月28日)に紹介されました。

●「東京新聞」(9月11日)に紹介されました。

●「週刊読書人」(9月16日号)に紹介されました。

著者|author

小関与四郎(こせき・よしろう)
1935年、千葉県匝瑳郡栄村川辺(現匝瑳市)の農家に生れる。1973年、『写真集 九十九里浜』(木耳社)で、日本写真協会新人賞受賞。
著書に『九十九里浜』(春風社)、『成田国際空港』(木耳社・絶版)、『九十九里有情』(東京新聞出版局、1993年)など。

 

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釈譜詳節(下)

釈譜詳節(下)

  • 朝鮮世祖(纂述)/河瀬幸夫(訳)/2011年6月
  • 6500円(本体)/A5判・上製・414頁

韓国文学史上最高傑作とされる『釈譜詳節』は、一五世紀に発明されたばかりのハングルで記された韓国独自の釈迦伝である。全巻が残されておらず、同時期に著された『月印千江之曲』『月印釈譜』をも訳し、その全体像に迫る。
下巻では「忍辱太子」「須大拏太子」「善友太子」など、一五世紀にハングルに翻訳され韓国の人々を感動させた漢訳仏典中の物語を収録。
(ISBN 9784861102714)

上巻解題より

『釈譜詳節』『月印千江之曲』『月印釈譜』の三書に記録された仏教世界は単に一五世紀の朝鮮半島における仏教理解ということに限定されるものではな く、三国時代から高麗時代を経て朝鮮時代に伝えられた仏教の朝鮮半島における理解の全体像を総合的に示すものであり、その大部分は、一五世紀の東アジア全 域に共通する仏教理解であった可能性が高い。それを一二世紀の『今昔物語集』などと読み合わせることで、東アジアにおける仏教理解の共通性と多様性を知る ことができるようになるのではないかと考えられる。以上の事柄を確認する意味においても、この三書は一連のものとして通読できるような形にすることが必要 であろうと考えたのである。

目次│indexs

月印釈譜 第二十/月印千江之曲 第二十 釈譜詳節 第二十/月印釈譜 第二十一/月印千江之曲 第二十一 釈譜詳節 第二十一/月印釈譜 第二十二/月印千江之曲 第二十二 釈譜詳節 第二十二/月印釈譜 第二十三/月印千江之曲 第二十三 釈譜詳節 第二十三/釈譜詳節 第二十三/釈譜詳節 第廿三/釈譜詳節 第二十四・月印釈譜 第二十五/釈譜詳節 第廿四/月印千江之曲 第二十五 釈譜詳節 第二十五
付録
江田俊雄と東国大学 ―校友会誌『一光』の記載を中心に―/『釈譜詳節』各巻の内容(修正版)/『月印釈譜』各巻の内容(修正版)『釈譜詳節』関連年表

訳者│translator

河瀬幸夫(かわせ・ゆきお)
1945年、東京都大田区に生まれる。早稲田大学第二文学部と文学研究科で日本文学(上代文学)を専攻。1973年、横須賀学院高等学 校の国語教員となる。2003年に早期退職し、韓国ソウルの東国大学大学院仏教学科仏教史学科に入学し、2007年に博士課程修了。東国大学では日本にお ける高麗大蔵経の受容の歴史について学び、修士論文では江戸時代の僧忍澂の大蔵経対校に関してまとめる。2007年以降『釈譜詳節』の翻訳に専念。2010年に春風社より『釈譜詳節』(上)を刊行。

 

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