英和の森の植物たち―感じる、遊ぶ、食べる

英和の森の植物たち

感じる、遊ぶ、食べる

  • 中池敏之・川崎末美(著)/2012年9月
  • 2600円(本体)/A5判並製244頁カラー口絵16頁
  • 装丁:矢萩多聞

「本書の舞台は、豊かな自然に恵まれた東洋英和女学院大学横浜キャンパスです。キャンパス内の豊かな自然に接することで、自然が大好き、植物大好きな学生が増えてほしい、豊かな感性を育んでほしい、との願いから作られた独自の教材をそのまま収録しました」
565種類の植物図に、植物の詳しい解説、エスプリの利いた短文やゆかりの詩を付した植物図誌。遊びに使用される植物、食用植物の料理法や保存法など、実生活で利用できる情報も掲載。
(ISBN 9784861103216)

目次より|indexs

序
まえがき
学内植物通信
東洋英和女学院大学キャンパスに生育する遊びに使用される植物
東洋英和女学院大学キャンパスに生育する食用植物
自然と親しむ方法
あとがき

著者|authors

中池敏之(なかいけ・としゆき)
東洋英和女学院大学生涯学習センター講師
川崎末美(かわさき・すえみ)
東洋英和女学院大学人間社会学部教授

 

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朝鮮神話の源流―「バリ公主神話」と「ダンクン神話」を巡って

朝鮮神話の源流

「バリ公主神話」と「ダンクン神話」を巡って

  • 金香淑/2012年9月
  • 4500円(本体)/A5判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

朝鮮民族の始祖神話「ダンクン神話」はいつ成立したのか? 文献に記された仏教用語は神話の「原型」を潤色したものに過ぎないのか? 実証的な分析により通説を覆し、神話の世界観と仏教の影響関係を明らかにした力作。
(ISBN 9784861103131)

目次より|indexs

序章 朝鮮神話研究の諸問題
第一章 「バリ公主神話」研究―口伝神話に見られる仏教的要素と神の神聖性
第一節 口伝神話の先行研究
第二節 「バリ公主神話」の各異本とその特徴
第三節 「バリ公主神話」の死生観と「十王世界」
第四節「バリ公主神話」の「本プリ」と仏教的世界観
第二章 「ダンクン神話」研究―文献神話における「帝釈」とその世界像
第一節 民族の歴史観と「ダンクン神話」
第二節 「ダンクン神話」の世界像と仏教
第三節 作品としての『三国遺事』と「新羅中心思想」
第三章 朝鮮神話の成立と仏教
第一節 テクストの成立と口伝・文献両神話の関係性
第二節 「朝鮮神話」とは何か─巫俗神話起源説の再検討

著者|author

金香淑(キム・ヒャンスク)
1965年韓国慶州生まれ。釜山大学、啓明大学大学院を経て、1991年に来日。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学比較文化コース)博士課程修了。博士(学術)。学習院大学東洋文化研究所客員研究員、日本大学文理学部講師などを経て、現在目白大学外国語学部准教授。著書に『朝鮮の口伝神話「バリ公主神話」集』(和泉書院、1998年)がある。

 

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新しい国家―海辺の別荘で教養と信仰と哲学を語り合う

新しい国家

海辺の別荘で教養と信仰と哲学を語り合う

  • W・H・マロック(著)/澤井勇(訳)/2012年9月
  • 2800円(本体)/四六判簡易フランス装・384頁
  • 装丁:矢萩多聞

プラトンの対話篇『国家』の形式を借り、ウォルター・ペイターやマシュー・アーノルドらをモデルにした人物たちが対話を繰り広げる。キリスト教信仰が後退し、合理主義・物質主義が拡大していく19世紀イギリスの精神状況を描きだす名著。
(ISBN 9784861103193)

目次│indexs

※「訳者まえがき」はPDFでご覧いただけます。

訳者まえがき
第一巻
第一章
第二章
第三章
第四章
第二巻
第一章
第二章
第三章
第三巻
第一章
第二章
第三章
第四章
第四巻
第一章
第二章
第五巻
第一章
第二章

著者│author

W・H・マロック
1849年生まれ。イギリスの経済学者、社会学者、小説家。オックスフォード大学ベイリオル・コレッジ卒。根っからの保守主義者(トーリー)であり、極端なイギリス高教会派の信者であった。1923年没。

訳者│translator

澤井勇(さわい・いさむ)
実践女子大学文学部名誉教授。1939年、福井県生まれ。法政大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。訳書に、コウルリッジ『文学評伝』(共訳)、H・ジャクソン『世紀末イギリスの芸術と思想』、W・ペイター『プラトンとプラトン哲学』がある。

 

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イングランドの地名―起源と歴史を訪ねて

イングランドの地名

起源と歴史を訪ねて

  • ケネス・キャメロン(著)/吉見昭德(訳)/2012年9月
  • 4286円(本体)/A5変型判・上製・384頁
  • 装丁:矢萩多聞

Buckingham, Birmingham, Nottingham…, Manchester, Colchester, Winchester…, これらに共通する-inghamや-chesterは何を示すのか?
ケルト,アングロ・サクソン,スカンジナビア,フランスなど,さまざまな民族や地域に由来する地名を分析することで見えてくる,イングランドの歴史・自然・風土。
(ISBN 9784861102905)

『ミスター・パートナー』3月号に紹介されました。
「地名を調べることは科学的な検証である」

目次│indexs

はしがき
記載例証一覧
州名の省略形
第1章 地名研究の技術
第2章 地名形成の類型
第3章 ケルト地名と河川名
第4章 アングロ・サクソン王国,イングランドの州,ハンドレッド,ワッペンテイク
第5章 最古のイングランド定住地名
第6章 スカンジナビアの地名
第7章 イングランド地名のフランス語の影響
第8章 地名における前置詞と副詞
第9章 地名における接辞
第10章 地名と考古学
第11章 異教・神話・民間伝承との連想による地名
第12章 キリスト教を連想させる地名
第13章 地名が示す社会と法律上の慣習
第14章 イングランド入植時の地名
第15章 街道名
第16章 河川,河川の交差,湿地帯
第17章 丘陵と谷間
第18章 森林,開拓地,公地
第19章 街路名
第20章 小地名と牧草地名
イングランド地名によく見られる要素
参考文献
索引
訳者あとがき

著者│author

ケネス・キャメロン(Kenneth Cameron)
1922年生まれ。
Doctor of Philosophy(1951)
リーズ大学(1947)卒業。同年シェフィールド大学にて英語学のAssistant Lecturerとなり,これを皮切りにノッティンガム大学のstaff(1950)となる。その後,Lecturer, Senior Lecturer, Reader,そしてProfessorへと昇格。Gollancz Prizeの受賞者でもあり,「英国地名学会(English Place-Name Society)」の名誉会長,Honorary Secretaryを歴任,British Academyの会員でもあった。
2001年没。

訳者│translator

吉見昭德(よしみ・あきのり)
1939年 北海道美唄市生まれ。
1970年3月 明治学院大学大学院文学研究科博士課程(単位取得)満期退学。
1985年9月-1987年1月 オックスフォード大学客員研究員(ペンブルック・コレジに所属)。
明治学院大学文学部名誉教授。中世(前期・後期)英語・英文学専攻。
著訳書
『『ベーオウルフ』とその周辺―忍足欣四郎先生追悼論文集』(共著,2009,春風社)
R. W. V. エリオット著『ルーン文字の探究』(単訳,2009,春風社)
『古英語詩を読む―ルーン詩からベーオウルフへ』(単著,2008,春風社)
『シェイクスピアの四季―三神勲先生喜寿記念論集』(共著,1984,篠崎書林)
S. ムアー著,A. H. マークヮート改訂『英語変遷の歴史―音と屈折の変化の軌跡を求めて』(共訳,1982,環翠堂)
British Variety―Selected Readings from Modern British Authors (共編註,1975,南雲堂)
その他,論文,翻訳など多数。

 

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〈文化〉の思想―現代日本の位置から

〈文化〉の思想

現代日本の位置から

  • 西欣也/2012年9月
  • 2200円(本体)/四六判上製230頁
  • 装丁:矢萩多聞

アドルノや丸山を補助線としつつ、西田から柳田、九鬼、和辻、中井正一、江藤淳、吉本隆明を経てポストモダン思想家にいたるまで近代日本の思想を呪縛し続けた〈文化〉の概念を根源的にとらえ返す。
(ISBN 9784861103230)

目次より|indexs

第一部 日本近代精神史における文化概念の展開過程
第一章 自然主義文学論争
第二章 西田幾多郎
第三章 柳田國男
第四章 九鬼周造と和辻哲郎
第五章 中井正一
第六章 江藤淳と吉本隆明
第七章 文化記号論
第八章 ポストモダニズム
第二部 〈文化〉の力学とその三つの舞台
第一章 美意識
第二章 他者
第三章 愛

 

著者|author

西欣也(にし・きんや)
1968年宮崎県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(美学美術史学専攻)。現在、甲南大学文学部人間科学科教員。2008-2009年サセックス大学社会・政治思想センター客員研究員。論文に ‘A Multicultural Approach to the Idea of Tragedy’ (Culture and Dialogue vol.1-1, 2011)、共編著に『美と病のトポロジー』(仮題、平凡社、近刊)がある。

 

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人と動物の人類学  【シリーズ 来たるべき人類学5】

人と動物の人類学

シリーズ来たるべき人類学5

  • 奥野克巳・山口未花子・近藤祉秋(編)/2012年9月
  • 2381円(本体)/四六判・並製・380頁
  • 装丁:矢萩多聞/装画:谷中安規

こんなに深くて広い、人と動物の関係! ヘラジカと話す男、ゴリラに「なる」人間、狩猟者に身を捧げたウサギ…。ヴィヴェイロス・デ・カストロ、ティム・インゴルド、フィリップ・デスコーラを補助線にして、ペットや家畜としてだけでない、多様な人と動物の関係を探る。
(ISBN 9784861103254)

来たるべき人類学構想会議のサイトはこちら。

●『讀賣新聞』(2012年11月4日)文化欄に,菅啓次郎氏による書評が掲載されました。
YOMIURI ONLINEでは,こちら。

目次|indexs

第Ⅰ部 「行為主体性」
1章 「動物と話す人々」山口未花子
2章 「告げ口をするブタオザル」奥野克巳
第Ⅱ部 「分離不能性」
3章 「西欧におけるハイブリッドとしての怪物」松平俊久
4章 「『人間ゴリラ』と『ゴリラ人間』」大石高典
5章 「生きているマンダラ」石倉敏明
第Ⅲ部 「境界性」
6章 「隠岐島のばける蛇」近藤祉秋
7章 「野生動物とのつきあい方」池田光穂
第IV部 「越境性」
8章 「共存を可能にする〈境界〉の再生産」目黒紀夫
9章 「隔離された越境性の再検討」西﨑伸子
10章 「動物にひそむ贈与」ポール・ナダスディ

編者代表|chief editor

奥野克巳(おくの・かつみ)
1962年寅年生まれ。桜美林大学リベラルアーツ学群教授。著書に『「精霊の仕業」と「人の仕業」―ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法』(春風社2004)、『文化人類学のレッスン:フィールドからの出発』花渕馨也との共編著(学陽書房2005)、『帝国医療と人類学』(春風社2006)、『人と動物、駆け引きの民族誌』編著(はる書房2011)など。

 

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多文化組織の日本人リーダー像―ライフストーリー・インタビューからのアプローチ

多文化組織の日本人リーダー像

ライフストーリー・インタビューからのアプローチ

  • 石黒武人/2012年9月
  • 3000円(本体)/四六判上製408頁
  • 装丁:矢萩多聞

対話的構築主義の立場から,さまざまな文化的背景をもつスタッフたちが協働する英会話学校でのフィールド調査をもとに,多文化組織においてリーダーとして活動する日本人のコミュニケーション行動の傾向と課題をあきらかにする。
(ISBN 9784861103223)
日本図書館協会選定図書

立教大学『異文化コミュニケーション論集』(第11号)に書評が掲載されました。

目次│indexs

序章 本研究の射程
第Ⅰ部 理論的研究
第1章 多文化組織におけるリーダーの要件
第2章 日本人リーダーのコミュニケーション行動
第3章 多文化組織における日本人リーダーのコミュニケーション行動
第4章 理論的研究における既存研究の問題点とその克服
第Ⅱ部 フィールド調査
第5章 ライフストーリー研究
第6章 英会話・英語学校に関するライフストーリー研究
第Ⅲ部 総合考察
第7章 考察
第8章 結論および説明モデルの提示

著者│author

石黒武人(いしぐろ・たけと)
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程修了(異文化コミュニケーション学,2008年)。明海大学外国語学部英米語学科講師を経て,現在,順天堂大学国際教養学部准教授。著書に「第7章 多文化組織と日本人リーダーのコミュニケーション」『多文化社会日本の課題』(明石書店,2011),『異文化コミュニケーション事典』(9項目執筆担当)(春風社,2012年出版予定)。論文に「多文化関係研究における構築主義的アプローチの有効性:ライフストーリー研究を中心に」(『多文化関係学』第4巻,2007年),「英会話・英語学校で働く異文化出身フォロワーのライフストーリー―フォロワーの視点からとらえられる日本人リーダーの姿―」(『異文化コミュニケーション論集』第7号,2009年)や「スピーチコミュニティ:生成される文化をとらえる媒介物」(『多文化関係学』第7巻,2010年)など。

 

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子どもの心にとどく授業―三重県桑名市立藤が丘小学校における六年

子どもの心にとどく授業

三重県桑名市立藤が丘小学校における六年

  • 伊藤新司(編著)/2012年9月
  • 2381円(本体)/四六判上製406頁
  • 装丁:毛利一枝

授業がほんものであれば、子どもたちは自由に、のびのび、生き生きする。授業づくりをとおして子どもたちと真剣に向き合った先生たち34人の記録。
(ISBN 9784861103261)
日本図書館協会選定図書

目次より|indexs

はじめに
Ⅰ 自分らしい授業創りをめざしての六年
Ⅱ 授業実践研修のなかで学んだこと・考えたこと
Ⅲ 授業実践研究に参加された先生たちの所見から
Ⅳ 保護者の声
Ⅴ 共同研究者による講義と提案授業から
あとがき

著者|author

伊藤新司(いとう・しんじ)
1952年(昭和27)、三重県に生まれる。静岡大学教育学部を卒業。三重県内の小中学校教諭、桑名市教育委員会同和教育室指導主事、三重県教育委員会同和教育課指導主事を経る。2003年(平成15)に多度町立多度北小学校長となる。2006年(平成18)に桑名市立藤が丘小学校長となる。2012年(平成二四)3月退職。現在、桑名市公民館嘱託。

 

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教師のゲートキーピング―主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて

教師のゲートキーピング

主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて

  • スティーブン・J・ソーントン(著)、渡部竜也・山田秀和・田中伸・堀田諭(訳)/2012年9月
  • 2857円(本体)/A5判上製268頁
  • 装丁:矢萩多聞

カリキュラム改革を実施しても、教師のカリキュラム調節能力(=ゲートキーピング力)を磨かなければ教室は変わらない。米国社会科教育史における論争を展望し、教育の根本を押さえつつ、カリキュラムを柔軟に運用する教師像を模索する。
(ISBN 9784861103285)

目次│contents

日本語版のためのまえがき
まえがき(ネル・ノディングス)
謝辞
序章    社会科の諸問題
第1章    なぜ「ゲートキーピング」はカリキュラム改革よりも重要なのか
第2章    社会科カリキュラムはこれまでどのように組織化されてきたか
第3章    教育のねらいの重要性
第4章    バランスのとれた柔軟なカリキュラムに向けて
第5章    教育方法
第6章    教育者を教育すること
第7章    実際なされているカリキュラムの重要性
付論1    社会科におけるゲートキーパーとしての教師
付論2    空カリキュラム―その理論的基礎と実践の示すものについて
付論3    社会科カリキュラムの正当性
訳者あとがき
本書の背景、本書の読み方(草原和博)
アメリカ社会科教育の動向に関する年表
アメリカ合衆国における各種社会系教科の公的カリキュラム計画の比較表

著者│author

スティーブン・J・ソーントン(Stephen J. Thornton)
南フロリダ大学教授。カリキュラム論、教授学習論から、教育史、思想史、教師教育論まで幅広く論ずる米国を代表する社会科教育研究者。デューイアンならびにゲートキーパー論の提唱者として知られる。

訳者│translators

渡部竜也(わたなべ・たつや)
日本語版のためのまえがき、謝辞、第3章、第4章、第6章、付論担当。
1976年、広島県生まれ。東京学芸大学教育学部講師。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。本書に関係する著作として、「連載:大学の社会科教育研究よ、どこへ行く――研究者の暴走と現場の不満の間を埋める提案に向けて」(『社会科教育』明治図書、2011年4月号-2012年3月号)、「カリキュラム・授業理論と教師教育論の連続的探求の必要性――教科内容専門領域改革に向けた研究方法への提言:社会科を事例として」(『社会科教育研究』第110号、2010年)、「『授業研究』からみた社会科研究の方法論の国際化の課題――わが国の『規範科学』としての授業研究方法論:六つの展開」(『社会科教育論叢』第四八集、2012年)などがある。
山田秀和(やまだ・ひでかず)
第1章、第2章担当。
1975年、広島県生まれ。岡山大学大学院教育学研究科准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。主著に『開かれた科学的社会認識形成をめざす歴史教育内容編成論の研究』(風間書房、2011年)、『新社会科教育学ハンドブック』(共著、明治図書、2012年)などがある。
田中伸(たなか・のぼる)
第5章、第7章担当。
1979年、神奈川県生まれ。大阪大谷大学教育学部講師。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。主著に『現代アメリカ社会科の展開と構造』(風間書房、2011年)、『社会科教育学実践ハンドブック』(共著、明治図書、2011年)、「シティズンシップ教育実践の多様性とその原理――学習環境を規定する市民性意識の解明を通して」(『教育方法学研究』第36巻、2011年)などがある。
堀田諭(ほりた・さとる)
まえがき、序章担当。
1982年、石川県金沢市生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程在籍。東京成徳大学人文学部非常勤講師、目白研心中学校・高等学校非常勤講師ほか。

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教養主義者・河合榮治郎

教養主義者・河合榮治郎

  • 青木育志/2012年8月
  • 3000円(本体)/A5判上製304頁
  • 装丁:矢萩多聞

教養とは雄々しく惨(いた)ましい人生の戦いである―
学問論・認識論から職業論・恋愛論まで、思想家にして稀有の教育家でもあった河合をさまざまな角度から照らし出し、人格主義を根幹に据える「教養」の意義をあらためて問いなおす。
(ISBN 9784861103209)

目次|indexs

はじめに―「教養」と「昭和教養主義」とは何か
第1章 哲学者
第1節 教養主義
第2節 学問論
第3節 認識論
第4節 道徳哲学
第5節 芸術・宗教論
第6節 比較文化論
第2章 大学教授―大学教育を通して
第1節 大学教育論
第2節 講義と試験
第3節 ゼミナール
第4節 古典研究会
第5節 面会日と学生相談
第6節 師弟論
第3章 社会教育家―出版活動を通して
第1節 『学生叢書』の出版
第2節 『教養文献解説』の出版
第3節 『学生に与う』の出版
第4章 知的生活論者
第1節 知的生活論
第2節 書斎論
第3節 読書・思索論
第4節 討論・執筆論
第5章 人生論者
第1節 日常生活論
第2節 修養論
第3節 職業論
第4節 親子・友情論
第5節 恋愛・結婚論
第6節 同胞愛・社会論

著者|author

青木育志(あおき・いくし)
1947年 大阪に生まれる
1971年 大阪市立大学法学部卒業
1971年 株式会社大丸に入社
1999年 亜細亜証券印刷株式会社(現株式会社プロネクサス)に入社
2009年 同社を退社
著書
『客観主義と主観主義―哲学の根本問題』(自費出版1989年)
『河合栄治郎文献目録』(河合栄治郎研究会1994年)
『自由主義とは何か―その政治的、経済的、哲学的原理』(新風舎2004年)
『弁論術の復興―欧米的議論術の修得と教育の必要性について』(青木嵩山堂2008年)
『「新自由主義」をぶっ壊す』(春風社2010年)
『河合榮治郎の社会思想体系―マルクス主義とファシズムを超えて』(春風社2011年)
主要論文
「新渡戸稲造と河合栄治郎」『新渡戸稲造研究』第5号(1996年9月発行)
「青木嵩山堂の出版活動」吉川登編『近代大阪の出版』(創元社2010年)
所属学会
イギリス理想主義研究会
河合栄治郎研究会
日本出版学会

著者サイト 「青木育志の書斎」

著者からのコメント│author’s comments

今、読書界、出版界では、「教養主義の没落」ということが言われている。これは社会学者の竹内洋氏の同名の書(中公新書、2003年)がブレークすることによって、言われ出した。これによると、1970年を境に、学生は本を読まなくなり、本は売れず、さらにはIT技術の発達により、携帯電話やインターネットの発達により、知的生活のやり方も大きく変わってしまった。ここに知性や教養や学力が低下しているのではないか、さらには学問を尊ぶという生き方と思想がなくなってしまったのではないか、という危惧や懸念が渦巻いているのである。

こういうときこそ、かつての日本の教養主義に思いをいたすときである。教養主義とはお茶やお花や名画や名曲に親しむことではない。古典と呼ばれる書物を読み、学問するという姿勢を尊重し、そういうことで人間の質を高めていくことである。明治以降、教養主義が高揚したときが二度ばかりある。一つは大正教養主義であり、阿部次郎の『三太郎の日記』や倉田百三の『愛と認識との出発』が学生の聖典であった。もう一つは昭和戦前の昭和教養主義である。河合榮治郎編集の『学生叢書』と同著の『学生に与う』が中心であった。

本書は昭和教養主義の代表者・河合榮治郎(東京帝大経済学部教授、1891-1944)の教養主義における活動を体系的に解き明かしている。河合の活動は他に社会思想面の活動があり、それについては著者は別の書『河合榮治郎の社会思想体系』を著している。本書においては、河合の哲学者としての面(第1章)、大学教授としての面(第2章)、社会教育家としての面(第3章)、知的生活論者としての面(第4章)、人生論者としての面(第5章)を取り扱っている。

大学においては、河合はゼミナールにおいて学問の基礎を学生に厳しく教え鍛え、面会日において学生の人生相談にやさしく付き合い、古典研究会を組織し、古典研究の重要さを訴えた。大学外においては、河合は全12巻の『学生叢書』を編集出版し、『教養文献解説』を発行し、さらに『学生に与う』を出版した。大学の内外における活躍によって、学生はいかなる心構えで、学問と人生に立ち向かうべきか、そのためにどういう本を読まねばならないか、を学生に対して説いたのである。

河合が大学の内外で説いた内容は大きく分けて二つある。一つは知的生活論である。それはどういう心構えで学問に対するかというものであり、具体的には書斎論、読書論、思索論、討論論、執筆論などである。もう一つは人生論である。それはどういう心構えでこれからの人生をわたっていくべきかというものであり、具体的には日常生活論、修養論、職業論、友情論、恋愛論、社会論などである。

河合は学生を相手に教養主義を説いたのであるが、河合の書とその思想は学生のみならず、学問、芸術、道徳を考えることによって、人生を真剣に生きたいと思う社会人にとっても、福音となるはずである。教養主義が没落している今日こそ、我々が何を頼りに生きようかと迷う今日こそ、昭和教養主義の叡智に学ぶべきであり、本書はそれに応えてくれるであろう。

 

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