先祖祭祀と墓制の近代―創られた国民的習俗

先祖祭祀と墓制の近代

創られた国民的習俗

  • 問芝志保(著)/2020年10月
  • 5000円(本体)/A5判上製362頁
  • 装丁:矢萩多聞

整然と区画された墓地に家族の墓を所有し、遺骨を納め、折にふれて墓参りに行く―この日本の「伝統的」な習俗は、いつ生まれ、どのようにつくりかえられ、普及してきたのか?
先祖祭祀が国家的アイデンティティと結びつくのと並行して、近世的な墓と墓地が文明化・西洋化を辿った明治~大正。そうした新しい先祖祭祀と墓制がマスメディアを通じて人々に受容され、ナショナリズムとも接合していった昭和戦前期。宗教社会学の立場から、その変遷の諸相に迫る。

(ISBN 9784861106927)

目次|contents

序論

Ⅰ部 先祖祭祀と近代
第1章 文明国のAncestor Worship―穂積陳重『祖先祭祀ト日本法律』再考
第2章 国民道徳論と先祖祭祀―国民的習俗の実践教育

Ⅱ部 墓制と近代
第3章 近代墓制の成立―明治前半期における墓地法制の展開
第4章 近代墓制の受容―札幌にみる墓制の近代
第5章 墓地の西洋化―大正期東京における造園家の墓地観
補論 墓地の聖地化―聖将・東郷平八郎の埋葬を事例として
第6章 カロート式家墓の成立―関東大震災後における東京の墓制

Ⅲ部 昭和戦前期の先祖祭祀と墓制
第7章 明治の墓癖家と昭和の掃苔家―名墓へ向けるまなざしの変容
第8章 昭和戦前期の墓相家と「正しい墓」―無縁墓供養から日本精神論へ

結論

参考文献一覧
あとがき
索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

p.66 「F・ド・クーランジュ」→「N・D・フュステル・ド・クーランジュ」
p.72 「ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.73 「ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.331 「F・ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.i(索引)「ド・クーランジュ、F」→「フュステル・ド・クーランジュ

p.106 図2-2キャプション 「右:国宝」→「右:国定」
p.156 l.14 「墓や墓地の」→「墓と墓地の」
p.182 l.13  「多磨霊園計画」→「多磨墓地計画」
p.311 l.11 「昭和五年頃」→「昭和四年頃」
p.338 l.8 「土居弘」→「土居浩」

※なお、電子版では以上は訂正済みです。

著者|author

問芝志保(といしば・しほ)
博士(文学)。専門は宗教社会学、日本近代宗教史。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、公益財団法人国際宗教研究所研究員。主要研究業績に「寺院と墓地の現在―「墓じまい時代」の課題」(相澤秀生・川又俊則編著『岐路に立つ仏教寺院―曹洞宗宗勢総合調査2015年を中心に』法蔵館、2019年)、「明治民法と祖先祭祀論」(鈴木岩弓・森謙二編『現代日本の葬送と墓制―イエ亡き時代の死者のゆくえ』2018年、吉川弘文館)、「関東大震災と家族納骨墓―近代都市東京の墓制」(『宗教研究』393号、2018年)など。

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ゴマムシ狂騒曲―旅する「小枝通信」より

ゴマムシ狂騒曲

旅する「小枝通信」より

  • 堤小枝子(著)/2020年10月
  • 1500円(本体)/四六判並製270頁
  • 装丁:矢萩多聞

旅するように生きれば、毎日こんなに面白い!
14年にわたるヨーロッパ転々生活と帰国後の田舎暮らしのなかで遭遇した日々の小さな事件や愛すべき人びとを、ドキリ、クスリ、ホロリと描く56のエッセイ集。

(ISBN 9784861106972)

著者|author

堤小枝子(つつみ・さえこ)

ドイツ人の夫と結婚後、夫の仕事に伴ってドイツ、ルクセンブルク、ベルギーなどを遍歴。帰国後、約14年間のヨーロッパ生活と、その後の日々を綴った「小枝通信」を、国内外の読者に向けて配信している。元日本語教師。長野県在住。

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多様化する子どもに向き合う教師たち―継承語教育・補習授業校におけるライフストーリー研究

多様化する子どもに向き合う教師たち

継承語教育・補習授業校におけるライフストーリー研究

  • 瀬尾悠希子(著)/2020年9月
  • 3300円(本体)/A5判並製300頁
  • 装丁:長田年伸

複数の言語や文化の中で育つ子どもに、教師はどのように教えているか?
在外教育施設である補習授業校で行われる日本語/継承語教育の実状を、3人の教師の授業実践についての語りを分析することにより考察。子どもが言葉を学びつつ自己を育むことのできるよう、教師の専門知・実践知の構築と変容の過程を探求する。
(ISBN 9784861106934)

目次|contents

まえがき
序章 私のストーリー
第1章 継承語学校と変化に直面する補習授業校
1.1 マルチリンガル、マルチカルチュラルな子どもたちと継承語学校
1.2 変化に直面する補習授業校
第2章 教師を理解するためのアプローチ
2.1 教師研究の流れ
2.2 言語教師のアイデンティティに関する研究
2.3 教師のアイデンティティとナラティヴ――ConnellyとClandininの研究
2.4 本研究の立場
第3章 方法論の検討
3.1 ストーリーによる人間理解
3.2 ライフヒストリー(LH)と2つのライフストーリー(LS)
3.3 社会構成主義的なライフストーリー研究を行う理由
3.4 社会構成主義的なライフストーリー研究における調査者
第4章 調査の概要
4.1 リサーチ・クエスチョン
4.2 調査協力者の確定と協力依頼
4.3 インタビュー
4.4 データ分析
4.5 引用箇所、固有名詞の表記
第5章 多様性の中でのアイデンティティの確立を支援する――Aさん
5.1 Aさんとの出会いとインタビュー
5.2 Aさんが働く補習校
5.3?Aさんのストーリー
5.4 Aさんのストーリーの考察
第6章 子どもたちの発想や思考を深める――大村さん
6.1 大村さんとの出会いとインタビュー
6.2 大村さんが働く補習校
6.3 大村さんのストーリー
6.4 大村さんのストーリーの考察
第7章 子ども自身がしたいことを――田中さん
7.1 田中さんとの出会いとインタビュー
7.2 田中さんが働く補習校
7.3 田中さんのストーリー
7.4 田中さんのストーリーの考察
第8章 3人のストーリーの考察
8.1 補習校で教えはじめたときの支えとするストーリー
8.2 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーの原点
8.3 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーを具体化したこと
8.4 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーの表現
8.5 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーを生きることの意味
8.6 リサーチ・クエスチョンへの答え
8.7 本研究から得られる示唆と課題
終章 私のストーリーの変化
資料A Aさんのストーリーの主な出来事
資料B 大村さんのストーリーの主な出来事
資料C 田中さんのストーリーの主な出来事
あとがき
参考文献
索引

著者|author

瀬尾悠希子(せお・ゆきこ)
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部講師。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本語教育学。主な論文に「教師の支えとするストーリーと教育実践」青木直子・マシュー=バーデルスキー編『日本語教育の新しい地図』(近刊、ひつじ書房)、「教師のやりとりから生まれる教育観の見つめ直し」細川英雄・鄭京姫編『私はどのような教育実践をめざすのか』(2013年、春風社)などがある。

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中央ヨーロッパ―歴史と文学

中央ヨーロッパ

歴史と文学

  • 桂元嗣(著)/2020年9月
  • 2800円(本体)/四六判並製266頁
  • 装丁:長田年伸

「根本的な奇妙さ」のうえに形作られた中欧の歴史。その歴史を引き受けながら自分たちの物語を再創造するカフカ、チャペック、ロート、ハントケらの文学を、ドイツとの関係、小民族の同化と差異化、神話的虚構といった観点から読み解く。
(ISBN 9784861107016)

目次|contents

はじめに

第1部 チェコとドイツ語
第1章 ルドルフ二世の小部屋―ゴーレムの出現
第2章 言語政策と民族復興運動―物語の共有
第3章 フランツ・カフカ―疎外と変身
第4章 カレル・チャペック―ロボットから見た人間

第2部 ユダヤ人と同化の問題
第1章 ウィーンのユダヤ人―三つのカテゴリー
第2章 自由主義と反ユダヤ主義―白紙の状態を求めて
第3章 グスタフ・マーラーとポリフォニー
第4章 ヨーゼフ・ロート―世界市民の祖国

第3部 オーストリア人の自国感情
第1章 オーストリアとは?―どうにかこうにかやっていく
第2章 「誰も望まなかった国」とその帰結
第3章 戦後オーストリアと「犠牲者神話」―「埋め戻し」をめぐって
第4章 ペーター・ハントケと歴史―『冬の旅』から今

おわりに


図版出典一覧
あとがき

関連年表
ブックガイド
索引

著者|author

桂元嗣(かつら・もとつぐ)
武蔵大学人文学部教授。専門はドイツ文学・中欧文化論。主要研究業績に『人類が全体として見る夢―ローベルト・ムージル『特性のない男』』(コンテンツワークス社、2008年)、『ウィーン1945-1966―オーストリア文学の「悪霊」たち』日本独文学会研究叢書114(編著、日本独文学会、2016年)など

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鎌倉山奇譚 水琴窟の館

鎌倉山奇譚 水琴窟の館

  • ソーントン不破直子(著)/2020年9月
  • 1500円(本体)/A5判上製128頁
  • 装丁・装画・挿画:桂川潤

栄華ののち荒廃した山荘をめぐって人と野の生き物たちが物語を展開する。
「カローーン」――記憶の淵をどよもす怪しい音の正体は…。

(ISBN 9784861106965)

著者|author

ソーントン不破直子(ソーントン フワ・ナオコ)
1943年生まれ。日本女子大学文学部英文学科卒。米国インディアナ大学にて比較文学の修士号と博士号を取得。日本女子大学文学部英文学科教授を経て、現在同大学名誉教授。
近年の主要著書にThe Strange Felicity: Eudora Welty’s Subtexts on Fiction and Society (Praeger Press, 2003)、『ギリシアの神々とコピーライト―「作者」の変遷、プラトンからⅠT革命まで』(学藝書林、2007)、『戸籍の謎と丸谷才一』(春風社、2011)、『鎌倉三猫物語』(春風社、2015)、『鎌倉三猫 いまふたたび』(春風社、2016)、『孤独な殿様』(春風社、2018)。主要訳書に『茶の本』(岡倉天心著)(復刻版、春風社、2009)。

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アフリカにおけるジェンダーと開発―女性の収入向上支援と世帯内意思決定

アフリカにおけるジェンダーと開発

女性の収入向上支援と世帯内意思決定

  • 甲斐田きよみ(著)/2020年9月
  • 4300円(本体)/A5判上製304頁
  • 装丁:矢萩多聞

開発支援が対象とする「世帯」とは何か?いかにして女性のエンパワーメントを促すのか?
JICAの派遣専門家として、ナイジェリア北部イスラーム圏の伝統を実践するハウサ社会で活動した筆者が、ジェンダー役割が不均衡な世帯における意思決定の諸相を分析し、開発援助の可能性を考察する。

(ISBN 9784861107009)

『アフリカにおけるジェンダーと開発』オンデマンド版が出来しました
『モビリティと物質性の人類学』『嗜好品から見える社会』『アフリカにおけるジェンダーと開発』電子書籍を配信開始しました

『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『大原社会問題研究所雑誌』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『アフリカNOW』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『図書新聞』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の図書紹介が『国際協力ジャーナル』に掲載されました

目次|contents

はじめに
序論
第1章 女性対象の収入向上活動は効果があるのか?
第2章 世帯内意思決定をめぐる研究動向
第3章 ナイジェリア北部における調査の概要
第4章 女性が収入を得ると、世帯内意思決定力は向上するのか?
第5章 世帯内では何をめぐって意思決定が行われるのか?
第6章 どのような女性が世帯内で意思決定に関わりやすいのか?
結論
おわりに

著者|author

甲斐田きよみ(かいだ・きよみ)
文京学院大学外国語学部 准教授。専門:ジェンダーと開発。
主要業績:『はじめてのジェンダーと開発―現場の実体験から』(共編著、2017、新水社)、”What encourages households to adopt rice as a new crop? Understanding gender roles and perceptions in households in northern Namibia” Development in Practice VOL.27, NO.7(共著、2017、Routledge)、「母系社会における世帯内役割の変容とジェンダー規範への影響―タイ 東北部を事例として」『比較文化研究』第136号(2019、日本比較文化学会)

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最強の男―三国志を知るために

最強の男

三国志を知るために

  • 竹内真彦(著)/2020年9月
  • 2000円(本体)/四六判並製280頁
  • 装丁・レイアウト:桂川潤

正史から『平話』、雑劇、『演義』へと変化する中で、『三国志』が物語世界へと収斂していく様を、武将・呂布の描写を中心に考察する。

(ISBN 9784861107023)

目次|contents

序(附:凡例)

第一章 呂布
呂布の略歴/何故、呂布なのか?/史書における呂布の武勇の評価/何に拠って呂布の物語を辿るのか?/十八路諸侯/孫堅/関雲長斬華雄/三戦呂布/「最強」呂布の誕生

【コラム】 1姓名字 2暦 3行政区分

第二章 貂蟬
董卓の侍女/董卓の最期/司徒王允/涼州対幷州/王允の最期/物語における「因」と「果」/貂蟬の「機能」/第十五則「司徒王允説貂蟬」/第十六則「鳳儀亭呂布戯貂蟬」/第十七則「王允定計誅董卓」/第十八則「李傕郭汜寇長安」/貂蟬の最期/『演義』以前の貂蟬/高橋繁樹「『連環計』の虚構」について/「錦雲堂美女連環記」雜劇/「連環記」と「連環計」/息機子本と『元曲選』/「才子」呂布/貂蟬の物語の変遷/貂蟬の年齢

第三章 赤兎馬
人中の呂布、馬忠の赤兎/関羽と赤兎馬/『平話』の赤兎馬/『花関索伝』の赤兎馬/胭脂馬/関元帥/呂布と赤兎馬/呂布の最期/劉備と的盧/英雄と馬/「不義」なる「最強」/「剣神」の死/「史実」と「伝説」と

【コラム】 4干支 5五行説

第四章 李粛
方天戟/薛仁貴/李粛と葛蘇文/史書の李粛/史書の葛蘇文/李粛と薛仁貴/葛蘇文と呂布/呂方と郭盛/英雄の「祖型」/転生する英雄/残る疑問

第五章 再び呂布
呂布の装束/呂布以外の例/呂布の図像/三叉束髪紫金冠/束髪冠と紫金冠/賈宝玉/父殺しの貴公子/殷元帥/旅の終着点

【コラム】 6八健将

附章一 陳寿と裴松之
現代日本における正史/正史の体裁=紀伝体/遡る時系列/再読する読者/本文の撰者 陳寿/陳寿への非難/陳寿の諸葛亮評/陳寿の非難される理由/陳寿の記録できなかったこと/曹操の体格/正閏論/「紀」と「伝」/「崩」/「薨」/「殂」/「帝」と「主」/孫堅の出自/曹操の出自/劉備の出自/裴松之註の成立/裴松之註の形式/裴松之の警鐘/史家の覚悟/一次史料の問題

【コラム】 7廟号と諡号 8『資治通鑑』と『資治通鑑綱目』 9『三国志平話』 10雜劇 11『花関索伝』

附章二 羅貫中と毛宗崗
「演義」の意味/作者の不在/羅貫中の伝記/『演義』の成立年代/『演義』の系統/関羽の呼称/羅貫中にサヨナラを/毛宗崗/百二十回本/李卓吾/回目の改変/曹操の初登場/四大奇書/毛本が通行本となった理由

参考文献一覧
初出一覧

[巻末附録]三国志 略年表・正史『三国志』目録一覧・『三国志演義』回目

著者|author

竹内真彦(たけうち・まさひこ)
1971年、静岡県生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。2001年より龍谷大学経済学部講師、同助教授・准教授を経て、現在は教授。専門は『三国志演義』に関する文献研究。

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幻想と怪奇の英文学IV―変幻自在編

幻想と怪奇の英文学IV

変幻自在編

  • 東雅夫、下楠昌哉(責任編集)/2020年9月
  • 3000円(本体)/四六判上製468頁
  • 装丁:矢萩多聞
  • 装画:Richard Dadd

気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第4弾!
〈ゴシック〉理論のベースともいえる、A・L・バーボールドの崇高恐怖論とその実作「サー・バートランド」の翻訳も収録。

(ISBN 9784861106996)

目次|contents

前口上【東雅夫】

第Ⅰ部:怪獣大進撃
「植物する」(plant doing)ということ―ジョン・ウィンダム『トリフィドの日』、その可能性の中心へ【遠藤徹】
洞窟のなかの幻想の怪物―初期恐竜・古生物文学の形式と諸特徴【南谷奉良】
マンティコア変奏曲―実在と幻想の狭間【大沼由布】

第Ⅱ部:英国ゴシックの矜持
アナ・リティティア・エイキン「恐怖の諸対象を起源とする快楽について。断片作品『サー・バートランド』を付して」訳【下楠昌哉】
怪奇小説『メルモス』における結婚のメタファーと〈生〉の修辞学(レトリック)【小川公代】
『マンク』における二つのプロットと世界史的背景【市川純】
モノ語るゴシック―『オトラント城』と『ドリアン・グレイの肖像』に見る物質性【日臺晴子】
「幽霊のキャサリン」と奪われた肖像―新しいゴシック小説としての『嵐が丘』【金谷益道】

第Ⅲ部:ヴィクトリアン・ゴースト・ストーリーを越えて
E・F・ベンスン、拡散と転覆のオブセッション―「塔の中の部屋」および「アムワース夫人」を中心に【岡和田晃】
「萎えた腕」に掴まれるとき 痣(マーク) ―しるしは別のことを問い告げる【石井有希子】
亡霊は二度窓を叩く―ジェイムズ・ジョイス「死者たち」における歓待と寛大【小林広直】
『窓ガラスの言葉』に書かれた読めないメッセージ【岩田美喜】
語り手はもう死んでいる―カズオ・イシグロ「ある家族の夕餉」の怪奇性【田多良俊樹】
ロバート・M・パーシグ『禅とオートバイ修理技術』における幽霊の隠喩と文学的想像力【深谷公宣】

第Ⅳ部:罪・妄執・狂気
アーサー王伝説における騎士と狂気【小宮真樹子】
幾重もの語りの内側にあるもの―罪食いの伝承とフィオナ・マクラウドの「罪食い人」をめぐって【有元志保】
緑深き原生林へ―マリー・コレリ『復讐――忘れられた男の物語』における自然回帰【桐山恵子】
「死への衝動(ドライブ)」―ミュリエル・スパークの終末観【高橋路子】
対談―またしても解説に代えて【東雅夫×下楠昌哉】

執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき【下楠昌哉】
人名索引

編者|editors

東雅夫(ひがし・まさお)
神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元『幻想文学』編集長、現『幽』編集顧問。
著作に、『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞受賞)、『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』(学研新書)、『文学の極意は怪談である―文豪怪談の世界』(筑摩書房)、『日本幻想文学大全』『世界幻想文学大全』(編著、ともに全三冊、ちくま文庫)など。
下楠昌哉(しもくす・まさや)
東京都生まれ。同志社大学文学部教授、博士(文学)。
著作に、Vampiric: Tales of Blood and Roses from Japan(共著、Kurodahan Press)、『妖精のアイルランド―「取り替え子」の文学史』(平凡社新書)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、訳書にマクドナルド『旋舞の千年都市』(東京創元社)、ゴードン『吸血鬼の英文法』(彩流社)、『クリス・ボルディック選 ゴシック短編小説集』(共訳、春風社)など。

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小鳥が歌う―古いポルトガル語による聖母マリアの詩

小鳥が歌う

古いポルトガル語による聖母マリアの詩

  • 菊地章太(著)/2020年9月
  • 3600円(本体)/四六判上製224頁
  • 装丁:桂川潤

中世イベリア半島の吟遊詩人たちによって作られ歌われた、ガリシア=ポルトガル語の詩「カンティーガ」。詩の和訳と解説を通して、聖母に対する当時の人々の思いを汲み上げる。

(ISBN 9784861106941)

目次|contents

はじめに―トロバドールの芸術

第一部 世俗の詩
Ⅰ 愛のささやきのカンティーガ
Ⅱ 愛の哀しみのカンティーガ
Ⅲ 旅の愁いのカンティーガ
Ⅳ 聖母を慕うカンティーガ

第二部 信仰の詩
Ⅰ 聖母のトロバドールとして
Ⅱ 奇跡と巡礼のカンティーガ
Ⅲ 王の生涯のカンティーガ
Ⅳ 聖母の祝祭のカンティーガ

おわりに―中世イベリアの聖母信仰

補遺
参考文献
あとがき

著者|author

菊地章太(きくち・のりたか)
1959年、横浜市生まれ。神奈川県立外語短期大学附属高校卒、筑波大学卒業後、トゥールーズ神学大学高等研究院留学。東洋大学教授。博士(文学)。著書に『姿を変えたキリスト―みなし子を育てたシスターたち』(春風社)、『聖母マリアのカンティーガ―中世イベリアの信仰と芸術』『奇跡の泉へ―南ヨーロッパの聖地をたずねて』(以上、サンパウロ)、『ユダヤ教 キリスト教 イスラーム』『エクスタシーの神学』(以上、ちくま新書)、『悪魔という救い』(朝日新書)、『魔女とほうきと黒い猫』(角川ソフィア文庫)ほか。

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環境を批評する―英米系環境美学の展開

環境を批評する

英米系環境美学の展開

  • 青田麻未(著)/2020年8月
  • 4000円(本体)/四六判並製324頁
  • 装丁:中島衣美
  • 装画:門眞妙

環境を美的に見ることはいかにして可能か?
なぜ私たちは環境について語り合うのか?

1970年代、環境保護思想の高まりとともに始まった英米系環境美学
代表的な環境美学者であるカールソンを始めとする諸学説を批評理論として読み直し、常に我々を取り巻き変化し続ける環境に対する美学的アプローチを考察する。
(ISBN 9784861106989)

目次|contents


第1章 環境としての世界とその批評―英米系環境美学とはなにか
第1節 美学からの環境へのアプローチ
第2節 英米系環境美学のスタイル

第2章 知識による美的鑑賞の変容―カールソンの環境美学
第1節 ネイチャーライティングと環境批評家
第2節 知識によって支えられる環境批評
第3節 影を潜める主体―カールソンの達成点と問題点

第3章 諸説の再配置―環境批評理論としての評価
第1節 認知モデル/非認知モデル、そしてそのボーダーライン
第2節 環境の批評はできない―ゴドロヴィッチ、キャロル、バッドとフィッシャー
第3節 環境を批評する―サイトウ、バーリアント、ブレイディ

第4章 フレームをつくる―鑑賞対象の選択と参与の美学
第1節 バーリアントの参与の美学とその展開可能性
第2節 ミクロな変化のフレーミング―個別の活動と統括的活動
第3節 美的鑑賞の始まりはどこか―美的快の源泉としてのフレーミング

第5章 観光と居住―統括的活動とフレーミング
第1節 行って帰ってくる―観光と居住の円環構造
第2節 観光という統括的活動―ずれては重なるフレーム
第3節 居住という統括的活動―時間的厚みのあるフレーム

第6章 環境批評家とはだれか―美的判断の規範性
第1節 ブレイディによる規範性の再定義
第2節 コミュニケーションと規範の生成
第3節 批評家たちの協働―環境の漸進的な把握のために


あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

第4章181頁7行目 〈2〉→削除
第5章208頁16行目 〈5〉→削除 以下、226頁18行目〈23〉まで、注を一つずつ前にずらす。

著者|author

青田麻未(あおた・まみ)
一九八九年、神奈川県生まれ。専門は環境美学・日常美学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(成城大学)。
主な論文に、「環境の時間変化と鑑賞―参与を伴う活動によるフレームの構築」(『美学』70(2)、二〇一九年)、「動物の美的価値―擬人化と人間中心主義の関係から」(『美学芸術学研究』37、二〇一九年)、「アレン・カールソンのリーディングリスト―現代英米圏環境美学におけるネイチャー・ライティングの位置」(『文学と環境』19、二〇一六年)がある。

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