相互行為(インタラクション)としての英語学習 ―教室談話への現象学的アプローチの試み

相互行為インタラクションとしての英語学習

教室談話への現象学的アプローチの試み

  • 泉谷律子(著)/2024年3月
  • 5000円(本体)/A5判上製236頁
  • 装丁:才村昌子

いま公教育の英語教育では、文法指導と内容重視のコミュニケーションの両方の実践が求められ、外国語習得に本来必要なものを教師が追究することが困難な状況にある。そこで本書は、公立中学校の実際の英語授業における教室内での談話分析をもとに、英語主導のインタラクションをとおして学習者がどのように〈行為としてのことば〉を経験しているのかを、身体性、時間性、空間性、関係性という現象学の視点から論究し、あらためて言語教育の本質を問う。

(ISBN 9784861109348)

目次|contents

まえがき

序章 本書の概要
0.1 問題の所在とその背景
0.2 研究目的
0.3 本書の意義と構成

第1章 先行研究
1.1 コミュニケーションとは
1.2 インタラクションとは
1.3 教室談話研究
1.4 言語観と言語習得観
1.5 リサーチクエスチョン
1.6 本書の位置づけ

第2章 理論的枠組みと研究方法
2.1 現象学
2.2 本書のアプローチ
2.3 英語授業研究への従来のアプローチ
2.4 理論的枠組みのまとめ
2.5 研究方法

第3章 英語授業における挨拶の比較
3.1 挨拶場面比較検討の観点
3.2 IRF/IREパターンと談話の拡張
3.3 分析対象
3.4 分析 挨拶の場面
3.5 考察
3.6 まとめ

第4章 教科書に基づいた質問=回答における相互行為
4.1 評価のない学習機会構築
4.2 先行研究の検討
4.3 分析
4.4 考察
4.5 まとめ

第5章 英語授業で自作の詩を読むという経験
5.1 詩と文学教材の言語教育的価値
5.2 読み、書く教材としての詩
5.3 分析
5.4 考察
5.5 まとめ

第6章 「他人の心を知る」偶発的相互行為
6.1 教室談話における偶発性
6.2 他人の心についての現象学的説明
6.3 分析
6.4 考察
6.5 まとめ

第7章 総合考察 英語授業を生きる経験
7.1 本書で明らかになったこと
7.2 本書の意義の確認

第8章 本書のまとめと今後の課題

参考文献
初出情報
あとがき
付録
索引

著者|author

泉谷律子(いずたに・りつこ)
大阪大学大学院言語文化研究科(現人文学研究科)言語文化専攻博士後期課程修了。博士(言語文化学)。大阪大学人間科学部を卒業後、民間企業への勤務を経て、京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻修士課程修了。修士(教育学)。現在、武庫川女子大学など複数の大学の非常勤教員。専門は、英語教育学、授業談話研究、ナラティヴ分析。論文に、「EFL教授学習における談話分析:活動理論の視点から」(ヴィゴツキー学、別巻第3号、pp. 21-28.)、「中学校英語授業における教室談話の偶発的アイデンティティ」(大阪大学大学院言語文化研究科 言語文化共同研究プロジェクト2015:相互行為研究②-社会と文化、アイデンティティ-, pp. 33-41.)などがある。

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安部公房と境界―未だ/既に存在しない他者たちへ

安部公房と境界

未だ/既に存在しない他者たちへ

  • 岩本知恵(著)/2024年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製286頁
  • 装丁:矢萩多聞

捉えようとすればするほど曖昧になりがちな境界に着目、安部公房作品を様々な境界を問い直し攪乱する実践として論じ読み取る。

どれほど境界の非安定性を描出し、固定化不可能なものとして記述しても、それが言語によるものであり、しかもそれを論じるという形式をとる以上、既存の言説に対抗するための新たな境界、新たな言説は産出されてしまう。ならば、ここで有用なのは、オルタナティブな言説や境界を打ち立てることではなく、オルタナティブな言説や境界たちを記述することである。それは、集権的で支配的な規範を分散させ、様々な言説や境界や認識の可能性をパラレルに配置することになるだろう。境界の非安定性を限りなく拡張し可視化すること、産出された境界の本質化を限りなくずらし、遅延させ、別の認識の可能性を提示すること、こうした記述によって、境界を固定化する力に抗いたい。(本文より)
(ISBN 9784861109409)

目次|contents

序章
第一章 変形する身体境界―「赤い繭」論
第二章 自他境界=言語化できない欠如の場所―「飢えた皮膚」論
第三章 未完の関係性のために―「人魚伝」論
第四章 非/実在の影響力―「幽霊はここにいる」論
第五章 〈まなざされる〉脆さと加害性―『他人の顔』論
第六章 〈いのち〉の境界―『第四間氷期』論
第七章 未だ/既に存在しない他者たちへ―『第四間氷期』論
終章
あとがき

著者|author

岩本知恵(いわもと・ちえ)
1991年大阪府生まれ。立命館大学卒業、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。専門は、近現代日本文学・文化。
主な論文に、「非/実在の影響力―安部公房「幽霊はここにいる」論」(『社会文学』第53号、2021年)、「未完の関係性のために―安部公房「人魚伝」論」(『昭和文学研究』第80集、2020年)など。

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十九世紀小説の誕生―ディケンズ前期小説におけるジャンルの変容

十九世紀小説の誕生

ディケンズ前期小説におけるジャンルの変容

  • 新野緑(著)/2024年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製336頁
  • 装丁:矢萩多聞

ジャーナリズム、イラストレーション、ピカレスク、メロドラマーー多様なジャンルを経て、独自のリアリズムへ。
19世紀的都市型作家ディケンズはどのように生まれたのか? 『ボズのスケッチ』から『バーナビー・ラッジ』に至る前期小説6編におけるジャンル、モチーフの変容に着目し、作家的発展の軌跡をたどる。
(ISBN 9784861109171)

目次|contents

序章 小説というジャンル
第1章 ジャーナリストから小説家へー『ボズのスケッチ』の構成をめぐって
第2章 挿絵との交渉ー『ピクウィック・ペイパーズ』における小説家の位置
第3章 境界線を引くー『オリヴァー・トゥイスト』におけるリアリズムの探求
第4章 新たな創作の形を求めてー『ニコラス・ニクルビー』におけるジャンルの変容
第5章 都市型作家の誕生ー『骨董屋』に見るディケンズの自己形成
第6章 せめぎ合う言葉ー『バーナビー・ラッジ』における謎の創出
第7章 現実と想像の間ーディケンズと群衆
第8章 ロンドンの胃袋ーディケンズと市場
終章 ジャーナリストから都市型作家へ
あとがき
初出一覧
参考文献
図版出典一覧
索引

著者|author

新野緑(にいの・みどり)
大阪大学大学院文学研究科英文学専攻博士後期課程中退 博士(文学)。ノートルダム清心女子大学教授、神戸市外国語大学名誉教授。著書に、『〈私〉語りの文学ーイギリス19世紀小説と自己』(英宝社、2012年)、『小説の迷宮ーディケンズ後期小説を読む』(研究社、2002年)など。

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歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史―現代アフリカにおける暴力と和解

歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史

現代アフリカにおける暴力と和解

  • 佐川徹、竹沢尚一郎、松本尚之(編)/2024年3月
  • 3600円(本体)/A5判上製292頁
  • 装丁:長田年伸

凄惨な暴力の経緯とその後の課題。
アフリカにおけるさまざまな紛争や暴力の論理と動態を、「無秩序」や「野蛮さ」のイメージから距離を置きつつ、その政治経済・歴史的側面に注目しながら解き明かす。

(ISBN 9784861109539)

目次|contents

序章 歴史が生みだす紛争、紛争が生みだす歴史(竹沢尚一郎、松本尚之、佐川徹)[pp.9-41]

Ⅰ 国際関係のなかの紛争の機制
第1章 フランスの「かくも惨めな失敗」―マリにおける紛争と混乱の歴史的背景(竹沢尚一郎)[pp.45-88]
第2章 模倣すべき「過去」―南アフリカ・ナタール植民地における武装蜂起と人種隔離政策の形成(上林朋広)[pp.89-124]
第3章 誰が好戦的なのか―ウガンダにおける治安部隊編成の歴史と民族をめぐる言説(山崎暢子)[pp.125-151]

Ⅱ 暴力のモラリティと歴史経験
第4章 いびつなレプリカとしての「報復」―南スーダン、ヌエル社会における紛争と殺人をめぐる概念の歴史的変遷(橋本栄莉)[pp.155-187]
第5章 内と外の境界を越えて―ウガンダ北部紛争後の和解と加害行為の位置づけ(川口博子)[pp.189-218]

Ⅲ 紛争をめぐる記憶の配置
第6章 ビアフラ戦争とハム仮説―イボ人たちの「さまよえるユダヤ人」としての運命(松本尚之)[pp.221-254]
第7章 沈黙の領有、それに抗する慟哭―ルワンダの「歴史」を取り戻す彼女たちの倫理的交渉(近藤有希子)[pp.255-285]

あとがき
執筆者紹介

編者|editors

佐川徹(さがわ・とおる)
慶應義塾大学文学部准教授
専攻はアフリカ地域研究、文化人類学
主な著作に『負債と信用の人類学:人間経済の現在』(分担執筆、以文社、2023年)、『ようこそアフリカ世界へ』(分担執筆、昭和堂、2022年)、『「戦争と社会」という問い』(分担執筆、岩波書店、2021年)など。

竹沢尚一郎(たけざわ・しょういちろう)
国立民族学博物館・名誉教授
専攻はアフリカ史、宗教人類学
主な著作に『ホモ・サピエンスの宗教史:宗教は人類になにをもたらしたのか』(中央公論新社、2023年)、『原発事故避難者はどう生きてきたか:被傷性の人類学』(東信堂、2022年)、『文化人類学のエッセンス:世界をみる/変える』(共編著、有斐閣、2021年)など。

松本尚之(まつもと・ひさし)
横浜国立大学都市イノベーション研究院教授
専攻は文化人類学、アフリカ地域研究
主な著作に『モビリティの社会学』(分担執筆、有斐閣、近刊)、『アフリカ潜在力のカレイドスコープ』(分担執筆、晃洋書房、2022年)、『アフリカで学ぶ文化人類学:民族誌がひらく世界』(共編著、昭和堂、2019年)など。

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正統的周辺参加としての社会科教育の展開―アンラーニングによる社会参加をもとに

正統的周辺参加としての社会科教育の展開

アンラーニングによる社会参加をもとに

  • 田本正一(著)/2024年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製272頁
  • 装丁:後藤葉子(森デザイン室)

工場立地、新幹線建設、まちづくり、脱原発、安保法制、地球温暖化……
多様なテーマから、市民社会に参加し得る社会科教育の原理と事例をひもとく
正統的周辺参加の理論やアンラーニングの概念という視座をもとに、公教育における授業・カリキュラム・学習評価において、学校、地域、国家、地球といった社会的な共同体における状況や関係を再考し、学びを活かすための方法を提言する。
(ISBN 9784861109461)

目次|Contents

序章 研究の目的と方法
第1部 アンラーニングによる社会参加としての社会科教育の原理
第1章 アンラーニングによる社会参加としての社会科学力
第2章 アンラーニングによる社会参加を原理とした社会科授業と学習評価
第3章 アンラーニングによる社会参加を原理とした社会科カリキュラムの編成
第2部 アンラーニングによる社会参加としての社会科授業の開発
第4章 学校共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第5章 地域社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第6章 地域社会共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第7章 国家社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第8章 国家社会共同体への参加をアンラーニングする社会科授業の開発
第9章 地球社会共同体への参加としての社会科授業の開発
第3部 アンラーニングによる社会参加としての社会科学習評価の開発
第10章 アンラーニングによる社会参加としての社会科学習評価の開発
第11章 社会参加としての社会科学習評価の開発
終章 研究の成果と課題・展望
引用・参考文献
あとがき
事項索引
人名索引

著者|Author

田本正一(たもと・しょういち)
山口大学教育学部准教授。佐賀大学教育学研究科修了。博士(学校教育学)。専門は社会科教育学、ディベート教育。主な著書・論文に、『学びの脱中心化―知的冒険としての学校教育研究』(編著、大学図書出版、2021年)、「市民的変容の実存論的考察―公的領域への現れとしての活動」(日本社会科教育学会『社会科教育研究』第143号、2021年)、「ノットワーキングを意図した社会科授業の実践―外部連携による相互的な学習を目指して」(教育目標・評価学会『教育目標・評価学会紀要』第30号、2020年)、「市民社会への参加に注目した社会科学習評価の検討―小学校第3学年における学習者のナラティヴを事例として」(全国社会科教育学会『社会科研究』第86号、2017年)、「ナラティヴ・アプローチによる『学習』の検討―アンラーニングする学習を目指して」(山口大学教育学部附属教育実践センター『研究紀要』第44号、2017年)、「人口減少社会に対応した小学校社会科授業の開発―アンラーニングによる正統的周辺参加からの考察」(日本社会科教育学会『社会科教育研究』第125号、2015年)など。

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シェイクスピアと日本語 言葉の交通

シェイクスピアと日本語 言葉の交通

  • 中谷森(著)/2024年2月
  • 3500円(本体)/四六判上製272頁
  • 装丁:中本那由子

シェイクスピアを日本語で表現するというのはどういうことなのか――。明治以降の日本におけるシェイクスピア戯曲の翻訳・翻案作品のなかの「言葉」の在りように着目し、日本語と英語を同時に深い角度で眼差した創作者たちの意図、またシェイクスピア作品を取り巻く文化交渉の諸相を論じる。

(ISBN 9784861109416)

目次|contents

まえがき

 

序章 最前線としての辺境

 

第1章 再び〝ことば〟の方へ―研究と実践の通史

1.先行研究を流れる二つの水脈

2.日本のシェイクスピア翻訳と翻案のこれまで

3.本書の構成―四作品の“ことば”が照らすもの

 

第2章 演劇の言葉と小説の文章―小林秀雄作『おふえりや遺文』

1.作品の背景と先行研究

2.演劇と小説の分断―一九三一年発表時の文体

3.おふえりやと言葉の分裂―一九三三年と四九年の改訂

4.演劇と小説の接続―小林の『ハムレット』批評

5.演劇の言葉と小説の文章の紐帯

 

第3章 翻訳を通じた文体創造―福田恆存訳『ハムレット』

1.作品の背景と先行研究

2.せりふ劇と日本の伝統芸能の言語的差異

3.シェイクスピアの韻文と日本語の韻律

4.膠着語の問題と語尾の工夫

5.文末表現の工夫がもたらす独自性

6.「物」としての言葉

 

第4章 脚韻の再創造―木下順二訳『マクベス』

1.作品の背景と先行研究

2.一九七〇年から八八年までの変遷

3.シェイクスピア『マクベス』における脚韻の意義

4.一九八八年版における脚韻の再創造

5.悲劇の翻訳と脚韻

 

第5章 シテの言葉と声―平川祐弘作・宮城聰演出『オセロー』の夢幻能翻案

1.作品の背景と先行研究

2.平川祐弘による謡曲台本の考察

3.宮城聰による初演の演出の考察

4.東西を往還する言葉

5.言葉を旅するデズデモーナ

 

終章 言葉なき死の向こう側

 

あとがき

 

著者|author

中谷森(なかたに・もり)
津田塾大学学芸学部英語英文学科・専任講師。バーミンガム大学修士課程修了(シェイクスピア研究)。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士号(人間・環境学)。専門は、イギリス演劇研究・比較演劇研究。特に日本のシェイクスピア翻訳・翻案作品の研究。主要論文に「福田恆存訳『ハムレット』にみる翻訳を通じた文体創造」(2021)、“The Shifting Appreciation of Hamlet in Its Japanese Novelizations: Hideo Kobayashi’s Ophelia’s Will and Its Revisions”(2020)など。

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教育による包摂/排除に抗する児童福祉の理念―児童自立支援施設の就学義務化から

教育による包摂/排除に抗する児童福祉の理念

児童自立支援施設の就学義務化から

  • 高田俊輔(著)/2024年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

教育と福祉による子どもへの統一的な保障はいかにしてなしうるか
自給自足の学びを目指して――
非行少年を対象とする入所型の児童福祉施設であり、少年院と児童養護施設の折衷的な役割を担ってきた、児童自立支援施設。その変遷や、就学が義務化された現状を考察する。入所児童に向きあう施設職員や学校教員たち実践者の言説や試みを解き明かし、児童福祉と学校教育のそれぞれの論理や実践が浮き彫りにする問題に、どのように理解し関わろうとしてきたかを探る。
(ISBN 9784861109034)

◆日本教育社会学会・第11回日本教育社会学会奨励賞(著書の部) 受賞
◆公益財団法人SOMPO福祉財団・2024年度第26回SOMPO福祉財団奨励賞 受賞

目次|Contents

序章 教育と福祉の「せめぎあい」の記述に向けて
第Ⅰ部 歴史研究編
第1章 歴史研究概要――施設機関誌の言説分析
第2章 感化院・少年教護院における教育・司法との差異化戦略
第3章 教護院の近代化と学校教育
第4章 「準ずる教育」の終焉、学校教育との調和
第Ⅱ部 フィールド調査編
第5章 フィールド調査概要――X支援施設に着目して
第6章 「準ずる教育」の消失と学校教員の「無力化」
第7章 「社会の風」としての学校教育
終章 「せめぎあい」の調整から生まれる連携・協働の可能性
あとがき
参考文献
初出一覧
索引

著者|Author

高田俊輔(たかだ・しゅんすけ)
上越教育大学学校教育研究科・講師。1987年奈良県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。2022年、博士(人間科学)学位取得。東洋大学ライフデザイン学部・助教を経て現職。主要業績に “The relationship between education and child welfare in Japanese children’s self-reliance support facilities” (Contemporary Japan, 30, 2018)、「感化・少年教護実践と『教育的であること』」(『人間教育と福祉』9, 2020)、「教育と福祉のせめぎあい――就学義務化に抵抗する福祉の論理に着目して」(『ソシオロジ』66, 2021)、「教育への抵抗――児童自立支援施設における就学義務化に着目して」(『人間教育と福祉』11, 2022)。

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すべての指に技法を持つ―手仕事が織りなす現代アルジェリア女性の生活誌

すべての指に技法を持つ

手仕事が織りなす現代アルジェリア女性の生活誌

  • 山本沙希(著)/2024年2月
  • 4300円(本体)/A5判上製310頁
  • 装丁:朝倉久美子
  • 装画:原田俊二

手工芸に従事する女性たちの「なんとかやる」実践。稼得機会を生みだすための、賢知と狡知を駆使した日常的な創意工夫によって紡がれる生活世界を、多元的で重層的に描く。

(ISBN 9784861108891)

目次|contents

序章 「指の技法」が紡ぐアルジェリア女性の生活世界
第1章 制度的包摂の試み――公的労働統計と法制度化のプロセス
第2章 コロニアルな植民地支配の遺産の利用と組織化の実践――カビリー地方「絨毯の村」で生きる
第3章 カトリック修道会の活動展開とムスリム女性による利用実践――旧市街カスバにおける手工芸センターの運営
第4章 国内女性団体によるネットワーキングの試み――不揃いな参加形態を保つ
第5章 離婚という経験が断つもの、拓くもの
第6章 個人事業主として働く――手仕事の多様なあり方、働き方
第7章 妻または母であり、事業主であること
終章 「なんとかやる」ことで創られる日常

あとがき
参照文献一覧
索引

著者|author

山本沙希(やまもと・さき)
所属・職位:立教大学異文化コミュニケーション学部ポストドクトラル・フェロー
専攻・専門:北アフリカ・マグリブ地域研究とジェンダー
主な著作に、「家内と戸外をつなぐ手仕事:アルジェリア女性の家内労働という働き方」『労働の理念と現実』(イスラーム・ジェンダー・スタディーズ第8巻、明石書店、2024年)、「現代アルジェリアにおける機織り女性のコロニアルな遺産の利用と組織化の実践:カビリー地方「絨毯の村」を事例に」(『日本中東学会年報』2022年度第1号、2022年)、「アルジェ〈アルジェリア〉:街を飛び交う複数の言語」(『地中海を旅する62章:歴史と文化の都市探訪』、松原康介編、明石書店、2019年)など。

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近代朝鮮文学と民衆―三・一運動、プロレタリア、移民、動員

近代朝鮮文学と民衆

三・一運動、プロレタリア、移民、動員

  • 影本剛(著)/2024年2月
  • 4000円(本体)/四六判上製306頁
  • 装丁:中本那由子

民衆に触発された植民地朝鮮の文学世界

“近代朝鮮文学は民衆の力を感知する感性の鍛錬現場であった。”
日本語の研究ではあまり扱われてこなかった作家や雑誌も取りあげ、日本における朝鮮文学・韓国文学の認識を一新、画期的役割を果たす一冊。

(ISBN 9784861109492)

目次|contents

序章
第一節 問題提起と研究視角
第二節 本書の民衆概念と研究対象
第三節 先行研究の検討
第四節 本書の構成

第一章 三・一運動と民衆に触発された文学
第一節 頭のなかの民衆
第二節 発見された民衆、知識人の羞恥と自責

第二章 プロレタリア文学の大衆化とルンペン・プロレタリア
第一節 感覚の革命と大衆化——「意識化」の外
第二節 負債の力——蔡萬植のルンペン・プロレタリアと農業労働者
第三節 「形象」と社会主義リアリズム——林和の大衆化論

第三章 去った者たちの生活と民族
第一節 虐殺とスティグマ——関東大震災と朝鮮人の生
第二節 「万歳後」あるいは余震——廉想渉の絶対的平等
第三節 ヒエラルキーとレイシズムを解除する——東京の東南地域文学と金史良

第四章 動員される民衆——李箕永
第一節 敵対性と転向の問題
第二節 健康な労働者の系譜
第三節 再配置——ごみ、民族、敵対性

終章

著者|author

影本剛(かげもと・つよし)
朝鮮文学専攻・大学非常勤講師。韓国語の共著に『社会主義雑誌『新生活』研究——1920年代初の思想・運動・文芸の交差と分岐』(ボゴ社、2023)、『「境界」から見た災難の経験』(ヨクラク、2023)、『日本社会のサバルタン研究4——戦争・災害・植民地主義とサバルタン』(J&C、2022)などがある。論文に「近代朝鮮文学と「迷信」——啓蒙と生の原動力」『韓国朝鮮の文化と社会』22号(風響社、2023)などがある。日本語への訳書に高秉權『黙々——聞かれなかった声とともに歩く哲学』(明石書店、2023)、クォンキム・ヒョンヨン編『被害と加害のフェミニズム——#Metoo以降を展望する』(解放出版社、2023、共訳)、金賢京『人、場所、歓待——平等な社会のための3つの概念』(青土社、2020)、李珍景『不穏なるものたちの存在論——人間ですらないもの、卑しいもの、取るに足らないものたちの価値と意味』(インパクト出版会、2015)があり、韓国語への共訳書に金時鐘『失くした季節』(2019)、金時鐘『猪飼野詩集ほか』、栗原幸夫『プロレタリア文学とその時代』(2018)がある。

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原爆被爆者の暮らしとトラウマ―絡み合いを描きだす

原爆被爆者の暮らしとトラウマ

絡み合いを描きだす

  • 愛葉由依(著)/2024年2月
  • 4300円(本体)/A5判上製352頁
  • 装丁:矢萩多聞

トラウマと折り合いをつけながら日々を生きてきた原爆被爆者

晩年になって重い口を開き始めた原爆被爆者や、広島・長崎県外在住の原爆被爆者、乳幼児期被爆者にも光を当て、トラウマをめぐる因果論を当事者の記憶と主観的時間に沿って捉え直す

(ISBN 9784861108860)

目次|contents

はじめに

序章 原爆被爆者とそのトラウマをめぐって

第1部
第1章 国内外に暮らす原爆被爆者
第2章 被爆者援護を求めてたたかう
第3章 愛友会
第4章 原爆関連報道

第2部
第5章 原爆投下と放射線被害の判明
第6章 原爆の記憶をめぐる多様な振る舞い
第7章 次世代を視野に入れた反核と継承

第3部
第8章 螺旋状の因果性をなすトラウマ
第9章 トラウマと折り合いをつけながら生きる

終章 当事者の視点で捉え直す

おわりに
参考文献
索引

著者|author

愛葉由依(あいば・ゆい)

広島大学・特別研究員PD(日本学術振興会)。
名古屋大学大学院人文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
専攻・専門は文化人類学、医療人類学。

主な著作に、「螺旋状の因果性をもつトラウマ――原爆被爆者をめぐって」(『こころと文化』21(2)、2023年)、「乳幼児期被爆者による原爆体験の構築――「愛知自分史の会」の事例から」 (『戦争社会学研究』5、2021年)、 『祖父とあゆむヒロシマ――今は言える、自由に。』 (風媒社、2019年)など。

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