先祖祭祀と墓制の近代―創られた国民的習俗

先祖祭祀と墓制の近代

創られた国民的習俗

  • 問芝志保(著)/2020年10月
  • 5000円(本体)/A5判上製362頁
  • 装丁:矢萩多聞

整然と区画された墓地に家族の墓を所有し、遺骨を納め、折にふれて墓参りに行く―この日本の「伝統的」な習俗は、いつ生まれ、どのようにつくりかえられ、普及してきたのか?
先祖祭祀が国家的アイデンティティと結びつくのと並行して、近世的な墓と墓地が文明化・西洋化を辿った明治~大正。そうした新しい先祖祭祀と墓制がマスメディアを通じて人々に受容され、ナショナリズムとも接合していった昭和戦前期。宗教社会学の立場から、その変遷の諸相に迫る。

(ISBN 9784861106927)

目次|contents

序論

Ⅰ部 先祖祭祀と近代
第1章 文明国のAncestor Worship―穂積陳重『祖先祭祀ト日本法律』再考
第2章 国民道徳論と先祖祭祀―国民的習俗の実践教育

Ⅱ部 墓制と近代
第3章 近代墓制の成立―明治前半期における墓地法制の展開
第4章 近代墓制の受容―札幌にみる墓制の近代
第5章 墓地の西洋化―大正期東京における造園家の墓地観
補論 墓地の聖地化―聖将・東郷平八郎の埋葬を事例として
第6章 カロート式家墓の成立―関東大震災後における東京の墓制

Ⅲ部 昭和戦前期の先祖祭祀と墓制
第7章 明治の墓癖家と昭和の掃苔家―名墓へ向けるまなざしの変容
第8章 昭和戦前期の墓相家と「正しい墓」―無縁墓供養から日本精神論へ

結論

参考文献一覧
あとがき
索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

p.66 「F・ド・クーランジュ」→「N・D・フュステル・ド・クーランジュ」
p.72 「ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.73 「ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.331 「F・ド・クーランジュ」→「フュステル・ド・クーランジュ」
p.i(索引)「ド・クーランジュ、F」→「フュステル・ド・クーランジュ

p.106 図2-2キャプション 「右:国宝」→「右:国定」
p.156 l.14 「墓や墓地の」→「墓と墓地の」
p.182 l.13  「多磨霊園計画」→「多磨墓地計画」
p.311 l.11 「昭和五年頃」→「昭和四年頃」
p.338 l.8 「土居弘」→「土居浩」

※なお、電子版では以上は訂正済みです。

著者|author

問芝志保(といしば・しほ)
博士(文学)。専門は宗教社会学、日本近代宗教史。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、公益財団法人国際宗教研究所研究員。主要研究業績に「寺院と墓地の現在―「墓じまい時代」の課題」(相澤秀生・川又俊則編著『岐路に立つ仏教寺院―曹洞宗宗勢総合調査2015年を中心に』法蔵館、2019年)、「明治民法と祖先祭祀論」(鈴木岩弓・森謙二編『現代日本の葬送と墓制―イエ亡き時代の死者のゆくえ』2018年、吉川弘文館)、「関東大震災と家族納骨墓―近代都市東京の墓制」(『宗教研究』393号、2018年)など。

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中央ヨーロッパ―歴史と文学

中央ヨーロッパ

歴史と文学

  • 桂元嗣(著)/2020年9月
  • 2800円(本体)/四六判並製266頁
  • 装丁:長田年伸

「根本的な奇妙さ」のうえに形作られた中欧の歴史。その歴史を引き受けながら自分たちの物語を再創造するカフカ、チャペック、ロート、ハントケらの文学を、ドイツとの関係、小民族の同化と差異化、神話的虚構といった観点から読み解く。
(ISBN 9784861107016)

目次|contents

はじめに

第1部 チェコとドイツ語
第1章 ルドルフ二世の小部屋―ゴーレムの出現
第2章 言語政策と民族復興運動―物語の共有
第3章 フランツ・カフカ―疎外と変身
第4章 カレル・チャペック―ロボットから見た人間

第2部 ユダヤ人と同化の問題
第1章 ウィーンのユダヤ人―三つのカテゴリー
第2章 自由主義と反ユダヤ主義―白紙の状態を求めて
第3章 グスタフ・マーラーとポリフォニー
第4章 ヨーゼフ・ロート―世界市民の祖国

第3部 オーストリア人の自国感情
第1章 オーストリアとは?―どうにかこうにかやっていく
第2章 「誰も望まなかった国」とその帰結
第3章 戦後オーストリアと「犠牲者神話」―「埋め戻し」をめぐって
第4章 ペーター・ハントケと歴史―『冬の旅』から今

おわりに


図版出典一覧
あとがき

関連年表
ブックガイド
索引

著者|author

桂元嗣(かつら・もとつぐ)
武蔵大学人文学部教授。専門はドイツ文学・中欧文化論。主要研究業績に『人類が全体として見る夢―ローベルト・ムージル『特性のない男』』(コンテンツワークス社、2008年)、『ウィーン1945-1966―オーストリア文学の「悪霊」たち』日本独文学会研究叢書114(編著、日本独文学会、2016年)など

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アフリカにおけるジェンダーと開発―女性の収入向上支援と世帯内意思決定

アフリカにおけるジェンダーと開発

女性の収入向上支援と世帯内意思決定

  • 甲斐田きよみ(著)/2020年9月
  • 4300円(本体)/A5判上製304頁
  • 装丁:矢萩多聞

開発支援が対象とする「世帯」とは何か?いかにして女性のエンパワーメントを促すのか?
JICAの派遣専門家として、ナイジェリア北部イスラーム圏の伝統を実践するハウサ社会で活動した筆者が、ジェンダー役割が不均衡な世帯における意思決定の諸相を分析し、開発援助の可能性を考察する。

(ISBN 9784861107009)

『アフリカにおけるジェンダーと開発』オンデマンド版が出来しました
『モビリティと物質性の人類学』『嗜好品から見える社会』『アフリカにおけるジェンダーと開発』電子書籍を配信開始しました

『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『大原社会問題研究所雑誌』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『アフリカNOW』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の書評が『図書新聞』に掲載されました
『アフリカにおけるジェンダーと開発』の図書紹介が『国際協力ジャーナル』に掲載されました

目次|contents

はじめに
序論
第1章 女性対象の収入向上活動は効果があるのか?
第2章 世帯内意思決定をめぐる研究動向
第3章 ナイジェリア北部における調査の概要
第4章 女性が収入を得ると、世帯内意思決定力は向上するのか?
第5章 世帯内では何をめぐって意思決定が行われるのか?
第6章 どのような女性が世帯内で意思決定に関わりやすいのか?
結論
おわりに

著者|author

甲斐田きよみ(かいだ・きよみ)
文京学院大学外国語学部 准教授。専門:ジェンダーと開発。
主要業績:『はじめてのジェンダーと開発―現場の実体験から』(共編著、2017、新水社)、”What encourages households to adopt rice as a new crop? Understanding gender roles and perceptions in households in northern Namibia” Development in Practice VOL.27, NO.7(共著、2017、Routledge)、「母系社会における世帯内役割の変容とジェンダー規範への影響―タイ 東北部を事例として」『比較文化研究』第136号(2019、日本比較文化学会)

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多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス―グラウンデッド・セオリーからのアプローチ

多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス

グラウンデッド・セオリーからのアプローチ

  • 石黒武人(著)/2020年6月
  • 3600円(本体)/四六判上製202頁
  • 装丁:矢萩多聞

多国籍のメンバーを率いる日本人リーダーに求められるグローバル・マインドセットとは?
日本的労働環境においてメンバーの文化的多様性を活かしつつチームを運営するリーダーの認知過程を、コンテクスト・シフティング、メンバー尊重型の行動などの概念をもとに「見える化」する。

(ISBN 9784861106873)

目次|contents

プロローグ 多文化チームと日本人リーダーの思考プロセス
第1章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性とその動態
第2章 国内多文化チームにおける日本人リーダーの認知的志向性の継承モデル
第3章 研究方法における分野横断的な試み―M-GTAと談話分析の接合
第4章 認知的複雑性と「コンテクスト・シフティング」
第5章 文化的多様性と「多元的察し」―日本的コミュニケーションの可能性
第6章 多文化チームの活用―コンテクスト・シフティングとファシリテーション
エピローグ 日本的労働環境における多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス

著者|author

石黒武人(いしぐろ・たけと)
武蔵野大学グローバル学部准教授。
専門:異文化コミュニケーション学。組織ディスコース研究。
M.A. (International Studies, University of Oregon)、修士(異文化コミュニケーション、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科)、博士(異文化コミュニケーション学、同研究科)。
ライフストーリー・インタビュー、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ、談話分析などの質的研究法を研究目的に応じて用い、様々な研究を行っている。
著書に、「多文化組織におけるコミュニケーションと日本人リーダー」多文化関係学会(編)『多文化社会日本の課題』(pp.158-176)(明石書店、2011年)、『多文化組織の日本人リーダー像―ライフストーリー・インタビューからのアプローチ』(春風社、日本図書館協会推薦図書、2012年)、「異文化コミュニケーションの教育・訓練」石井敏・久米昭元・長谷川典子・桜木俊行・石黒武人『はじめて学ぶ異文化コミュニケーション―多文化共生と平和構築に向けて』(pp.207-230)(有斐閣、2013年)、「多国籍チームにみる組織内コミュニケーション―差異とアイデンティティ」池田理知子・塙幸枝(編著)『グローバル社会における異文化コミュニケーション』(pp.110-119)(三修社、2019年)などがある。

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現代世界の呪術―文化人類学的探究

現代世界の呪術

文化人類学的探究

  • 川田牧人・白川千尋・飯田卓(編)/2020年5月
  • 4500円(本体)/A5判上製482頁
  • 装丁:矢萩多聞

呪術の合理性とは?呪術を問うことの現在的な意義はなにか?
現代でも世界各地でさまざまなかたちで呪術は行われている。人類学の黎明期から議論されてきた問題を、物質性や感覚経験という切り口からアップデートする。

(ISBN 9784861106910)

目次|contents

総論
序論 現代世界において呪術を問うこと(川田牧人)[pp.7-43]
第1章 偶然と必然を結ぶ妖術―アフリカにおける妖術的現実の存在様相(近藤英俊)[pp.45-77]

第Ⅰ部 多元的知識実践環境における合理性の再検討
第2章 呪術・宗教・科学を再考する―あるいは呪術における非合理性(中村 潔)[pp.81-107]
第3章 呪術が禁止されるとき―インドにおける合理主義運動がもたらす迷信としての呪術(松尾瑞穂)[pp.109-135]
第4章 カザフスタンにおける伝統医療とエムシ(治療者)の活動(藤本透子)[pp.137-165]
第5章 動物磁気術と催眠術の近代―科学と呪術のはざまにおける実践=知の誕生の素描(島薗洋介)[pp.167-200]

第Ⅱ部 呪術とコミュニケーション
第6章 ベナンにおけるブードゥのメディア転回(田中正隆)[pp.203-226]
第7章 恐れを通じた干渉―ガーナ南部における挨拶、遊び、王権闘争(浜田明範)[pp.227-250]
第8章 すべてははじめからわかっていた―東南アジア大陸部山地民ラフの呪術と動物(片岡 樹)[pp.251-279]
第9章 「フェティッシュ」を飼い馴らす(中川 敏)[pp.281-301]

第Ⅲ部 感覚とマテリアリティの呪術論
第10章 感覚・マテリアリティ・言葉―ヴァヌアツにおける邪術と科学の関係を起点として(白川千尋)[pp.305-328]
第11章 西欧近世の魔術信仰における感覚・実践・マテリアリティ(黒川正剛)[pp.329-353]
第12章 不可視を「見る」、不可解を「語る」―東北タイにおける呪術と感覚経験(津村文彦)[pp.355-388]
第13章 妖術師の生成するところ―ベナンの新宗教の実践における身体・情動・マテリアリティ(村津 蘭)[pp.389-414]
第14章 あるはずのないものへの疑念―北タイにおける呪術と情動(飯田淳子)[pp.415-436]
第15章 経験されざるものを知る―マダガスカル漁撈民ヴェズにおける霊と呪術のリアリティ(飯田 卓)[pp.437-465]

あとがき  (飯田卓・白川千尋)[pp.467-470]

編者|editors

川田牧人(かわだ・まきと)
成城大学文芸学部教授。文化人類学、宗教人類学。『「人新世」時代の文化人類学』(共著、放送大学教育振興会、2020年)、『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019年)、『パブリックヒストリー入門』(共著、勉誠出版、2019年)など。

白川千尋(しらかわ・ちひろ)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。文化人類学。『呪者の肖像』(共編著、臨川書店、2019 年)、『南太平洋の伝統医療とむきあう―マラリア対策の現場から』(臨川書店、2015年)、『呪術の人類学』(共編著、人文書院、2012年)など。

飯田卓(いいだ・たく)
国立民族学博物館教授。生態人類学、視覚メディアの人類学、文化遺産の人類学。『文化遺産と生きる』(編著、臨川書店、2017年)、『文明史のなかの文化遺産』(編著、臨川書店、2017 年)、『海を生きる技術と知識の民族誌―マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想社、2008年)など。

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合法性と正当性―ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

合法性と正当性

ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー

  • デイヴィッド・ダイゼンハウス(著)池端忠司(訳)/2020年3月
  • 4100円(本体)/A5判並製424頁
  • 装丁:長田年伸

合法性は国家をどのように正当化できるのか。
ワイマール憲法下における三者の法理論を詳述し、現代のロールズやハーバーマスらとも比較。その意義と限界を指摘するとともに、英語圏ではほとんど未知であったヘラーの法理論に対する正当な評価を促す。
(ISBN 9784861106866)

目次|contents

1.合法性と正当性:ワイマール期から見たこれらの屈折度
1.1 複数の緊急事態
1.2 ワイマール期:短い紹介
1.3 1932年7月20日のクーデター
1.4 ワイマール憲法第48条と国事裁判所の判決
2.友と敵:シュミットと法の政治
2.1 決断の主権
2.2 国民の意思としての法
2.3 自由主義、議会主義および法実証主義
2.4 ワイマール憲法の護り手とは
2.5 自由主義の地平
2.6 反ユダヤ主義と弁明
3.実践の中の純粋理論:ケルゼンの法科学
3.1 ケルゼンのシュミット批評
3.2 ワイマール憲法第48条に関するケルゼン
3.3 神、国家および民主制
3.4 合法性の原理
3.5 ケルゼンの思想内部の異質性
4.法秩序の正当性:ヘラーの法理論
4.1 国家論の危機
4.2 文化、社会および国家
4.3 国家の正当性と法
4.4 民主制と同質性
4.5 国民の意思の主権的表現としての法
4.6 立憲的制定法の概念
4.7 個人の法的良心
4.8 法秩序の観念
5.ワイマール期からの教訓:合法性の正当性
5.1 正当化理由に関するシュミットとロールズ
5.2 法の民主制的形態に関するハーバーマス
5.3 ヘルマン・ヘラーと、私たちと同時代の政治哲学および法哲学

著者|author

デイヴィッド・ダイゼンハウス(David Dyzenhaus)

カナダの憲法学者・法哲学者。トロント大学教授。オックスフォード大学で博士号を取得しており、主な著作には本書の前作であるHard Cases in Wicked Legal Systems: South African Law in the Perspective of Legal Philosophy (1991)や、Judging the Judges, Judging Ourselves: Truth, Reconciliation and the Apartheid Legal Order(1998)、The Constitution of Law: Legality in a Time of Emergency(2006)がある。そのほか、彼はLaw as Politics: Carl Schmitt’s Critique of Liberalism Hobbes and the Law(1998)の編者であり、Hobbes and the Law(2012)の共同編者である。

訳者|translator

池端忠司(いけはた・ただし)
香川大学法学部を経て、神奈川大学法学部教授。論文に「寛容・コンテクスト・原理―表現の自由と「抑圧的寛容」」(東京大学社会情報研究所編『放送制度論のパラダイム』東京大学出版会、1994年)、「米国における公的文化助成と表現の自由」(『香川大学法学部創設二十周年記念論文集』成文堂、2005年)、「プロイセン対ライヒ事件をめぐるドイツ憲法理論―英語圏のダイゼンハウスの道案内で」(『憲法理論とその展開―浦部法穂先生古稀記念』信山社、2017年)などがある。翻訳に『寛容な社会―アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論』(春風社、2018年)がある。

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ボルネオ 森と人の関係誌

ボルネオ 森と人の関係誌

  • 佐久間香子(著)/2020年3月
  • 3900円(本体)/四六判上製416頁
  • 装丁:矢萩多聞

ボルネオ島・サラワク州のロングハウスに暮らす「森の民」
交易の時代から植民地支配を経て、出稼ぎ、先住民運動、国立公園設立による観光業の隆盛まで――住民たちは周囲の勢力との関係のなかで、生き抜いてきた。
フィールドワークと史料分析に基づいて描く、森と人の100年間。
(ISBN 9784861106842)

目次|contents

はじめに
凡例
序章 森と人が織りなす時空間へ
第Ⅰ部 森の総合商社―交易拠点としてのロングハウス・コミュニティの形成
第一章 海洋交易を支えた森林資源
第二章 起源・移動・戦闘―動乱の森を生き抜く人びと
コラム1 ボルネオの『竹取物語』は、「民族」の始まりの物語?
第三章 後背地の交易拠点
第四章 「流域社会」という森の社会空間
第五章 第Ⅰ部のまとめ
第Ⅱ部 拡大するロングハウス・コミュニティ、縮小する社会空間
第六章 ロングハウスの空間、国家の空間
第七章 国立公園と生きる―流域の勢力図転換を生き抜く
第八章 森で食べる、森を食べる
コラム2 ヤマアラシの毒の解釈
コラム3 生を受ける場所、死を迎える場所
第九章 先住民運動の光と影―「先住民」プナン人をめぐる葛藤
終章 森と人がつくるロングハウス
おわりに
索引
参照・引用文献
巻末付録

著者|author

佐久間香子(さくま・きょうこ)
1982年京都府生まれ。2015年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科博士課程修了、博士(地域研究)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員、京都大学東南アジア地域研究研究所連携研究員。専門は文化人類学、東南アジア地域研究。
主な著作に、「「生」を満たす活動としての狩猟― ボルネオ内陸部における現在の「森の民」に関する一考察」『地理学論集』89巻1号(2014年)、「ボルネオ内陸部の交易拠点としてのロングハウス―19世紀末のサラワクにおける河川交易からの考察」『東南アジア研究』54巻2号(2017年)、「サラワク人類学の系譜と今日的課題」『マレーシア研究』6号(2017年)など。

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アフリカの森の女たち―文化・進化・発達の人類学

アフリカの森の女たち

文化・進化・発達の人類学

  • ボニー・ヒューレット(著)服部志帆、大石高典、戸田美佳子(訳)/2020年3月
  • 3100円(本体)/四六判並製420頁
  • 装丁:北原和規(UMMM)

「ねえ、聞いて」――ある暑い午後、アメリカから来た人類学者の部屋を訪れた女性たち。少女時代、結婚、出産と子育て、喪失、そして老い――中央アフリカ共和国で隣り合って暮らす農耕民ンガンドゥと狩猟採集民アカの女性たちが人類学者に語る、「女になること」の意味。
女性たちの語りと文化・進化・発達の理論から、人間の多様性と普遍的特性が見えてくる。

「ジャングルで暮らす女の生理と心理を、女の視点から初めて描いたライフヒストリー。自然の中で産む苦難と歓喜が進化の不思議を語る」――山極寿一(京都大学総長)
「日本やアメリカとはまったく異なる注目すべき女性たちについて、魅力的な視点を与えてくれる比類なき本である」――ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』)

(ISBN 9784861106828)

刊行特集ページ

女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(前半)
女は文化なのか? 自然なのか?――語りからさぐる人類社会の多様性と普遍性(後半)

目次|contents

まえがき
はじめに―岐路に立つ女性の生活
第1章 森と村の世界
コラム リバーサイド・ストーリーズ(大石高典)
第2章 森と村の子どもたち
コラム 観の目の子育て(園田浩司)
第3章 良き人生の諸構成要素
コラム 健康と栄養状態から見る「良き人生」(萩野泉)
第4章 結婚と母親期―厳しくも喜びのある現実
コラム 母になるとき(四方篝)
第5章 女性であることの帰結
コラム 女としての呼び名(戸田美佳子)
第6章 世代間の繋がりと祖母たち
コラム すれ違うふたり(服部志帆)
第7章 結論―グローバリゼーションと変化の力
コラム 衣服への渇望(市川光雄)
日本語で読めるおすすめ本
原注
引用文献
解説 コンゴ盆地に生きる女たちの物語―狩猟採集民をめぐる生活世界の人類学(高田明)
解説 語り、理論、物語―森の女性たちの語りに見られる、人間の普遍的特性としての「共同育児」と「自然の教育」(竹ノ下祐二)
訳者あとがき
索引

著者|author

ボニー・ヒューレット(Bonnie L. Hewlett)
ワシントン州立大学・臨床助教授。ワシントン州立大学博士(文化人類学)。専門は医療人類学、思春期の発達、狩猟採集民、進化=文化人類学。中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、ガボン、エチオピアにおいて現地調査を行い、思春期の発達や感染症の文化的背景、社会的学習、愛着行動、健康などについて研究を行ってきた。主著に、The Secret Lives of Anthropologists: Lessons from the Field (Routledge, 2019)等がある。

訳者|translators

服部志帆(はっとり・しほ)
天理大学国際学部・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで狩猟採集民バカの森林利用や民族植物学について、屋久島では狩猟活動の変遷について研究を行っている。主著に、『森と人の共存への挑戦―カメルーンの熱帯雨林保護と狩猟採集民の生活・文化の保全に関する研究』(松香堂書店、2012年)等がある。

大石高典(おおいし・たかのり)
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター・准教授。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究。中部アフリカのカメルーンで、農耕民バクウェレと狩猟採集民バカの生業活動や民族間関係について研究を行っている。著書・編著書に『民族境界の歴史生態学―カメルーンに生きる農耕民と狩猟採集民』(京都大学学術出版会、2016年)、『犬からみた人類史』(勉誠出版、2019年)、『アフリカで学ぶ文化人類学』(昭和堂、2019年)等がある。

戸田美佳子(とだ・みかこ)
上智大学総合グローバル学部・助教。京都大学博士(地域研究)。専門は生態人類学、アフリカ地域研究、障害学。カメルーンの森で暮らす障害者との出会いから、中部アフリカのカメルーンやコンゴで障害者に関する人類学的研究や、アフリカ熱帯林における森林資源利用に関する実践的研究にたずさわっている。主著に『越境する障害者―アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』(明石書店、2015年)等がある。

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江戸の名主 馬込勘解由

江戸の名主 馬込勘解由

  • 髙山慶子(著)/2020年2月
  • 4100円(本体)/A5判上製314頁
  • 装丁:長田年伸

江戸筆頭の名主・馬込家がたどった数奇なる系譜とは?
徳川家康とともに江戸に移住した初代から明治維新に至る十一代を通し、名主役・伝馬役をつとめた馬込勘解由。名主の役割や家としての特徴をそれら相互の関連から検証し、馬込家の歴史および多様な人間関係の広がりの諸相を解き明かす。
(ISBN 9784861106668)

目次|contents

序章 江戸の名主と馬込家
一 近世都市江戸の町人地
二 近世初期の名主
三 名主制度の成立と展開
四 名主の家
五 大伝馬町名主馬込家文書
第一章 馬込家初代
一 遠江国馬込村から江戸へ
二 同僚の家
三 宝田村から大伝馬町へ
四 菩提寺
五 ウィリアム・アダムス
第二章 馬込家歴代
一 家族と縁戚
二 文化と学問
三 同役の名主
四 町の住民
五 豪商
第三章 馬込家の経済事情
一 名主役料
二 伝馬役
三 町屋敷の所持
四 金銭の貸付
五 名主による金融
第四章 宇都宮藩戸田家と馬込家
一 大名戸田家の財務
二 深まる関係
三 江戸の二大金主
四 川村伝左衛門
五 大名の財政事情
第五章 馬込家の明治維新
一 勘解由改め惟長とその息子
二 名主役と伝馬役の廃止
三 債務の行方
四 華族戸田家とのつながり
五 殖産興業の模索
終章 馬込家の歴史
あとがき
図表一覧
索引

著者|author

髙山慶子(たかやま・けいこ)
慶應義塾大学文学部卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。博士(人文科学)。東京都江戸東京博物館専門研究員を経て、現在、宇都宮大学教育学部准教授。著書に『江戸深川猟師町の成立と展開』(名著刊行会、2007年)、『近世の地域と中間権力』(共著、山川出版社、2011年)、『近世下野の生業・文化と領主支配』(共著、岩田書院、2018年)、『シリーズ三都 江戸巻』(共著、東京大学出版会、2019年)がある。

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同定の政治、転覆する声―アルゼンチンの「失踪者」と日系人

同定の政治、転覆する声

アルゼンチンの「失踪者」と日系人

  • 石田智恵(著)/2020年2月
  • 3600円(本体)/A5判上製336頁
  • 装丁:関谷謙太

1970年代、アルゼンチン軍事政権による反政府活動家の弾圧が生み出した大量の「失踪者」。その中には日本人移民の子どもたちがいた――
死体なき「強制失踪」という国家テロリズムと、日常的な人種主義。両者を転覆しようとする日系失踪者とその親族たちの闘いを、文化人類学的視点から描く

(ISBN 9784861106781)

目次|contents


Ⅰ 「国民再編過程」と「回復」の運動
第一章 個人の消去によるナシオンの再編
1 強制失踪という暴力
2 国民再編過程としてのジェノサイド
3 「失踪者」というカテゴリー
第二章 「記憶」の作業、「回復」の運動
4 「母たち」の抵抗から「人権運動」へ
5 「人権運動」における「家族」の意味
6 「免責の時代」と「回復」の市民運動
7 失踪者の喪――死の儀礼研究からみる人権運動
第三章 ナショナリティの問答と人種主義の実践
1 稠密な記憶、少数者の記憶
2 接触=問答の場としての国民社会
3 日常のなかのナショナリティと人種主義的実践
4 アルゼンチン的人種主義と「ハポネス」の位置
5 やわらかな人種主義

Ⅱ 国家テロリズムとマイノリティの闘い――日本という出自
第四章 日系失踪者の闘い
1 軍政ナショナリズムと翼賛的マイノリティ
2 「失踪」したハポネスたち
3 可視性の転覆
第五章 日系失踪者家族の闘い
1 ナシオンと複数の記憶
2 日系社会失踪者親族会
3 語ることと聴き取ること
4 個の回復ともうひとつの「家族」

インタビュー一覧
日系失踪者親族一覧

著者|author

石田智恵(いしだ・ちえ)
1985年奈良県生まれ。早稲田大学法学学術院准教授。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了。博士(学術)。
著作に『異貌の同時代――人類・学・の外へ』(渡辺公三・冨田敬大との共編著、以文社、2017、担当:第一章「個人の登録・消去・回復――アルゼンチンと同一性の問題」)、「やわらかな人種主義――アルゼンチンにおける「ハポネス」の経験から」(『文化人類学研究』18巻、早稲田文化人類学会、2017)、“Interpelación o autonomía. El caso de la identidad nikkei en la comunidad argentino-japonesa”(Pablo Gaviratiとの共著、Alteridades, 27(53): 59-71, 2017)などがある。

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