教育と他者―非対称性の倫理に向けて

教育と他者

非対称性の倫理に向けて

  • 橋本憲幸(著)/2018年12月
  • 4000円(本体)/A5判上製366頁
  • 装丁:桂川潤

教育はどこまでも教育者の側にあり、教育は不遜な行為である――
だとすれば、教育という行為はどこまで正当化しうるのか?
「開発途上国」に対する国際教育開発においては、“よりよい” 水準を願い、価値判断を伴う教育という行為について、批判的であることが求められる。その正当性の根拠を、ポストコロニアリズムの位置性、ケイパビリティ概念、共生思想の検討を通して問い、他者への関与における倫理に求める。
(ISBN 9784861106149)

◆日本比較教育学会 第29回日本比較教育学会平塚賞審査委員会特別賞 受賞
◆国際開発学会 2019年度国際開発学会奨励賞 受賞 

目次|contents

序章 遠離の他者への教育とどう向き合うか
第一章 教育を語ることができるのは誰か
第二章 教育に他者を呼び出す苦しみはあるか
第三章 教育は他者を自由にするか
第四章 他者と共に生きるとはどういうことか
第五章 共生は教育に何をもたらすか
第六章 教育は他者に出会えるか
終章 教育は倫理的でありうるか

著者|author

橋本憲幸(はしもと・のりゆき)
1981年、福島県生まれ。筑波大学第三学群国際総合学類卒業。筑波大学大学院一貫制博士課程人間総合科学研究科修了。博士(教育学)。山梨県立大学准教授。専門は国際教育開発論、教育哲学。主な著書・論文に、『現代の学校を読み解く――学校の現在地と教育の未来』(春風社、2016年、共著)、『共生と希望の教育学』(筑波大学出版会、2011年、共著)、「教育はグローバル・ガバナンスを統御できるか――国際教育開発の理論的外部」(『国際開発研究』第25巻第1・2号、2016年)、「開発途上国への教育援助の正当化と制限原理――〈われわれ〉は〈彼/彼女ら〉を教育できるか」(『教育学研究』第74巻第3号、2007年)などがある。

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孤独な殿様

孤独な殿様

  • ソーントン不破直子(著)/2018年11月
  • 1500円(本体)/A5判上製128頁
  • 装丁:矢萩多聞

時の経過の意味とは―? 天正大地震から四百年、奥飛騨の小村と東京渋谷の歓楽街を往来する、謎の殿様をめぐる物語
江戸期の数度の大地震、昭和初期の鉱山開発、そして高度成長期のダム建設…と時代に翻弄されてきた飛騨小村の記憶と、花街として栄えた東京渋谷・円山町で起こるOL殺人事件、道玄坂地蔵をとりまく人間模様などが、時空を超え、多彩なストーリーテラーにより語り紡がれてゆく。
(ISBN 9784861106170)

目次|contents

1 飛騨白川郷
2 東京渋谷

著者| author

ソーントン不破直子 (ソーントン・ふわ・なおこ)
1943年生まれ。米国インディアナ大学にて博士号を取得(比較文学)。現在、日本女子大学名誉教授。
著書に『戸籍の謎と丸谷才一』(春風社、2011)、『鎌倉三猫物語』(春風社、2015)、『鎌倉三猫いまふたたび』(同、2016)、訳書に『茶の本』(岡倉天心著、春風社、2009)など。

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そこには何かある―「この自分」が在るという不思議

そこには何かある

「この自分」が在るという不思議

  • 牟田隆郎(著)/2018年11月
  • 1800円(本体)/四六判並製316頁
  • 装丁:桂川潤

なぜ「この自分」なのか。なぜ「この人生」なのか。
さまざまな角度から、疑問―思考―分析を繰り返し、
自分の存在の秘密を解き明かす哲学エッセイ。
(ISBN 9784861106125)

目次より|contents

「他者の心」の成り立ち/存在証明/世間が悪い/好きと嫌い/自尊心と格差/欲求・欲望/モノ・カネ/承認欲求/依存/愛他性・利他性/自己実現/自分探し/夢・希望・理想/自分らしく生きる/物質から生命/「在る」か「無い」か/「魂」

著者|author

牟田隆郎(むた・たかお)
1946年熊本県生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業、同大学院教育学研究科博士課程修了。その後、国立精神衛生研究所、国立精神・神経センター・精神保健研究所、聖学院大学において、研究・教育・臨床に携わる。

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基礎的自治体と町内会自治会―「行政協力制度」の歴史・現状・行方

基礎的自治体と町内会自治会

「行政協力制度」の歴史・現状・行方

  • 日高昭夫(著)/2018年10月
  • 4200円(本体)/A5判上製416頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

町内会自治会は、任意の住民自治組織なのか? 地方自治システムなのか?
自治体行政学の立場から町内会自治会論を整理し、歴史統計と全国調査を駆使して行政協力制度の現況と課題を明らかにする。
歴史的、実証的分析に基づき、貴重な学術的資料と改革の方向を提供。
(ISBN 9784861106118)

目次|contents

序章
第1章 町内会自治会の性格
第2章 「行政協力制度」研究の意義と方法
第3章 町内会自治会の状況と自治体の対応―全国自治体調査の概要
第4章 行政協力制度の現状と課題―全国自治体調査による実態分析
第5章 市制町村制下の行政区長制度とその展開―行政協力制度の原型の形成過程
第6章 行政協力制度の事例研究
第7章 防犯灯と町内会自治会―地域公共サービスの担い手の可能性と限界
第8章 行政協力制度の行方―自治体改革と表裏一体の改革へ
参考文献一覧
巻末資料1 基礎自治体と自治会・町内会等との関係に関する全国自治体調査(調査票)
巻末資料2 調査協力自治体一覧
巻末資料3 基本集計結果
あとがき
索引

著者|author

日高昭夫(ひだか・あきお)
1952年 宮崎県生まれ
1977年 中央大学法学部法律学科卒業
1981年 中央大学大学院法学研究科博士前期課程修了(法学修士)
現在 山梨学院大学法学部政治行政学科教授(法学部長・副学長を歴任)
総務省自治大学校ほか自治体職員研修講師
[主な著書]
共編著『コミュニティ事典』春風社2017年
共著『政治行政入門 新版』公人の友社2017年
共著『日本の政府体系――改革の過程と方向』成文堂2002年
『地域のメタ・ガバナンスと基礎自治体の使命』イマジン出版2004年
『市町村と地域自治会――「第三層の政府」のガバナンス』山梨ふるさと文庫2003年
『自治体職員と考える政策研究――分権時代の新しい政治行政作法』ぎょうせい2000年

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アメリカ人の生活と学校カリキュラム―生活に根差した学校に向けての次のステップ

アメリカ人の生活と学校カリキュラム

生活に根差した学校に向けての次のステップ

  • ハロルド・O・ラッグ(著)、渡部竜也・斉藤仁一朗・堀田諭・桑原敏典(訳)/2018年10月
  • 6000円(本体)/A5判上製502頁
  • 装丁:矢萩多聞

変化する多様な社会の中で、学び手の創造性が活きる相互的な学び方とは?
相互理解と健全な社会形成のためには、関係に基づく個々人の主体的・創造的な活動と、社会と文化を理解することこそが教育の過程に求められる。その統合的な理念を教育の道標であるカリキュラムに具現化することで、新たな教育を位置づけその方向を見据える。
J・デューイと同時期の米国の社会科教育のパイオニアによる代表作を全訳。
(ISBN 9784861106026)

目次|contents

訳者まえがき(渡部竜也)
まえがき
前編 第一次産業社会期の教育
第Ⅰ部 学校と社会
第1章 教育とアメリカ人の生活のドラマ
第2章 カリキュラムと人民の文化
第Ⅱ部 近代工業民主主義の文化
第3章 新たな産業社会の台頭
第4章 ヨーロッパ人が北アメリカを征服した
第5章 アメリカ人の心(思考)についての心理学
第Ⅲ部 機械化時代の学校
第6章 アメリカ学年制学校の誕生
第7章 学年制学校のカリキュラム――いかにそれは発展したのか
第8章 学年制学校とカリキュラム――批判的評価
第Ⅳ部 教育改革――再整理であって、決して改造ではない
第9章 行政による学科カリキュラムのいじくりまわし
第10章 カリキュラムの構成と教育の科学的研究
第11章 回顧――カリキュラム作成の1世紀
後編 新しい社会秩序における教育
第Ⅰ部 大転換期の教育改造
第12章 大転換期
第13章 新教育に向けた新しい概念
第14章 アメリカにおける児童中心教育の始まり
第Ⅱ部 新教育のための新しい心理学
第15章 民主主義の展望――多様で協働的な個人たち
第16章 個人と文化――社会心理学
第17章 学校と文化――論争問題
第18章 合意の心理学――民主主義と思考
第Ⅲ部 生活に根差した学校に向けての次のステップ
第19章 新しい教育プログラム――活動・教科・教科内容
第20章 生活に根差した学校に向けての次のステップ
第21章 全体としての学校生活――カリキュラムの中心
第22章 教育の基盤としての身体の学習に向けたはしがき
第23章 人間とその変化する社会の研究――新しい社会科学教育
第24章 創作活動をする芸術家としての人間
第25章 社会的趨勢に見られる3つの曲線――教育と社会改造
推薦図書

【付録①】私たちはどのように社会科カリキュラムを改造するべきか?――『市民性教育に向けた歴史学と教育学の協力委員会報告書』に例証される委員会手続きについてヘンリー・ジョンソン教授宛ての公開書簡(1921年)
【付録②】社会科の再建について――シェーファー氏の書簡への返答(1921年)

【訳者解説】
ハロルド・ラッグのカリキュラム観に内在する専門家主義という両義性――カリキュラム作成者と教師の位置づけに注目して(斉藤仁一朗)
ラッグらはなぜ教科教育専門の常設委員会の創設を必要としたのか?――「科学的」と「客観的」の意味(堀田諭)

【特別寄稿】教育改造へのステップ(溝上泰)

著訳者略歴

著者| author

ハロルド・O・ラッグ(Harold Ordway Rugg)
1886年マサチューセッツ州生まれ。1908年に理学士の学位を取得後、ダートマス・カレッジのセノア・スクールで土木工学の学士を取得。鉄道測量士やジェームス・ミリケン大学での土木工学のインストラクターを経た後、1915年にイリノイ大学で博士号を取得。1920年にコロンビア大学ティーチャーズ・カレッジの准教授に就任。1924年に同大学教授。社会科カリキュラム教材 “Man and his Changing Society” を執筆し、世界で最初に体系的な主権者教育カリキュラムを作ったことで知られる。

訳者| translators

渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、授業設計論、教師教育、社会改造主義教育論研究。
斉藤仁一朗(さいとう・じんいちろう)
東海大学課程資格教育センター講師。東北大学大学院教育学研究科後期課程修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、米国社会科教育史。
堀田諭(ほりた・さとる)
東京大学大学院教育学研究科特任研究員。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。専門は社会科教育、カリキュラム論、教師教育。
桑原敏典(くわばら・としのり)
岡山大学大学院教育学研究科教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、公民教育論、主権者教育論。

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トロイア戦争の三人の英雄たち―アキレウスとアイアスとオデッセウス

トロイア戦争の三人の英雄たち

アキレウスとアイアスとオデッセウス

  • 川井万里子(著)/2018年10月
  • 2500円(本体)/四六判並製288頁
  • 装丁:中島衣美

「足の速い」速攻型のアキレウス、「ギリシャ人の護りの墻(かき)」アイアス、そして「工夫に富む」策略家オデッセウス。
ホメロス『イリアス』などをもとに再構成された、一気に読めるトロイア戦争の物語。
(ISBN 9784861106132)

目次|contents

はじめに
一 トロイア戦争のはじまり
二 アキレウスの怒り
三 海の民
四 渚のアキレウス
五 アキレウスへの使節派遣
六 アイアスの奮戦
七 パトロクロスの戦死と遺体の救出
八 アキレウスの嘆きと戦列復帰の決意
九 ヘパイストスがつくったアキレウスの楯の模様
十 ヘクトルとアンドロマケ、そしてヘレネ
十一 アキレウスの戦列復帰の決意の影響
十二 ヘクトルの死
十三 パトロクロスの葬儀
十四 葬送記念競技会
十五 ヘクトルの遺体の返還
十六 アキレウスの武具争いと、オデッセウスの弁論
十七 アイアスの心狂い
十八 アイアスの死と埋葬
おわりに

著者|author

川井万里子(かわい・まりこ)
1938年生まれ。東京女子大学英文科卒、東京都立大学大学院英文科修士過程修了、現在、東京経済大学名誉教授。
単著:『「空間」のエリザベス朝演劇―劇作家たちの初期近代』九州大学出版会、2013。
共著:『十七世紀英文学を歴史的に読む』十七世紀英文学会編、金星堂、2015。『甦るシェイクスピア―没後四〇〇周年記念論集』日本シェイクスピア協会編、研究社、2016。
単訳:ジョージ・チャップマン『みんな愚か者』成美堂、1993。エリザベス朝家庭悲劇・作者不詳『フェヴァシャムのアーデン』成美堂、2004。

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詩集 時のなかに

詩集 時のなかに

  • 北岡武司(著)/2018年10月
  • 1800円(本体)/四六判並製128頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

激震、混迷の時代に飄々と生きる。魂の詩(こえ)切れるまで―
哲学者が「時代」「生/死」をテーマに詠った32篇。
その朗々とした言葉の群れは「やがて己の霊に激震を起こす」(著者あとがき)。
(ISBN 9784861106163)

目次|contents


国内線ターミナル
海の声
えらぶゆり
うらうら
そこだけの
タヌキ岩で
しろい貌
外立
ピラミッドの風
風の声
ひょっこり
おなじ空の下
はかなく
あおいつぶやき
波のレンズ

くもり鏡
ゆれゆれて
うかれ
知らざれば
さめざめと青
あじさい
ふりかえらず
晩秋
私は宙
明るみ
とき
ふるえても
翼をひろげ
虫の音
アイドルたぬき岩
糸きれて
ときのまうえから

著者|author

北岡武司(きたおか・たけし)
哲学者、詩人。1948年、兵庫県生まれ。岡山大学名誉教授。
著書に『「銀河鉄道の夜」の世界』(みずのわ出版、2006年)、『シルエットの裏側』(思潮社、2003年)など。訳書に『カント全集〈10〉たんなる理性の限界内の宗教』(岩波書店、2000年)、オタ・フィリップ『お爺ちゃんと大砲』(春風社、2015年)などがある。

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ウェールズ語の歴史

ウェールズ語の歴史

  • ジャネット・デイヴィス(著)、小池剛史(訳)/2018年8月
  • 2700円(本体)/四六判並製312頁
  • 装丁:江森恵子(クリエイティブ・コンセプト)

古代のケルト民族ブリトン人のことばであるウェールズ語は、英語の圧倒的な影響のもとで力強くしなやかに生き抜いてきた。
その長い歴史と豊かな文化を分かりやすく解説し、将来を展望する。
国勢調査が示す21世紀における使用状況や発音・文法の簡単な紹介も。

(ISBN 9784861106088)

目次|contents

図版一覧/地図一覧
謝辞
原著者から本邦訳に向けてのメッセージ
私とウェールズ語
第1章 ウェールズ語の起源
第2章 初期ブリトン人王国時代におけるウェールズ語
第3章 中世のウェールズ語
第4章 併合法から産業革命までのウェールズ語
第5章 産業革命期のウェールズ語
第6章 19世紀後半のウェールズ語
第7章 20世紀前半のウェールズ語
第8章 第二次世界大戦前後のウェールズ語
第9章 現代のウェールズ語
第10章 ウェールズ語とヨーロッパの他の非公用語
第11章 ウェールズ語の特徴
結びにかえて
訳者あとがき
参考文献
索引

著者| author

ジャネット・デイヴィス(Janet Davies)
ウェールズ南東部、ポウィス州のクリックホウェル(Crickhowell)に生まれ、南部中央、ブライナイ・グウェント州のブリンマウル(Brynmawr)に育つ。第二言語としてウェールズ語を身に付け、現在は完全なウェールズ語話者。スウォンジー大学で学士号(歴史学)を、その後アベラストウィス大学大学院で修士号(政治史)を取得する。共編書に多言語社会研究書『メルカトル・メディア・ガイド』(ウェールズ大学出版、1993年)がある。

訳者| translator

小池剛史(こいけ・たけし)
愛知県豊橋市出身。桜美林大学文学部英米文学科卒業。獨協大学大学院外国語学研究科博士後期過程満期修了退学。2004年エジンバラ大学哲学・心理学・言語科学学部英語学科博士課程修了。専門は、ウェールズ語学、英語学、英語史(古英語)。現在、大東文化大学文学部英米文学科准教授。日本カムリ学会代表幹事。著書に『ウェールズ語の基本』(共著:永田喜文、小池剛史/三修社2011年)がある。

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揺れ動く〈保守〉―現代アメリカ文学と社会

揺れ動く〈保守〉

現代アメリカ文学と社会

  • 山口和彦、中谷崇(編)/2018年9月
  • 3500円(本体)/四六判上製336頁
  • 装丁:長田年伸

トランプ現象に見られる混迷と分裂の時代に、文学はどう対峙するのか?
トニ・モリスンからドン・デリーロまで、現代アメリカ文学に描かれた「保守」なるものの諸相について多角的に考察する。
(ISBN 9784861106095)

目次|contents

はしがき―トランプ現象と、現代アメリカ文学の「保守(性)」について語ること【山口和彦】
1 姉妹の選択―モリスンの『ホーム』にみる「保守」としてのセルフ・ヘルプ【深瀬有希子】
2 ニューディールと「保守」の倫理―コーマック・マッカーシーの『果樹園の守り手』における市民的反抗の精神【山口和彦】
3 失われた学費―ウィラ・キャザー「オールド・ミセス・ハリス」と左派批評【山本洋平】
4 老兵死す―ヘミングウェイの『河を渡って木立の中へ』と冷戦【辻秀雄】
5 ジョン・オカダ『ノー・ノー・ボーイ』論―アメリカ社会の主流とマイノリティの境界【安原義博】
6 ブルース・スプリングスティーンの複眼的視線―デューイ、スタインベック、ガスリー、そしてスプリングスティーンへ【遠藤朋之】
7 カーソン・マッカラーズと少女の夢―『結婚式のメンバー』における保守とリベラル【佐々木真理】
8 冷戦終結とジョン・アップダイク的中産階級の変質―9・11後のネオコンとネオリベラリズムの時代への応答【中谷崇】
9 戯れるアトムとイヴ―ボビー・アン・メイソンの南部原発小説『アトミック・ロマンス』【渡邉真理子】
10 囁き続ける水滴―ドン・デリーロ『ゼロK』における「生命の保守」【渡邉克昭】
あとがき―「ネオコン」と「ネオリベラリズム」と「ポスト・トゥルース」の時代における「文学」の意義【中谷崇】

編者| editors

山口和彦(やまぐち・かずひこ)
所属:上智大学文学部准教授
研究分野:コーマック・マッカーシー研究
主要業績:
[論文]「暴力表象と倫理の行方―コーマック・マッカーシー『ブラッド・メリディアン』論」(日本英文学会関東支部編『関東英文学研究』第8号、2016年所収)
[論文]「崇高の向こう側―コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』」(東雅夫・下楠昌哉責任編集『幻想と怪奇の英文学II』春風社、2016年所収)
[共編著]『アメリカ文学入門』(三修社、2013年)

中谷崇(なかたに・たかし)
所属:横浜市立大学国際総合科学部准教授
研究分野:ジョン・アップダイク、ウィリアム・フォークナー研究
主要業績:
[論文]「『アブサロム、アブサロム!』に至るヨクナパトーファの変容―フォークナーのニューオーリンズ経験における「水」と「仮面」が拓いたもの」(日本ウィリアム・フォークナー協会編『フォークナー』19号、 2017年所収)
[論文]「モダニズムのテクスト―フォークナー『響きと怒り』」(明星聖子・納富信留編『テクストとは何か―編集文献学入門』慶應義塾大学出版会、2015年所収)
[論文]「フォークナーと南部農本主義の距離―「分かりやすさ」を欠く「大衆小説」という逆説」(平石貴樹・後藤和彦・諏訪部浩一編『アメリカ文学のアリーナ―ロマンス・大衆・文学史』松柏社、2013年所収)

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難民支援―ドイツメディアが伝えたこと 

難民支援

ドイツメディアが伝えたこと

  • 松原好次、内藤裕子(著)/2018年8月
  • 2700円(本体)/A5判並製306頁
  • 装丁:難波園子

異質の者を排除せず、ありのままの存在として認めること。
2015年以降のドイツにおける難民受け入れの実情と変遷を、現地の新聞やブログをもとに紹介・解説。難民支援に対し否定的・消極的な見方が広まるなか、一市民に何ができるのかを問う。
ベルリン在住の日本人ボランティアによるルポも併録。
(ISBN 9784861106071)

目次|contents

第Ⅰ部 多様な支援の輪
第1章 難民が生き残るうえでの支援
第2章 難民が人間らしく生きるうえでの支援
第3章 難民が将来に希望をつなぐうえでの支援
■コラム① ベルリンの難民支援ボランティア
第Ⅱ部 暗中模索の難民・移民対応
第1章 過去の清算と基本法の成立
第2章 ガストアルバイター受け入れの苦い経験
第3章 多文化共生と自民族優先の狭間で揺れる言語政策
■コラム② ラマダン明けの食事光景
第Ⅲ部 未来に向けての設計図
第1章 理念の堅持か、現実との妥協か
第2章 「支援と要請」の枠組み
第3章 成熟した市民社会をめざして
■コラム③ 統合を模索するベルリン

著者| authors

松原好次(まつばら・こうじ) 
元電気通信大学教授。専門は言語社会学。
著書に、『Indigenous Languages Revitalized?』(春風社、2000年)、『大地にしがみつけ』(訳、春風社、2002年)、『ハワイ研究への招待』(共編、関西学院大学出版会、2004年)、『消滅の危機に瀕したハワイ語の復権をめざして』(編著、明石書店、2010年)、『言語と貧困』(共編、明石書店、2012年)、『英語と開発―グローバル化時代の言語政策と教育』(監訳、春風社、2015年)などがある。

内藤裕子(ないとう・ゆうこ) 
ベルリン在住翻訳者。ベルリンで難民支援ボランティアに参加した経験、所感を執筆。

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