歴史的思考―その不自然な行為

歴史的思考

その不自然な行為

  • サム・ワインバーグ(著)、渡部竜也(監訳)/2017年10月
  • 5100円(本体)/A5判上製526頁
  • 装丁:長田年伸

歴史教育における歴史的思考、歴史家特有の思考とは何か?
米国の小中高の生徒・大学生・教師に対する数々の質的調査の成果をふまえつつ、「歴史家のように読む」ことの意義と可能性を追究する。米国での歴史教育研究の第一人者・ワインバーグの代表作を完訳。その師ショーマンによる、教師の専門性や専門職共同体についての研究論文も併録。【2刷出来】
(ISBN 9784861105555)

目次|contents

監訳者まえがき
導入――歴史理解を理解する
第1部 なぜ私たちは歴史を学ぶのか?
第1章 歴史的思考とその不自然な行為
第2章 歴史の教授・学習についての心理学
第2部 生徒への挑戦
第3章 歴史的テキストの読み取りについて――学校と学問の不仲についての覚書
第4章 エイブラハム・リンカーンを読む――文脈を踏まえた思考についての事例研究
第5章 過去を描写する
第3部 教師への挑戦
第6章 異なるレンズを通して見る歴史――歴史を教える上で学問的視座の果たす役割
第7章 歴史を教える上での知恵のモデル
第8章 時間と場所に見るひだ――歴史教師の知識を理解するためにパフォーマンス課題を用いる
第4部 国家の記憶としての歴史
第9章 言葉に迷う――歴史授業におけるモラルの多義性
第10章 新世紀において歴史意識を作ること

【補足論文】
教えることと知識――新しい改革に向けた基礎基本(リー・ショーマン)
教師は何をいかに学ぶのか――視座の転換(リー・ショーマン&ジュディス・ショーマン)

監訳者あとがき

監訳者|translator

渡部竜也(わたなべ・たつや)
1976年生。東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、授業設計論、教師教育研究。主な著訳書に『真正の学び/学力――質の高い知をめぐる学校再建』(フレッド・M・ニューマン著、共訳、春風社、2017年)、『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』(キース・C・バートン、リンダ・S・レヴスティク著、共訳、春風社、2015年)、『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』(風間書房、2015年)、『変革的知識人としての教師――批判的教授法の学びに向けて』(ヘンリー・A・ジルー著、春風社、2014年)。

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発信型 日本人が使いこなせないフランス基本単語小辞典

発信型 日本人が使いこなせないフランス基本単語小辞典

  • 久松健一・Michel Gonçalves(著)/2017年10月
  • 2500円(本体)/四六判並製348頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

「不自然な」会話はいらない! ネイティヴなら必ず使う基本フレーズ集
話し言葉で使われる表現を軸に、約1800の例文で「使える表現」が一気に増える!
自然な言い回しがしっかり身につく小さいながらも頼りになる辞典。
(ISBN 9784861105630)

 

著者|author

久松健一(ひさまつ・けんいち)
東京、浅草生まれ。現在、明治大学で教壇に立つ。『ケータイ<万能>フランス語文法』や英仏・英西・英伊を扱った「バイリンガル叢書」ほか、語学書・参考書を中心にこれまで数十冊を執筆。
『フランス語動詞宝典』『クラウン フランス語熟語辞典』など辞書類の編集、監修も行う。

Michel Gonçalves(ミシェル・ゴンサルベス)
フランス、サン=ジェルマン=アン=レー生まれ。 ポルトガル人の両親のもと、バイリンガル環境の中で育つ。母語のフランス語以外に4つの言語を操る。オーストラリアで国際貿易を学ぶ。
英・仏会話学校Share Language School(シェアランゲージスクール)代表。

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絲みち

絲みち

  • 吉住小三代(著)/2017年10月
  • 1852円(本体)/四六判上製208頁
  • 装丁:中島衣美

能の梅若家に生まれ、長唄の吉住家に嫁ぐ――
「長唄では自分も主役になれる」。三味線を自立の糧とし、演奏家として、またNPO活動など普及活動の担い手として活躍する一人の女性が語る、古典芸能の世界とそこに生きる女性たち。
巻頭対談「伝統と生きる――女性の歩む道」(坂東眞理子×吉住小三代)、長唄研精会の名曲をめぐる対談(解説・聞き手 細谷朋子)を収録。
(ISBN 9784861105623)

目次|contents

まえがき
伝統と生きる――女性の歩む道(対談 坂東眞理子×吉住小三代)
一 能の家に生まれて
二 植え替えられるように
三 芸と継承
四 女性とご奉仕
私の好きな長唄研精会の曲(解説・聞き手 細谷朋子)
能大夫のお家から長唄のお家元に嫁がれた才媛(山本東次郎)
あとがき

著者|author

吉住小三代(よしずみ・こさよ)
1940年、能の梅若家に出生。名人55世梅若六郎を父とする。20歳で長唄・吉住家の嫡子に嫁し、三味線の演奏家として活動する傍ら、NPO法人「三味線音楽普及の会」を立ち上げ理事長を務めるなど、古典芸能の普及活動にも力をそそぐ。女性ボランティア団体である国際ソロプチミストでも精力的に活動。2012年から2014年には東リジョンガバナーを務める。

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都市の遺産とまちづくり―アジア大都市の歴史保全

都市の遺産とまちづくり

アジア大都市の歴史保全

  • 鈴木伸治(編)/2017年9月
  • 3200円(本体)/B5判並製208頁
  • 装丁:長田年伸

グローバル化時代のもと都市の画一的な再開発が猛烈に進むなか、アジアの都市文化の多様性をどのように継承すべきか?
バンコク、ハノイ、仁川、マカオ、マカティ、ペナン、台北、横浜・山手、東京・神楽坂の9都市における、歴史と文化を活かした都市再生の先進事例を紹介・解説。
◆各国の執筆者による対談・座談会やカラー口絵も多数収録
(ISBN 9784861105609)

目次|indexes

第1章 バンコク・ターティアン地区(タイ)
第2章 ハノイ・36通り地区(ベトナム)
第3章 仁川・都心部近代景観(韓国)
第4章 マカオ サン・ラザロ地区(マカオ)
第5章 マカティ・ポブラシオン(フィリピン)
第6章 ペナン・ジョージタウン(マレーシア)
第7章 台北市大同区迪化街(台湾)
第8章 座談会:パート1
第9章-1 日本における街並み保全
第9章-2 横浜・山手地区(日本)
第9章-3 東京・神楽坂(日本)
第10章 座談会:パート2

編者|editor

鈴木伸治(すずき・のぶはる)
1968年大阪生まれ。横浜市立大学国際総合科学部教授・博士(工学)。著作に『今、田村明を読む―田村明著作選集』(編著、春風社、2016)など。日本都市計画学会論文奨励賞(2003)、気仙沼市魚町・南町内湾地区復興まちづくり
コンペ・アイディア賞(2012)を受賞。
 
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巫者のいる日常―津軽のカミサマから都心のスピリチュアルセラピストまで

巫者のいる日常

津軽のカミサマから都心のスピリチュアルセラピストまで

  • 村上晶(著)/2017年7月
  • 3500円(本体)/四六判並製400頁
  • 装丁:重実生哉

イタコの消えゆく津軽地方で口寄せを行う、カミサマと呼ばれる霊能者たち。
「あの世」と交渉する力をもった霊能者、相談に訪れる依頼者、両者をとりまく地域社会――都心のスピリチュアルセラピストまで射程に入れ、私たちの隣にいる、現代日本の巫者の姿を探る。
(ISBN 9784861105586)

目次|indexes

第1章 同時代的、日常的存在としてのシャーマン

第Ⅰ部 カミサマの姿
第2章 巫者の存立を支える地域の宗教的知識
第3章 カミサマの周辺で―カミサマにならなかった人々
第4章 カミサマと行―赤倉山金剛寺を事例として

第Ⅱ部 カミサマと人々
第5章 カミサマと依頼者
第6章 巫者の指示を実践に移すまで
第7章 春祈祷にみる巫俗の現状

第Ⅲ部 現代社会と巫者
第8章 消えゆく巫俗と生き延びる巫者
第9章 巫者の鎖をたどって
第10章 現代社会を生きる「巫者」

結章  日常生活を起点とした宗教研究に向けて

著者|author

村上晶(むらかみ・あき)
一九八四年静岡県浜松市生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻修了。博士(文学)。専門は宗教社会学。現在、白百合女子大学ほか非常勤講師。

 

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戦後小樽の軌跡―地方都市の衰退と再生

戦後小樽の軌跡

地方都市の衰退と再生

  • 内藤辰美・佐久間美穂(著)/2017年8月
  • 3800円(本体)/四六判上製418頁
  • 装丁:矢萩多聞

なぜ小樽は戦後に衰退したのか?
30人以上の小樽市民を丹念に取材することで、コミュニティ解体の過程と生活者の実態を微視的に考察。地方創生の時代における国家と都市の新たなあり方を模索する。
(ISBN 9784861105265)

目次|indexes

序 章 地方社会と地方都市へのアプローチ
第1章 戦後小樽の都市再生と都市再生事業
第2章 小樽という都市と市民文化――戦後小樽を生きた人々の記憶
第3章 戦後小樽市における町内と町内会――小樽再生のために
第4章 上昇志向型人間と非志向型人間における社会意識――小樽の市勢回復を念頭において
第5章 漁業集落高島における階層構造と社会移動――山田勝敏を中心に
第6章 高島におけるコミュニティと伝統的地域文化
終 章 地方都市の衰退と再生――戦後小樽の歴史と教訓

著者|author

内藤辰美(ないとう・たつみ)
山形大学名誉教授。日本大学大学院社会学専攻博士課程単位取得退学(文学修士)。主な著書に、『北の商都「小樽」の近代―ある都市の伝記』(春風社2015)など。

佐久間美穂(さくま・みほ)
川村学園女子大学教育学部社会教育学科講師。日本女子大学大学院社会福祉学専攻博士前期課程修了(社会福祉学修士)。主な著書に、『中心と周縁――タイ、天草、シカゴ』(春風社2013)など。

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松本清張の葉脈

松本清張の葉脈

    • 南富鎭(著)/2017年8月
    • 2700円(本体)/四六判上製372頁
    • 装丁:桂川潤

善悪功罪を含めた混沌とした巨大なエネルギーの集合体が清張文学であり、戦後の大衆性の実体であり、清張文学はその反映なのかもしれない。(本文より)
清張文学を一本の樹になぞらえ、主要な特徴を提示する。葉脈とは清張が好んで使う用語で、点と点をつなぐ線(葉脈)の意味にもなる。
(ISBN 9784861105579)

目次|indexes

第Ⅰ部 清張文学の系譜
第一章 松本清張と丸山眞男の朝鮮
第二章 松本清張と川端康成の熱海
第三章 松本清張の従軍鉄道と張赫宙
第四章 松本清張の系譜と魯迅
第Ⅱ部 清張文学の葉脈
第五章 フィクション・ノンフィクション・真実
第六章 証言・偽証・冤罪
第七章 社会派推理小説・自殺・失踪
第八章 美術・真贋・史伝

著者|author

南富鎭(なん・ぶじん)
1961年韓国醴泉生まれ。慶北大学校国語国文学科卒業。90年日本文部省国費留学生として来日。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程修了。博士(学術)。主な著書に、『近代日本と朝鮮人像の形成』(勉誠出版)、『翻訳の文学―東アジアにおける文化の領域』(世界思想社)など。

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カント伝

カント伝

  • マンフレッド・キューン(著)、菅沢龍文・中澤武・山根雄一郎(訳)/2017年7月
  • 9000円(本体)/四六判上製1038頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

新たな諸資料を多く取り上げ、生誕から最晩年に至るまでの通俗的なカント像を打ち破る最も詳細な伝記。
幼少期から青少年期にかけてのカントの生活と学問に関する新知見や、ヒューム哲学とカントの批判哲学形成との関係についての新解釈も提示する。
(ISBN 9784861104794)

2刷出来

目次|contents

1. 子供時代と青年時代の初期(一七二四―四〇年)
2. 学生と家庭教師(一七四〇―五五年)
3. 洗練された修士殿(一七五五―六四年)
4. 新生とその結果(一七六四―六九年)
5. 沈黙の歳月(一七七〇―八〇年)
6. 「すべてを粉砕する」形而上学批判者(一七八〇―八四年)
7. 人倫の形而上学の定礎者(一七八四―八七年)
8. 宗教と政治に関する異議申し立て(一七八八―九五年)
9. 老カント(一七九六―一八〇四年)

著者|author

マンフレッド・キューン(Manfred Kuehn)
1947年生れ。ボストン大学名誉教授。専門は、カント、ヒューム、リード、ドイツ・フランス啓蒙思想、宗教哲学。

訳者|translators

菅沢龍文(すがさわ・たつぶみ)
1957年生れ.法政大学大学院人文科学研究科(哲学専攻)博士後期課程単位修得退学.法政大学文学部教授.共訳書:J・シュルツ『カント『純粋理性批判』を読むために』(梓出版社.2008年),I・マウス『啓蒙の民主制理論 カントとのつながりで』(法政大学出版局.1999年)他.

中澤武(なかざわ・たけし)
1963年生れ.早稲田大学大学院文学研究科(哲学専攻)博士後期課程中退.トリーア大学(ドイツ連邦共和国)博士(哲学 Dr. phil.).早稲田大学文学学術院・明海大学歯学部・東京薬科大学 各非常勤講師.翻訳家.著書:Kants Begriff der Sinnlichkeit(frommann-holzboog社,2009年)他.共訳書:ミヒャエル・クヴァンテ『人間の尊厳と人格の自律生命科学と民主主義的価値』(法政大学出版局,2015年)他.

山根雄一郎(やまね・ゆういちろう)
1970年生れ. 東京大学大学院人文社会系研究科(哲学専門分野)博士課程修了, 博士(文学).大東文化大学法学部教授(哲学・倫理学). 著書:『<根源的獲得>の哲学――カント批判哲学への新視角』(東京大学出版会, 2005年),『カント哲学の射程――啓蒙・平和・共生』(風行社, 2011年).

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都市近隣組織の発展過程―コミュニティ・ガバナンスの日米比較論

都市近隣組織の発展過程

コミュニティ・ガバナンスの日米比較論

  • 大内田鶴子(著)/2017年5月
  • 5000円(本体)/A5判上製420頁
  • 装丁:長田年伸

町会やタウンミーティングは民主主義の発展にいかに貢献できるか?
日本は江戸時代の五人組から敗戦後の町内会解体までの流れに、アメリカはポートランド市のネイバーフッド・システムの実態に焦点を当て、両国を多角的に比較考察。コミュニティと民主主義の在り方を問いなおす。
(ISBN 9784861105272)

目次|indexes

第1章 近隣組織の概念的考察
第2章 日本の都市近隣組織の基層(1)
第3章 日本の都市近隣組織の基層(2)
第4章 中間考察:アメリカの近隣組織を見る視点
第5章 アメリカ近隣組織の現在
第6章 アメリカ近隣組織の事例研究(1)ポートランド市
第7章 アメリカ近隣組織の事例研究(2)その他の事例
第8章 総括:近隣組織研究への歴史的視点の導入と国際比較研究の意義

著者|author

大内田鶴子(おおうち・たづこ)
一九五一年生まれ。江戸川大学社会学部教授。専攻は自治のまちづくり、コミュニティ論、地域防災。主な著書に『神田神保町とヘイ・オン・ワイ』(東信堂)、『コミュニティ・ガバナンス』(ぎょうせい)などがある。
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世紀末の長い黄昏―H・G・ウェルズ試論

世紀末の長い黄昏

H・G・ウェルズ試論

  • 宗洋(著)/2017年7月
  • 2700円(本体)/四六判仮フランス装228頁
  • 装丁:間村俊一

19世紀末イギリス、科学技術教育の普及によって登場した「観察者としての読者」は、どのように小説を読んだのか?
SF文学の父・ウェルズの作品を〈観察〉という新しい視点から読み解く。
(ISBN 9784861105500)

目次|indexes

序 章 変貌する社会のなかで
第一章 黄昏のグランド・ツア―『タイム・マシーン』
第二章 リアリティ効果と揺さぶられる境界―『モロー博士の島』
第三章 白か黒かあるいは―『透明人間』
第四章 ロマンティック・サイクリングの展望―『偶然の車輪』
第五章 赤のカタストロフィ―『宇宙戦争』
第六章 崩壊する世界とパノラマ―『トーノ・バンゲイ』

著者|author

宗洋(そう・ひろし)
1974年生まれ。高知大学准教授。専攻は英文学、映像メディア。
共訳書にアン・フリードバーグ『ヴァーチャル・ウィンドウ―アルベルティからマイクロソフトまで』(産業図書、2012年)などがある。

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