十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング―源流としての美学的共和主義

十八世紀スイス文学とシュトゥルム・ウント・ドラング

源流としての美学的共和主義

  • 今村武(著)/2022年1月
  • 4000円(本体)/A5判上製296頁
  • 装丁:矢萩多聞

チューリヒからドイツへ、そしてヨーロッパ全土へ――
ゲーテやレンツらが活躍した18世紀ドイツの文学、疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)の源流をスイスにたどり、「啓蒙のネットワーク」という視点から文学的・美学的な影響関係を明らかにする。

(ISBN 9784861107757)

目次|contents

第一章 十八世紀チューリヒの文学的状況
第二章 スイス疾風怒濤の伝播と影響
第三章 交差する啓蒙のネットワーク
第四章 クロプシュトックのチューリヒ滞在
第五章 スイスのヴィーラント
第六章 ヴィーラントの叙事詩『キュロス大王』
第七章 ルソー『新エロイーズ』とシュトゥルム・ウント・ドラング
第八章 『若きヴェルテルの悩み』と『新エロイーズ』
第九章 レンツ『家庭教師』と『新エロイーズ』
第十章 スイスのヴェルテル

著者|author

今村武(いまむら・たけし)
東京理科大学教養教育研究院教授。専門は18世紀ドイツ文学、ドイツ演劇。著書に、『救いと寛容の文学―ゲーテからフォークナーまで』(共著、春風社、2019年)、『人間関係から読み解く文学―危難の時の人間関係』(共著、日本人間関係学会・文学と人間関係部会編、開文社出版、2014年)、『近代ドイツ文学の萌芽と展開』(南窓社、2012年)、『不道徳な女性の出現―独仏英米の比較文化』(南窓社、2011年)等がある。

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韓国経済史―先史・古代から併合まで

韓国経済史

先史・古代から併合まで

  • 李榮薫(著)、須川英徳・加藤裕人・大沼巧(訳)/2021年12月
  • 7000円(本体)/A5判上製664頁
  • 装丁:長田年伸

東アジア史の大きな潮流を捉え、朝鮮半島における原初共同体から小農社会成立以降までを実証的に論じた、歴史認識を覆す経済通史。

(ISBN 9784861107825)

目次|contents

目次
はじめに
日本語版への序文

第1章 韓国経済史の方法
1.研究史の回顧
2.何を書くべきか
3.新たな時代区分
第2章 文明の曙
1.先史時代の韓半島
2.烟の成立
3.族長社会
4.国家の出現
第3章 孔烟から丁戸へ
1.7世紀末の農村
2.丁の成立
3.統一新羅の社会
第4章 国人と佃戸
1.集権的支配体制の展開
2.農民と社会
3.元服属期の社会と経済
第5章 儒教的転換
1.朝鮮王朝の創業
2.国田制の再編
3.支配体制の二元化
4.両班と奴婢
5.経済体制と社会
第6章 小農社会
1.市場経済の台頭
2.小農経済の展開
3.小農社会の様相
4.国家的再分配経済
第7章 危機
1.19世紀の停滞
2.帝国主義の到来
3.1880年代の混沌
4.対外貿易の展開と伝統経済の再編
5.黄昏の大韓帝国

参考文献
訳者あとがき
索引

著者|author

李榮薫(イ・ヨンフン)
1951年生まれ。ソウル大学大学院修了、経済学博士。
韓神大学・成均館大学を経てソウル大学経済学部教授、2017年で定年退職。
韓国経済史学会・韓国古文書学会などの会長を歴任。
学術出版賞も数多く受賞(韓国、豪州)。
本書は、退職記念のための書下ろし。

訳者|translators

須川英徳(すかわ・ひでのり)
1957年生まれ。横浜国立大学教育学部、教育人間科学部、大学院都市イノベーション学府教授を経て、2017年より放送大学教授。博士(経済学)。主な著書・論文に『李朝商業政策史研究』(東京大学出版会、1994年)、編著『韓国・朝鮮史への新たな視座』(勉誠出版、2017年)、「一九世紀朝鮮の経済状況をめぐる新たな歴史像」(『朝鮮史研究会論文集』54、2016年)、「高麗末から朝鮮初における武についての試論」(『韓国朝鮮文化研究』17、2018年)など。

加藤裕人(かとう・ひろと)
1981年生まれ。東京学芸大学大学院博士後期課程修了、博士(学術)。
神田外語大・横浜国大・亜細亜大学などで非常勤講師、担当:韓国語・朝鮮史。
主要論文:「高麗末期 恭愍王の『王』の歴史」(『韓国・朝鮮史への新たな視座』勉誠出版、2017年)。「朝鮮前期仏教史に対する歴史学的研究の推移と問題」(『年報朝鮮学』19号、2016年)他。

大沼巧(おおぬま・たくみ)
1990年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在学中。
主要論文:「海税徴収の実態と近代的「所有権」概念との矛盾」須川英徳編『韓国・朝鮮史への新たな視座』勉誠出版、2017年。「大韓帝国期における漁税徴収の実態と「所有権」の整理」『朝鮮学報』246、2018年、他。

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ファッションとテクノロジー―英国ヴィクトリア朝ミドルクラスの衣生活の変容

ファッションとテクノロジー

英国ヴィクトリア朝ミドルクラスの衣生活の変容

  • 長谷部寿女士(著)/2021年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製386頁
  • 装丁:矢萩多聞

工業化を遂げた19世紀英国において、「テクノロジー」はファッションにどのような影響を与えたのか。
ミドルクラス女性のファッションに焦点を当て、ミシンの普及や衣服改革運動を論じつつ、着飾るという行為に対する意識と実践を明らかにする。

(ISBN 9784861107627)

目次|contents

序章 テクノロジーとファッションが結びついた時代
第Ⅰ部 ファッションアイテムにおけるテクノロジー―クリノリン、カシミア・ショール、バッスルと身体シルエットの変遷
第1章 一八五〇年代~一八六〇年代のクリノリンスタイルに見るテクノロジー
第2章 一九世紀イギリスの模造品ショールのデザイン―フランスとインドからの影響
第3章 一八七〇年代~一八八〇年代のバッスルスタイルと装飾、ディスプレイ
第Ⅱ部 衣服製作過程におけるテクノロジーと、衣生活の変化
第4章 ミシン産業の進展とミドルクラスへの普及
第5章 パターンの進展と衣服製作の変容
第Ⅲ部 反装飾によるテクノロジー―パリモードの模倣から脱したオリジナリティの追求
第6章 唯美主義の有用性と個性の表現―ホイス夫人のマニュアル本におけるドレスの唯美性をつうじて
第7章 衣服改革運動のなかのドレスにみるテクノロジー―針からハサミへ
終章 手の経験から生まれる服装意識

著者|author

長谷部寿女士(はせべ・すめじ)
日本女子大学ほか非常勤講師。博士(文学)。専門はイギリスを中心とした服飾文化。主要研究業績:‘The Development of Patterns and The Transformation of Middle-Class Every Clothing in 19th Century Britain’, Journal of the International Association of Costume No. 56, 2020.、「ヴィクトリア朝イギリスの上層ミドルクラスにおける唯美主義ドレス―ホイス夫人のマニュアル本の影響について―」『服飾美学』第64号、2018年、「19世紀イギリスの模造品ショールのデザイン―フランスとインドのデザインからの影響―」『服飾文化学会誌』第17号、2017年。

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野村芳兵衛の教育思想―往相・還相としての「生命信順」と「仲間作り」

野村芳兵衛の教育思想

往相・還相としての「生命信順」と「仲間作り」

  • 冨澤美千子(著)/2021年11月
  • 3630円(本体)/四六判上製272頁
  • 装丁:長田年伸

明治後期から昭和期の教育者である野村芳兵衛による教育実践の可能性を、大正自由教育運動といった社会的な動向の影響をふまえ、独自に生み出された教育思想から考察。池袋児童の村小学校や岐阜公立学校での実践と構想を解明し、自他の相即的・同時的な救済の倫理に基づく、共に生きるための教育の意義を探究する。
(ISBN 9784861107504)

目次|contents

序章 野村芳兵衛の「生命信順」と「仲間作り」の教育思想を問う意味
第一章 野村芳兵衛の生涯
第二章 「生命信順」の教育思想――他力の教育への覚醒過程
第三章 「協力意志に立つ教育」の具現化としての「野天学校」と子ども概念
第四章 「親交学校」を基盤にした「仲間作り」の教育と「協働自治」
第五章 「学習学校」と綴方教育における「教科書を作る教育」――「仲間作り」を基盤にした「生活科」の構想
第六章 「仲間作り」の教育思想――他力の教育実践の可能性
終章 野村芳兵衛の教育思想における往相と還相の論理
参考文献一覧
論文初出
あとがき
索引

著者|author

冨澤美千子(とみざわ・みちこ)
横浜美術大学美術学部教授、同大学教職課程主任。博士(文学)。専門は教育学、教育思想史、カリキュラム研究。大阪大学大学院人間科学研究科臨床人間学講座教育人間学専攻博士前期課程修了、奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科社会生活環境学専攻博士後期課程修了。著書に『子どもの創造力を育む総合的な学習の時間』(単著、大学教育出版、2021年)、『学びあう食育――子どもたちのニュースクール』(共著、中央公論新社、2009年)、『子どもの側に立つ学校――生活教育に根ざした主体的・対話的で深い学びの実現』(共著、北大路書房、2017年)、『教育の知恵60――教師・教育者を励まし勇気づける名言集』(共著、一藝社、2018年)、『教職概論――理想の教師像を求めて』(共著、大学教育出版、2020年)、論文に「野村芳兵衛の綴方教育における『仲間作り』の意義と重要性」『カリキュラム研究』第25号、日本カリキュラム学会、2016年。

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戦後日本のコミュニティ・シアター― 特別でない「私たち」の演劇

戦後日本のコミュニティ・シアター

特別でない「私たち」の演劇

  • 須川渡(著)/2021年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製370頁
  • 装丁:中本那由子

「演劇で食べていく」のみにあらずの演劇の形
戦後日本における、演劇に従事しない素人の演劇活動「コミュニティ・シアター」の実態を考察。岩手県を拠点とする劇団ぶどう座の「地域演劇」や、占領期の「円形劇場」運動、障害者施設での演劇実践など、多様なコミュニティのなかで繰り広げられる演劇の豊かな在り様を探る。2020年に逝去したぶどう座代表・川村光夫氏のインタビューも収録。
(ISBN 9784861107641)

◆日本演劇学会 2022年度日本演劇学会河竹賞奨励賞 受賞

目次|contents

はじめに

序章 コミュニティ・シアター概観

第1部 劇団ぶどう座の地域演劇
第1章 地域演劇の試行――劇団ぶどう座創設
第2章 サークル文化運動としての演劇実践――稽古場建設運動・『嵐と沼』・『町長選挙』
第3章 ローカリティを越える民話劇――劇団ぶどう座『めくらぶんど』
第4章 民話劇の系譜――劇団ぶどう座『うたよみざる』
第5章 地域演劇のこれから――銀河ホール創設からの広がり

第2部 コミュニティ・シアターの実験――円形劇場を中心に
第6章 日本占領期における「円形劇場」の試み――CIEによる普及活動を手がかりに
第7章 劇空間の革新――大阪円型劇場研究会・月光会(一九五二〜六二年)の理論と実践

第3部 秋浜悟史の演劇実践――東北から関西へ
第8章 秋浜悟史の劇作品における「故郷」――『冬眠まんざい』『啄木伝』
第9章 循環するドラマ――知的障害者施設あざみ・もみじ寮の演劇実践

資料
1 川村光夫 インタビュー
2 劇団ぶどう座および川村光夫年譜
3 大阪・円型劇場研究会月光会 上演リスト(一九五二~六二年)
4 秋浜悟史および知的障害者施設あざみ・もみじ寮における演劇活動年譜

おわりに

謝辞
初出一覧
主要参考文献一覧
索引

著者|author

須川渡(すがわ・わたる)
福岡女学院大学人文学部准教授。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は演劇学。主に東北地方の農村を中心とした戦後日本の地域演劇について調査研究を行っている。共著に『漂流の演劇――維新派のパースペクティブ』(大阪大学出版会)がある。

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文学とアダプテーションII―ヨーロッパの古典を読む

文学とアダプテーションII

ヨーロッパの古典を読む

  • 小川公代・吉村和明(編)/2021年11月
  • 3600円(本体)/四六判上製520頁
  • 装丁:矢萩多聞

ホメロス『オデュッセイア』からカズオ・イシグロ『日の名残り』まで。
古代から現代にいたるヨーロッパの〈古典〉に光を当て、再創造としてのアダプテーションによって新たな魅力を帯びることを明らかにする。
アダプテーションを実践している映画監督(ジョン・ウィリアムズ氏)、翻訳家(鴻巣友季子氏)、劇作家(前川知大氏)らの寄稿も収録。

関連書籍:『文学とアダプテーション-ヨーロッパの文化的変容』

(ISBN 9784861107559)

目次|contents

序論 ヨーロッパ古典文学を〈再訪〉する【小川公代】
第I部 総論
第1章 講演 ジェンダーの観点から読む世界文学―男たちが描いてきた女性像【沼野充義】
第2章 文学の映画化は「不純」なのか―ヨーロッパ映画におけるアダプテーション【渋谷哲也】
第3章 ヨーロッパ名作文学の漫画化における三類型―『クラシックス・イラストレイテッド』から『ピノッキオ』まで【森田直子】
第II部 アダプテーション各論
第4章 『ジェイン・エア』のアダプテーション―フェミニズムとウルフの両性具有的視点【小川公代】
第5章 エリオット『ポッサムおじさんの猫とつき合う法』とミュージカル『キャッツ』【新井潤美】
第6章 生々流転する『ユリシーズ』の世界―映画から漫画、グラフィックノベル、VRまで【南谷奉良】
第7章 カズオ・イシグロ『日の名残り』とマーチャント・アイヴォリー映画再考―コラボレーションとしての翻案【秦邦生】
第8章 ライシテの国のアンティゴネー―〈他者〉のゆくえ【伊達聖伸】
第9章 ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』のアダプテーションをめぐって―文化の受容と再生【吉村和明】
第10章 ヴィクトル・ユゴーと映画―怪物から聖人へ【野崎歓】
第11章 ミュンヒハウジアーデとアダプテーション―《驚嘆すべき》「ミュンヒハウゼン」ミームの変容について【眞鍋正紀】
第12章 タヴィアーニ兄弟『素晴らしきボッカッチョ』―ペストをのりこえて【堤康徳】
第13章 ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』―重さと軽さの反転【阿部賢一】
第14章 ふたつの『クロイツェル・ソナタ』―トルストイとウグレシッチ【奥彩子】
第III部 アダプテーション制作者の立場から
第15章 カフカの小説Der Prozessを日本語映画『審判』に翻案する―私はアルゴリズムではない【ジョン・ウィリアムズ】
第16章 インタビュー『ロミオとジュリエット』の小説アダプテーションにおける〝貞節〟と〝裏切り〟【鴻巣友季子】
第17章 ホメロス『オデュッセイア』を現代演劇に―英雄の旅にみる人類の成長と思春期【前川知大】
あとがき 原作とは別のところに行く/原作に立ち返る「アダプテーション」【吉村和明】

編者|editors

小川公代(おがわ・きみよ)
上智大学外国語学部教授。専門は英文学。
吉村和明(よしむら・かずあき)
上智大学名誉教授。専門はフランス文学。

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ともに生きるために―ウェルフェア・リングイスティクスと生態学の視点からみることばの教育

ともに生きるために

ウェルフェア・リングイスティクスと生態学の視点からみることばの教育

  • 尾辻恵美・熊谷由理・佐藤慎司(編)/2021年11月
  • 3900円(本体)/A5判並製304頁
  • 装丁:矢萩多聞

人はことばを変え、ことばも人を変え、そして人もことばも社会・環境を変えていくことができる
グローバリゼーションにより言語・言語教育イデオロギーの転回とコミュニケーションの意義が大きく変わる今、ことばの教育は何をめざすのか? 人、ことば、社会・環境を相互に連関する資源と捉える「言語生態学」の視座から、個人と社会をより豊かに(welfare)する営みとしての、ことばの教育を考える。

(ISBN 9784861107740)

目次|contents

はじめに

Ⅰ 理論
1 章 ウェルフェア・リングイスティクスとは(ハインリッヒ,パトリック)
2 章 生態学が語ることばの教育 ―ウェルフェアを実現するために―(宇都宮 裕章)
3 章 公正な社会づくりをめざしたトランスランゲージング理論とその実践(熊谷 由理・佐藤 慎司)

Ⅱ イデオロギー
4 章 第二の言語イデオロギーの転回におけるメトロリンガルの強み(尾辻 恵美)
5 章 第二言語の使用・学習・教育とイデオロギー ―モノリンガルバイアス,母語話者主義,新自由主義―(義永 美央子)
6 章 日本語教育に関する言説とイデオロギーの考察 ―日本語教師養成における「言語教育観」教育に向けて―(嶋津 百代)

Ⅲ 実践
7 章 ウェルフェア・リングイスティクスを志向する「多言語おしゃべり会International Café for You」の実践 ―言語生態学の視座から― (古市 由美子)
8 章 地域の祭りで踊る教育実践 ―地域への越境を通した留学生のアイデンティティの変化に着目して―(島崎 薫)
9 章 ことばの生態的アプローチと教育実践 ―大阪・エール学園における留学生による地域活動の分析―(松田 真希子・木村 多恵子)

あとがき

編者|editors

尾辻 恵美 おつじ・えみ
シドニー工科大学 准教授。専門は社会言語学,多言語主義,批判的応用言語学,市民性とことばの教育。街における日常多言語活動(メトロリンガリズム)の研究を進めている。最近は,社会言語学と応用言語学の壁を超えた研究に挑み,言語イデオロギーと言語教育イデオロギーをつなげた視点からのことばの教育の必要性を説いている。主な著書に,Metrolingualism: Language in the city(共著,Routledge,2015年),論文に‘Metrolingualism in transitional Japan’(2019年),「多文化共生と多言語共生の時代」(2021 年)などがある。

熊谷 由理 くまがい・ゆり
スミス大学 上級講師。専門は言語教育,クリティカルリテラシー,批判的ディスコース分析。学習者の批判的視点を育むためのプロジェクトの開発に力をいれている。主な著書に『ジャンル別日本語――日本をクリティカルに読む』(共著, Routledge,2016 年),Multiliteracies in World Language Education(共編著,Routledge,2016 年),論文に‘“Ekkyō-bungaku” as crossing the border of language: Implications for learners of Japanese’( 2020年)などがある。

佐藤 慎司 さとう・しんじ
プリンストン大学 日本語プログラムディレクター・主任講師。専門は教育人類学,日本語教育。従来のことばの教育を批判的に見つめ直し,新たな実践を生み出していくことをライフワークとしている。主な著書に『かかわることば』(共編著,東京大学出版会,2017 年),『コミュニケーションとは何か』(共編著,くろしお出版,2019 年),Rethinking Language and Culture in Japanese Education: Beyond the Standard(共編著,Multilingual Matters,2014年)などがある。

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学問としてのダンスの歴史的変容―ウィスコンシン大学マディソン校のダンスの一〇〇年

学問としてのダンスの歴史的変容

ウィスコンシン大学マディソン校のダンスの一〇〇年

  • 木場裕紀(著)/2021年10月
  • 4000円(本体)/A5判上製230頁
  • 装丁:長田年伸

創造的な芸術経験としてのダンス教育の意義を探る
二〇世紀のアメリカの高等教育におけるダンスを取り巻く動向を、世界初のダンス専攻を設立したウィスコンシン大学マディソン校の事例から検証。身体教育と芸術の二つの顔を持つ「学問としてのダンス」の特質を捉えつつ、社会的・政治的要因をふまえ当事者たちの関心に着目し、ダンス及び身体知と大学組織の関係を究明する。
(ISBN 9784861107573)

目次|contents

はじめに
第一章 先行研究の検討と本書の分析の視点
第二章 ウィスコンシン大学マディソン校ダンス・プログラムの創設期
第三章 第二次世界大戦後から一九七〇年代にかけてのアメリカの文化政策とダンス
第四章 身体教育デパートメントの改組とダンスのアイデンティティの模索
第五章 ダンスの「芸術化」とデパートメントとしての独立
終章 本書で得られた知見と貢献
あとがき
UW-Madison Archivesの資料一覧
引用・参考文献一覧
参照ウェブページ一覧
図表一覧
索引

著者|author

木場裕紀(こば・ひろき)
東京電機大学未来科学部准教授。博士(教育学)。鹿児島県出身。専門はダンス教育、教育行政学、カリキュラム研究。日本学術振興会特別研究員(DC2)、大同大学講師を経て、2021年より現職。主な論文に「研究ノート:アメリカ高等教育におけるダンス教育の誕生――カリキュラムの観点から見たマーガレット・ドゥブラーの業績の再評価」、教育学研究、第84巻2号、205-214、2017年、「マーガレット・ドゥブラーの舞踊教育論における経験の諸相――J. デューイを手掛かりに」、舞踊學、第39号、1-8、2017年がある。

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老年笑い学―ユーモアで羽ばたくシニア

老年笑い学

ユーモアで羽ばたくシニア

  • 小向敦子(著)/2021年11月
  • 2400円(本体)/四六判並製276頁
  • 装丁:矢萩多聞

「……にもかかわらず、笑う」ことが大事。綺麗事だけですまないシニア期だからこそ、笑ってもらおう! 笑ってあげよう! 老・病・死をもユーモアで飾れ!
授業で老年学、ゼミで笑い学を担当する教授が、「老年笑い学」の効用を説く。

(ISBN 9784861107788)

目次|contents

はじめに
1 笑うを学ぶ―「今さら」ですが、それが何か!?
2 華麗なるシニア社交界へ―自己紹介のユーモア
3 ユーモアは言葉の綾―笑いの言語的技法の数々
4 笑いは続くよどこまでも―学び尽くせないユーモアのいろいろ
5 間違いを笑い飛ばせ―若者には歯が立たないシニアの特技
6 コンプレックスを笑う―これもまたシニアの特権
7 笑いの「しゃべくり」部門―漫才・落語・コントほか
8 笑いの「サイレント」部門―パントマイム・物真似・手品ほか
9 いざ笑いの祭典を担う
10 頭に「おもしろ」がつくシニアが創る―面白そうなコミュニティ
おわりに
引用文献・参考文献

著者|author

小向敦子(コムカイ・アツコ)
高千穂大学人間科学部教授。
米イリノイ大学(シカゴ校)で心理学部(専攻)、アジア研究学部(副専攻)を学び、同大学院教育学研究科博士課程修了。日本笑い学会会員。
授業で「老年学」、ゼミでは「笑い学」を担当。「シニアとユーモアは最強のコンビ」が自説。
著書に『すごい葬式―笑いで死を乗り越える(朝日新聞出版 2018)、『セラピューティックと老年学―エゴ力学が変える高齢社会』(学文社 2013)など。

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漱石論集こゝろのゆくえ

漱石論集こゝろのゆくえ

  • 斉藤恵子(著)/2021年11月
  • 4500円(本体)/四六判上製函入576頁
  • 装丁:矢萩多聞

ライフワークとして60年間漱石を読み込んできた畢生の論集。漱石はいかに読まれ、論じられてきたのか、その魅力と時代の諸相に迫る。
(ISBN 9784861107634)

目次|contents

はじめに
第1章 ジェイン・オースティン『高慢と偏見』―微苦笑の真理
第2章 夏目漱石のスウィフト論について
第3章 『趣味の遺伝』の世界
第4章 漱石と外国文学
第5章 一九世紀ヨーロッパ文学と『三四郎』
第6章 漱石とピトロクリ
第7章 「アマランス」考
第8章 評釈『薤露行』
第9章 内と外からの夏目漱石
第10章 世紀末と漱石
第11章 漱石研究文献批評
第12章 夏目漱石研究の現状
第13章 書評 岡三郎著『夏目漱石研究』
第14章 書評 江藤淳著『漱石とアーサー王傳說―『薤露行』の比較文学的研究』
第15章 書評 森亮著『小泉八雲の文学』
書評 小島信夫著『私の作家遍歴』
第16章 書評 塚本利明著『漱石と英文学―『漾虚集』の比較文学的研究』
第17章 書評 池田美紀子著『夏目漱石 眼は識る東西の字』
第18章 池田美紀子書評訂正・補遺
第19章 二つのKOKORO―マクレラン訳と近藤いね子訳
第20章 シンガポールの『こゝろ』シンポジウム
第21章 『こゝろ』は日本でどのように読まれてきたか
第22章 『こゝろ』と聖書の世界
終 章 「いのち」と「こころ」
あとがき

初出一覧
参考文献一覧
付録 Kokoro and the Biblical World
人名索引/漱石作品索引

著者|author

斉藤恵子(さいとう・けいこ)
大妻女子大学名誉教授。専攻は英文学、比較文学、比較文化。1936年大連市生まれ。1959年お茶の水女子大学英文科卒業。1963年東京大学教養学部教養学科イギリス分科卒業。1973年東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程単位取得満期退学1979年4月~1999年3月共立女子大学家政学部・文芸学部勤務。1999年4月大妻女子大学比較文化学部長就任。2009年大妻女子大学退職。

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